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1.前提:民法256条:共有物分割の請求(原則:1項本文)・禁止特約(例外:1項ただし書き)・更新(2項)
2.結論:エンドレスは、ありません。
具体的には、共有物分割禁止特約:1回目の契約:『5年を超えない・・』=契約時から5年までなら可能。5年は、セーフです。2回目(更新)契約:『更新の時から、5年を超えることができない。』 
3回目の更新ありません。1回目の契約で、更新を見越して、7年分割禁止特約もありません。全て、無効となる。
3.理由:共有関係が長引くと、権利関係が複雑になるため『契約自由の原則』の根底にある民法は、あえて、分割禁止特約期間制限を設けた。『共有者間の人的な関係や、共有する物の性質によって、一定の期間は、共有物の分割をしないほうが、良い場合もありうる。共有者間の合意があれば、そのような、特約を認めても、不都合はない:スタンダード合格テキストより』
EX:TV報道で、相続人が、500人超多数のため、土地開発ができない番組ありました。
4.関連条文:1)分割の制限:民法257条・相隣関係:229条・組合:676条3項・遺産分割:908条3項 2)不分割契約の効力:254条・不動産登記法59条1項6号・65条
5.参考テキスト
1)受講生の方:小泉先生 著 2024版>インプット テキスト>民法Ⅱ 第三章167頁
2)スタンダード合格テキスト第4版183~184頁
3)有斐閣・判例六法
   

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hinotori 2023-08-03 09:57:51

ありがとうございます。
制度の趣旨は、判るのですが、私の質問は、表現上の点でした。
条文からは、更新の時から、5年を超えることができないとだけ書かれているので、5年は当初の契約の時からが正しいと思うわけです。

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pocyun167  2023-08-03 11:09:13

pocyun167さん、こんばんは。

まず、共有物分割と対比となる遺産分割の規定を見てみましょう。
遺産分割禁止の契約については、令和3年の改正で以下のように定められています。

民法908条2項3項
共同相続人は、5年以内の期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割をしない旨の契約をすることができる。
ただし、その期間の終期は、相続開始の時から10年を超えることができない(908Ⅱ)。
前項の契約は、5年以内の期間を定めて更新することができる。
ただし、その期間の終期は、相続開始の時から10年を超えることができない(908Ⅲ)。

上記規定によれば、更新は可能であるが、「その期間の終期は、相続開始の時から10年を超えることができない」と制限されています。
したがって、たとえば相続開始と同時に5年間の分割禁止の契約をし、次にこれを5年の期間をもって更新した場合は、この時点でその終期が相続開始から10年となってしまうため、更に次の更新をすることはできないことが明らかになっています。
これは従来から存在した解釈を明文化したものです。

これに対して、共有物分割禁止の契約は、以下のように規定されています。
民法256条1項2項
各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。
ただし、5年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない(Ⅰ)。
前項ただし書の契約は、更新することができる。
ただし、その期間は、更新の時から5年を超えることができない(Ⅱ)。

ここでは、更新によって分割を禁止できる期間は5年が最大であることは規定されていますが、上記908条3項の規定のようにその終期に関する規定は存在しません。
そうすると、この部分は解釈に委ねられますが、特段の定めがない以上、結果的に複数の更新が繰り返されることも認められるという見解が示されています(注釈民法-物権(2)P591)。

もちろんこのような細かい解釈部分が試験で問われる可能性はほぼありません。
そこで、司法書士試験に合格するために必要とされる知識は、以下の3つだけです。

① 期間が5年に制限されていること
② 更新は可能であるが、その期間も5年を超えることができないこと
③ 遺産分割禁止については、その期間の終期は、相続開始の時から10年を超えることができないと改正で規定されたこと

それ以上に独自の解釈をもって、法文はこのように規定されるべきであるというような視点で学習に取り組む必要はありません。
机の上に並んでいる教材と本試験までの時間の両方を見つめながら、自分が今やるべきことを判断されるのが賢明です。

講師 小泉嘉孝




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koizumi1 2023-08-05 20:51:32



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