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法31条の「被保険者」を、特定の被保険者と考えず、「事業主」に対する「当該事業所の被保険者全員」と考えても理解できませんか?

また、かっこ書きは気にしない方がいいかも・・・

これを理解するためには、一元適用事業の場合、一般保険料は、労災保険に係る部分と、雇用保険に係る部分から構成され、これらは単一のものとして取り扱われるということを理解しなければなりません。

二元適用事業の場合は、それぞれが別の事業として扱われ、それぞれに保険関係が成立するため、このようなことを考える必要がありません。

例えば、一般保険料が120万円で、そのうち30万円が労災保険に係る部分で、90万円が雇用保険に係る部分だとしましょう。(建設業や農林水産業に関わらない一般の本社事務所とします。以下同じ)

この場合、当該事業に係る一般保険料の額のうち雇用保険率に応ずる部分の額(90万円)から、90万円に二事業率(3/9)を乗じて得た額(30万円)を減じた額(60万円)の1/2(30万円)が、被保険者(被保険者全員)が負担すべき額です。

次に、一般保険料が117万円で、そのうち30万円が労災保険に係る部分で、87万円が雇用保険に係る部分で、高年齢者免除額が3万円だとしましょう。

この場合、当該事業に係る一般保険料の額(117万円)に当該事業に係る高年齢者免除額(3万円)を加えた額(120万円)のうち、雇用保険率に応ずる部分の額(90万円)から当該高年齢者免除額(3万円)を減じた額(87万円)から、87万円に二事業率(3/9)を乗じて得た額(29万円)を減じた額(58万円)の1/2(29万円)が、被保険者(被保険者全員)が負担すべき額になります。

何も難しいことはないでしょう?

ただ、一元適用事業の一般保険料は、労災保険に係る部分と、雇用保険に係る部分から構成され、これらは単一のものとして取り扱われるため、いったん高年齢者免除額を戻した本来の一般保険料にしてから、計算を始めるという、面倒なことをしているだけです。

これは、計算上必要、と、いうより、制度の概念に従うとこうなる、と、いうことなのです。

参考になった:3

poo_zzzzz 2017-06-11 10:07:25

早速の回答ありがとうございます。

実は自分でも最初にザックリと数字をあてはめて流れをイメージしてみたところ、
()内を無視した場合や2号は理解できたのですが、()内の意味がわからなかったんですよね。

足して引くなら最初から足さなきゃいいじゃんって…^^;

ただこれは、制度の概念に従っているがため(単一のものとして取り扱われるため)、
このような計算、とういうか、条文になっていたのですね。

納得しました。スッキリしてよかったです。

ありがとうございました。

投稿内容を修正

CooooL  2017-06-11 22:49:03

> 足して引くなら最初から足さなきゃいいじゃんって…^^;

全くその通りですね(笑)



法11条 一般保険料の額は、賃金総額に第12条の規定による一般保険料に係る保険料率を乗じて得た額とする。

法11条の2 政府は、雇用保険に係る保険関係が成立している事業の事業主がその事業に高年齢労働者・・・中略・・・を使用する場合には、政令で定めるところにより、その事業に係る一般保険料の額を、前条第一項の規定にかかわらず、同項の規定による額から、事業主がその事業に使用する高年齢労働者に支払う賃金の総額・・・中略・・・に雇用保険率・・・中略・・・を乗じて得た額を超えない額を減じた額とすることができる。

法12条 一般保険料に係る保険料率は、次のとおりとする。
  一  労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業にあっては、労災保険率と雇用保険率とを加えた率

定義として、一元適用事業における一般保険料率は、労災保険率と雇用保険率とを加えた率です。

「労災保険料率」「雇用保険料率」ではないことに気をつけてくださいね。

現行の徴収法には「労災保険料」「雇用保険料」はないのです。

ないのですから「料率」もありません。

あるのは「労働保険料」の中の「一般保険料」等であり(法10条)、その料率のなかで労災保険・雇用保険がどのようになっているかを示す「率」が労災保険率と雇用保険率です。

そして、一元適用事業における一般保険料は、賃金総額に一般保険料率を乗じて得た額として計算されます。

先に一般保険料率の定義で労災保険率と雇用保険率とを加えて一体にするため、一般保険料の計算段階では、労災部分と雇用部分に切り分けないで一体で計算します。

つまり、労災保険率に応ずる部分の額や、雇用保険率に応ずる部分の額がいくらかは、わからない計算式なのです。

そして、高年齢労働者がある場合は、そのように労災・雇用一体で計算した「一般保険料」から、高年齢者免除額を減じることができます。

法11条、法11条の2では、労災・雇用一体で計算された一般保険料の全体から、高年齢者免除額が減ぜられていて、途中経過はない(雇用保険率に応ずる部分の額がどうなっているのかはわからない)ことに注意してください。



法11条、法11条の2の一般保険料の計算過程で、雇用保険率に応ずる部分の額が示されていれば、法31条は簡単ですよね(笑)

でも、示されてないんです。

ないのですから、法31条は雇用保険率に応ずる部分の額を計算しなければなりません。

この「雇用保険率に応ずる部分」というのは、一元適用事業の一般保険料率の定義(法12条1項1号)である「一般保険料率=労災保険率+雇用保険率」を根拠として求められます。

つまり、雇用保険率に応ずる部分の額は、「一般保険料×雇用保険率/一般保険料率」で求められるのですが、高年齢者免除額が減額された一般保険料には、この式は適用できませんよね?

これを適用して雇用保険率に応ずる部分を求めるには、いったん、高年齢者免除額を減額する前の一般保険料に戻さなければならないのは、わかりますよね?

法31条1項1号のかっこ書きがややこしいのは、このためです。



実務ではこのようなことを考える必要はありません。

賃金からの控除は、単に賃金額に3/1000を乗じるだけですし、免除対象者からは控除しませんし、労働保険料の申告は、申告用紙は1枚ですが、計算方法は二元適用と同様、労災保険関係と雇用保険関係に分けて記入て計算し、計算してから合算するからです。

参考になった:3

poo_zzzzz 2017-06-12 11:53:31

なるほど。構造がわかりました。

自分ではあの()内からこの構造を読み取ることは難しかったと思うので質問してよかったです。

詳しい説明ありがとうございました。

投稿内容を修正

CooooL  2017-06-13 01:09:13



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