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hijk58さん、こんばんは。

侵奪者が既に占有を失っている場合に、占有回収の訴えの相手方となるかについては、直接これを明らかにした判例等はありません。

しかし、占有を奪われた者が、「返還」を請求するのであれば、既に占有を失っている侵害者を相手方とすることに実質的な意味はなく、その請求の相手方とすることはできないものと考えます。

一方、「損害賠償請求」については、占有を侵奪されたことによる損害及びその請求権が存続している以上、侵奪者が既に占有を失っているか否かに関わらず、これを請求することができます。

なお、占有保持の訴え(198)においては、妨害者が妨害を生ぜしめた物を他に譲渡するときは、損害賠償請求の部分を除き、被告適格を失うとした判例(大決昭5.8.6)があり、これと同様に解して良いものと考えます。

また、テキストⅡP195eの侵奪者が目的物を「賃貸」している場合は、侵奪者にもいまだ占有があるため、占有回収の訴えの相手方になるという判例(大判昭5.5.3)も、上記を前提としたものと捉えることができます。

講師 小泉嘉孝 

参考になった:2

koizumi 2018-05-02 22:19:53

小泉先生こんばんは。

占有回収の訴えと回復請求がごっちゃになってたのですが、わかりやすいご説明ありがとうございます。

ちなみに
時計の修理を請け負った場合等の請負人というのは
占有代理人にあたるのでしょうか?

あと、賃貸の場合のご説明までしていただいた部分ですが、
損害賠償請求は侵奪者、返還は悪意の特定承継人、
というような訴えも可能なのでしょうか?

お忙しい中すみません。

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hijk58  2018-05-06 04:09:38

hijk58さん、こんにちは。

代理占有の要件は、極テキストⅡP185のとおりです。
請負人に所持と本人(注文者)のためにする意思があり、注文者と請負人の間には、占有代理関係(占有代理人が本人に対して、物の返還義務を負う現実的又は法律的な関係)が存在するため、時計の修理を請け負った請負人は、占有代理人に該当します。

また、損害賠償請求を侵害者に行い、物の返還を悪意の特定承継人に対して請求する訴えは可能です。

単に「該当するか?」「可能か?」という形から一歩進めて、ご自身の疑問がどの点に生じているのかを具体的に記載して頂けると、そのポイントに適した回答ができることが多くなります。
宜しくお願い致します。

講師 小泉嘉孝

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koizumi  2018-05-06 12:14:56

小泉先生こんにちは!

お忙しい中ありがとうございます。
結論だけ知るよりそこに至るまでの過程がわからないと応用もきかないですよね。
引き続きよろしくお願いします。

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hijk58  2018-05-07 15:45:57



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