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一般常識(社一)/国民健康保険組合の被保険者および健康保険の被保険者の適用除外
watam 2017-06-14 20:59:27
(組織)
第十三条 国民健康保険組合(以下「組合」という。)は、同種の事業又は業務に従事する者で当該組合の地区内に住所を有するものを組合員として組織する。
2 前項の組合の地区は、一又は二以上の市町村の区域によるものとする。ただし、特別の理由があるときは、この区域によらないことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、第六条各号(第八号及び第十号を除く。)のいずれかに該当する者及び他の組合が行う国民健康保険の被保険者である者は、組合員となることができない。ただし、その者の世帯に同条各号(第十号を除く。)のいずれにも該当せず、かつ、他の組合が行う国民健康保険の被保険者でない者があるときは、この限りでない。
4 第一項の規定にかかわらず、組合に使用される者で、第六条各号(第八号及び第十号を除く。)のいずれにも該当せず、かつ、他の組合が行う国民健康保険の被保険者でないものは、当該組合の組合員となることができる。
(人格)
第十四条 組合は、法人とする。
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質問事項(1)~国民健康保険法13条3項に係る質問~
第13条3項は、かみ砕いて書くと以下のようになると思います。
同種の事業又は業務に従事する者で当該組合の地区内に住所を有するものであり、かつ、市町村国保の適用除外者及び他の及び他の組合が行う国民健康保険の被保険者である者は、
当該組合員となることができない。ただし、その者の世帯に、市町村国保の適用除外者でも他の組合が行う国民健康保険の被保険者でもないものがひとりでもいる場合は、
例えば、ある組合国保(A)の被保険者(世帯主)が他の国保組合の組合員となっても、組合員となることができる。
おそらく、上記の世帯主とその世帯に属する者が組合国保(A)の被保険者であり、世帯主は他の組合国民健康保険の被保険者となるが、
その世帯に属する者は、引き続き、その組合国保(A)の被保険者となる、ということをいっているのでしょうが、
世帯主は、組合国保(A)の被保険者でなくとも組合国保(A)の組合員といえるのでしょうか。
(たしかに、この世帯主は、同種の事業又は業務に従事する者で当該組合の地区内に住所を有するものであるので、第13条1項の組合員の定義は満たしているとは思いますが・・・)
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質問事項(2)~国民健康保険法13条4項及び健康保険法3条1項6号に係る質問~
第13条4項は、国保組合に使用される者は、組合員と同種の事業又は業務に従事する者でなくても当該組合の地区内に住所を有するものに該当しなくても、当該組合の組合員になる、
ということをいっていると思いますが、そのとき、あ、これは健康保険法の被保険者の適用除外(法3条1項6号)と関係あるかもと思い、あらためて、この適用除外と比較してみました。
そうすると、第13条4項は「組合に使用される者」とあり、また、「組合員となることができる」とある。
一方、健康保険法3条1項6号は、「国民健康保険組合の事業所に使用される者」とあり、また、「被保険者となることができない」とある。
そこで、あらためて、この健康保険法3条1項6号について考えてみたところ、
これまでは、「国民健康保険組合の(適用)事業所に使用される者」と解釈しており、
「その適用事業所に使用される被保険者は、その適用事業所が法人であっても、(健康保険法の)被保険者となることができない」と解釈していました。
ですが、今回、「国民健康保険組合の事業所に使用される者」とは「国民健康保険組合(法人)の一事業所において使用される者」の可能性もあるのでは?という新たな疑問が生じました。
「国民健康保険組合(法人)の一事業所において使用される者」と解釈すると、 国民健康保険組合は、第14条で、法人といっており、そこで使用される者は、本来、健康保険の被保険者であるが、
国民健康保険に係る事務処理をするのに、健康保険の被保険者であるのもどうかという話になるので、適用除外とするのは、すんなり納得できます。
一方、、「国民健康保険組合の(適用)事業所に使用される者」と解釈すると、
そもそも、国民健康保険組合に適用事業所という概念があるのだろうがという疑問が生じ、あれこれ、国民健康保険組合をピックアップしたところ、
(全国土木建築国民健康保険組合、東京都弁護士国民健康保険組合、東京都医師国民健康保険組合など)見た中では、事業所数を書いていたのは、全国土木建築国民健康保険組合だけでした。
全国土木建築国民健康保険組合については、「本組合の加入事業所に雇い入れられたときや次に該当する場合は、組合員として加入することとなります」と書かれており、
ここは事業所単位の適用なのかなと思いました。
そうすると「国民健康保険組合の(適用)事業所に使用される者は、その適用事業所が法人であっても、(健康保険法の)被保険者となることができない」という解釈もできるなと考えました。
ですが、この場合、ひとつだけ疑問が生じます。
私の持っている社労士試験用の基本テキストに適用除外の承認は不要だと書いてあるのですが、
全国土木建築国民健康保険組合のホームページに、
『組合に加入している法人事業所及び個人事業主(個人の場合、従業員数が常時5人以上である場合に限ります。)
に使用される常用労働者及び特定適用事業所等(※)に使用される短時間労働者は、本来健康保険の被保険者となるべき方です。
この方々が、本組合の第一種組合員として加入するには、健康保険を適用しないという承認(健康保険被保険者適用除外承認)申請手続きを行う必要があります。』と書かれていたのです。
そうすると、現時点では、「国民健康保険組合の(適用)事業所に使用される者は、その適用事業所が法人であっても、(健康保険法の)被保険者となることができない」という解釈ではなく、
「国民健康保険組合(法人)の一事業所において使用される者は、その適用事業所が法人であっても、(健康保険法の)被保険者となることができない」という解釈が正しいのではと思っています。
私が考え違いをしてる場合はご指摘ください。
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質問事項(3)~健康保険法3条1項8号に係る質問あれこれ~
健康保険を適用しないという承認(健康保険被保険者適用除外承認)申請手続きを行うことによって、厚生労働大臣等の承認を受けた者が、
健康保険法3条1項8号の「厚生労働大臣、健康保険組合又は共済組合の承認を受けた者」に該当すると考えたのですが、考え違いをしていないでしょうか?
