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こんにちは〜、smileと申します。

1、本条の趣旨
 質問者様のおっしゃる通り、制限行為能力者保護(本人保護)の趣旨を徹底すれば、
弁済を取り消したときは、無条件に物の取り戻しを請求できる、という結論になるでしょう。
    ↓ しかし
 債権者側からすれば、反対給付をしているような場合に、無条件に物の取り戻しを請求されることは不都合でしょう。
    ↓ そこで
 本条は、弁済者の取り戻しに制限を加え、債権者側の利益(取引の安全)を保護しようとしているのです。
    
2、学習指針
 民法を勉強する際に、常に意識していただきたいのは、「民法は私人間の法律関係を調整するための法」
であるということです。
    ↓
 法律関係を「調整」しなければなりませんから、一方当事者のことだけを考えていてはいけません。
利益の対立する他方当事者のことも考えてあげる必要があります。
    ↓ つまり
『本人保護の要請』vs『取引安全の要請』のバランスを民法はどのようにとっているか?、という視点で
民法を眺めてみると、理解が進むと思いますよ!!

3、具体例
 質問者様は、『本人保護の要請』vs『取引安全の要請』のバランスを考えても、制限行為能力者がかわいそうではないか?と
思っておられるのかもしれません。
    ↓ しかし
 例えば、100万円の債務を負っている制限行為能力者Aが、代物弁済として自己の所有する絵画(時価1000万円)を債権者Bに譲渡したが、
制限行為能力者であることを理由に、代物弁済契約を取り消したとしましょう。
    ↓
 この場合、Aは「更に有効な弁済」、つまり100万円相当の絵画を引き渡すとか、100万円の現金を渡すとかしない限り、
1000万円の絵画を取り戻すことができない、というのが476条です。
    ↓
『本人保護の要請』vs『取引安全の要請』のバランスを考えれば、おそらく納得がいく結論ではないでしょうか。



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smile0821 2017-08-25 12:42:38



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