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労働基準法/組合専従職員の取扱いについて
CooooL 2017-06-26 21:37:15
労働組合の専従職員とは勤務している会社を休職又は退職して労働組合活動に専念する職員のこで、
労働組合の専従職員も労働基準法の労働者として扱われると思いますが、この場合の使用者は、
勤務している会社を休職して労働組合活動に専念する場合は当該会社、勤務している会社を退職して
労働組合活動に専念する場合は当該労働組合、という理解でよろしいのでしょうか?
以上よろしくお願いします。
休職の場合、当該会社との労働契約関係は存続します。
退職する場合は、当然のことながら当該会社との労働契約関係は消滅です。
その者が、労働組合で労働者の地位にあるなら、当該労働組合との関係は労働契約関係になります。
その者が、労働組合で委員長その他の執行機関のメンバーになる場合は、その実情にもよりますが、当該労働組合との関係は原則的に委任関係であって労働契約関係ではありません。
つまり、休職による組合専従で、組合において労働者であるなら、二重の労働契約関係(一種の在籍出向)です。
休職による組合専従であっても、組合において執行部に入ったような場合は、元の会社との間の労働契約関係は存続するが、組合においては労働契約関係がありません。
退職による組合専従の場合に、組合において労働者であれば、組合との間にのみ労働契約関係があります。
退職による組合専従の場合に、組合において執行機関に入る等、労働者でなければ、その者には労働契約関係がありません。
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poo_zzzzz 2017-06-27 01:46:16
誰が使用者か?という質問に答えていませんでしたね。
休職状態においては、労務の提供においての指揮命令が行われないため、また、組合専従の場合は賃金の支払いも行われない(行うと利益供与になって不当労働行為になる可能性がある)ため、労働時間・休日・休憩・賃金において、元の会社が労働基準法上の使用者の立場に立つ可能性は低いです。
ただ、解雇も含んで労働契約においては、雇用の継続の責任は元の会社が負いますので、元の会社も使用者の立場に立ちます。
ご存じのように労基法上の「使用者」「労働者」は、相対的なものであり、通常の会社での勤務におけるある労働者を考えてみても、労働時間の管理においての使用者と、賃金の支払いにおいての使用者は異なる可能性があります。
もちろん、会社が最終的な責任を負うのは当然ですので、違法な残業を行わせたり、賃金の支払いが正しく行われなかった場合、法人である会社(個人企業の場合は個人事業主)が使用者としての責任を問われるのは当然ですが、自然人として使用者責任を問われるのは担当部長であったり、経理部長であったりするのです。
ですので、労働契約関係があるのかどうかは簡単に判断できますが、「誰が使用者か」は、使用者責任の所在を自然人に求めるのであれば、一つ一つのケースを見なければなりません。
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poo_zzzzz 2017-06-27 09:24:22
なるほど。単純に答えがあるわけではないんですね。
では、労働契約関係のあるなしの判断だけ理解しておこうと思います。
回答ありがとうございました。
CooooL 2017-06-28 22:55:54
そうですね。
ただ、専従ということは、労働組合の仕事しかしないのですから、仕事による報酬は当該労働組合から得るしかありません。
先の回答にも書いたとおり、労働組合での仕事に対して、会社は報酬を支払うことができませんからね。(労組法2条2号、労組法7条3号)
ですから、元いた会社において休職である場合であっても、当該会社が当該労働者に対して使用者の立場を取りうるのは、雇用の維持及び復職後の役職・賃金・退職金その他の労働条件の維持といった点に限られます。
つまり、この労働者が労働組合において労働者の立場で働くのであれば、当該労働者の労基法上の使用者の立場にあるのは、通常は当該労働組合の執行機関のメンバーその他労働組合の管理職の者です。
また専従制度を持つような労働組合は、まず間違いなく、法人である労働組合(労組法11条以下)です。
法人である労働組合でないと財産の保有や管理が難しく、安定して報酬を支払うことが難しいですからね。
その場合、労働組合での専従は、その者の契約関係に関しては子会社や関連会社への出向とほぼ同じです。
休職による専従なら在籍出向、退職による専従なら移籍出向であり、この労働者が当該労働組合において執行機関に入るならば、そこでは法人としての労働組合と委任関係を成立させることになり、この労働者が当該労働組合において労働者の立場で働くのであれば、そこでは法人としての労働組合と労働契約関係を成立させることになります。
法人としての労働組合と労働契約関係が成立した場合、当該法人は事業主として当該労働者に対する労基法上の使用者の立場に立ちます。
この場合に、その従業者が使用者として処罰されるときは、法人としての労働組合にも罰金が科されます。
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poo_zzzzz 2017-06-29 12:43:53
新ためての詳しい説明ありがとうございます。
今回の質問で雇用保険や健康保険等の適用関係も含め、組合専従職員について
だいぶ理解がクリアになったと思います。
ありがとうございました。
CooooL 2017-06-30 00:56:47