全国土木建築国民健康保険組合の組合員
=適用事業所に使用される者=国民健康保険の被保険者、ただし、個人単位で健康保険被保険者適用除外承認申請を行う必要あると考えたのですが、考え違いをしていないでしょうか?
東京医師国民健康保険組合の組合員
=医療・福祉の事業または業務に従事する東京都医師会会員である医師、
及び当該医師が開設し、または管理者である東京都の区域の医療機関及び福祉施設に勤務する者で、所定の地区内に住所を有する者
この場合、例えば、当該組合員となった医師が開設する医療機関(法人)に勤務する者(常勤)のすべてが国民健康保険組合の被保険者となるのでしょうか、
それとも、法人ゆえ勤務する者(常勤)のすべてが健康保険の被保険者となるのでしょうか?
あるいは、国民健康保険組合の組合員になりたい人のみ健康保険被保険者適用除外承認申請をすることができるのでしょうか?
(私は、医師が国民健康保険組合の組合員である場合、当該医師が開設する医療機関(法人)に勤務する者のすべてが有無をいわさず国民健康保険の被保険者となるとずっと思っていました。)
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以上です。ご回答よろしくお願いいたします。
(1)
国保の加入単位は基本的に世帯です。
法19条2項の定めにより、規約の定めるところにより、組合員の世帯に属する者を包括して被保険者としない(つまり組合員のためだけの国保組合)ことはできますが、これを例外とすれば、国保の加入単位は基本的に世帯です。
このため、制度全体で見るなら、ある世帯は、市町村国保にしか入り得ない世帯と組合国保に入りうる世帯に塗り分けられます。たまたま世帯全体が健保の被保険者及び被扶養者であるという場合はありますが、その場合でも、被保険者が退職したらどうなるかを考えれば、やはりある世帯は、市町村国保にしか入り得ない世帯と組合国保に入りうる世帯に分かれます。
この場合に、ある組合国保について法13条1項を満たす者がある世帯において、その者が現在の状態として当該組合の被保険者たる組合員にはなれなくても、その世帯に当該組合の被保険者になり得る者が居るのなら、その世帯は組合国保に入りうる世帯なのだから、その者を(被保険者にはならない)組合員としても良い、という考え方のようです。
(2)
これ、わかりにくいですよね。
実は私も長い間放置していて、漠然と国民健康保険組合に入っている事業所かな?くらいに思っていた部分なのですが、今回、改めて調べてみました。
縁あって、かなり昔の全国土木建築国民健康保険組合のハンドブックを持っていたはずなので、これを探して引っ張り出してみたのですが、そこには、お書きになっている適用除外の承認について、「健康保険法13条ノ2第2項の承認」と、根拠条文が書かれていました。
この「健康保険法13条ノ2第2項」は、旧健康保険法の条文で、内容は、 「前条ノ規定ニ依リ健康保険ノ被保険者タルベキ者ニシテ保険者又ハ第十二条ノ規定ニ依ル共済組合ノ承認ヲ受ケタルモノハ健康保険ノ被保険者トセズ但シ健康保険ノ被保険者タラザルニ依リ国民健康保険ノ被保険者タルベキ期間ニ限ル」というものです。
つまり、この適用除外は、現在の法3条1項8号による適用除外です。
「適用事業所」の概念を持つ国民健康保険組合は全国土木建築国民健康保険組合以外知らないので、消去的な思考になりますが、上記のことから、法3条1項6号は、法人としての国民健康保険組合の事業所を指すのではないかと思われます。
(3)
包括適用かどうかについては、法令上は包括適用ではないように思います。(該当条文が見当たらない)
しかし、私の知っている例で言うと、医療法人が医師国保の適用を受ける場合などは、実務的には包括加入のようにになっていて、社会保険適用が厚生年金保険のみの適用になっています。
参考になった:1人
poo_zzzzz 2017-06-15 00:55:19
ご回答ありがとうございます。
poo_zzzzz先生は、「ここは根拠に基づいているが、ここからは私見です」など書いてくださるので、
先生自身がどのように考えていて、あるいはどのように考えてきたかが伝わります。
ですので、ぐっと理解の幅が広がります。今回も理解の幅が広がりました。
あらためて、先生に感謝いたします。
また、この質問広場をつくってくださった山川先生やこの質問広場を運営してくださっているスタッフの皆様にも感謝します。
それでは失礼いたします。
watam 2017-06-15 07:25:05