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tamy0919さん、こんばんは。

令和元年改正前は、募集株式の発行等をするときは、常に募集株式の払込金額又はその算定方法を定めなければならないとしていました。
そのため取締役等の報酬として当該株式会社の株式を付与するには、実務上、その払込みに充てるための金銭を取締役等の報酬とした上で、取締役等に募集株式を割り当て、引受人となった取締役等をして株式会社に対する報酬支払請求権をもって現物出資財産として給付させることによって株式を交付することが行われていました。

しかし、このような方法が技巧的であり、かつ、この場合の資本金等の取扱いが明確でないと指摘されていたことから、取締役等の報酬等として株式の発行又は自己株式の処分をするときは、募集株式と引換えにする金銭の払込み又は現物出資財産の給付を要しないとしました(会社202の2Ⅰ①)。

これにより、金銭の払込みや現物出資財産の給付がなくても、資本金が増加するパターンが生まれたということになります。
実際の資本金の増価額の計算は複雑なものになりますが、ざっくり言えば、取締役等が会社に提供した役務を金銭的に評価して、これを計算しているということになります。
したがって、取締役等の役務の提供が実質的な出資に相当するとイメージしてください。

手続の流れは、基本的に募集株式発行等の流れになっていますが、その中でこの制度特有のものを押さえていくのがポイントです。
条文だけを追いかけるのではなく、テキストを読んだり、講義を視聴して全体を理解されることをお勧めします。

講師 小泉嘉孝

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koizumi1 2023-07-31 23:31:54

 *最初に、実務の現場では、御質問の内容がとっても重要なことが、想像されます。しかし、過去問については、未出であり、手元にある人気の市販の受験本には、下記の内容まで触れてないので、本試験のレベルやコースアウト(会計士試験・税理士試験では、別と思います。)に感じました。
                    記
バランスシート:貸借対照表(勘定科目:自己株式の計上しているもの:EX:上場会社)をイメージしてください。
1.事前交付型:今後一定の期間の役務の対価(報酬)として、金〇〇円分の自社株式を事前に割り当て、その報酬額を割当日後の各事業年度の末日までの経過期間分に案分し、その都度、資本金等に計上する。ただし、支給する自社株式が自己株式のときは、4項による。有利発行規制や労務出資規制にも反しないと解されている。(会社法計算規則42条の2)
2.事後交付型:今後一定期間の報酬として金○○円分の自社株式を事後に割り当てることとし、その報酬額を割当日前の各事業年度末日までの経過期間分に案分し、『株式引受権』として貸借対照表の純資産の部に計上しておき、割当日に資本金等に振り替える。有利発行規制や労務出資規制にも反しないと解されている。(会社法計算規則42条の3)
3.取締役の報酬等に係る募集事項の決定の特則(会社法202条の2)
上場会社の取締役報酬(将来の役務の提供の対価)として、出資不要の『自社株式支給制度』が肯定された。(会社法361条1項参照)。新株予約権も(会社法263条3項以下参照)。形式上は、一種の無償割当てともいえるが、申し込みは必要であり、契約構成である。
以上、会社法法令集(第14版・中央経済社85頁・ 590頁より引用)
 *会社法・田中 亘 教授 東京大学出版会 第4版 の巻頭はしがき『計算に関する会社法の諸規定は、簿記のルールが前提になっており、簿記について一定の知識がなければ、その趣旨・内容を理解することはできないと考えたためである。』 参考『取締役の報酬』266~272頁・第5章:計算の章が詳細です。(株式引権:459~460頁)
日産自動車・ゴーン元会長事件のとき、『エクイティ報酬』として、話題になりましたね。

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hinotori 2023-08-02 08:43:16



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