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> 労働者の死亡の当時生計を維持していた遺族が以下の者で生計を同じくしていた場合、
> 妻(30)父(60) 母(60)祖父(80)孫(3)兄(17)※カッコは年齢 の6人が受給権者となると思うのですが、あってますか?

合っていません。

遺族補償年金を受ける権利を有する者(以下「受給権者」と言います)は、遺族補償年金を受けることができる遺族(以下「受給資格者」と言います)の中の、最先順位者です。
従って、お尋ねの例では、受給権者は妻のみです。
他の者は、受給資格者であり、受給権者及び受給権者と生計を同じくする受給資格者の合計の数が、遺族補償年金の額を決めます。
お尋ねの例では、受給権者1 + 受給権者と生計を同じくする受給資格者5で、遺族補償年金の額にかかわる遺族の数は6人です。



> その場合は4人以上で245日分が給付されるということでよかったでしょうか?

遺族補償年金の額にかかわる遺族の数が6人で、4人以上ですから合っています。



> また、当時胎児であった子が生まれた場合は将来において受給資格者となると思うのですが、
> その場合に父(60) 母(60)祖父(80)孫(3)兄(17)は受給権者でなくなるのでしょうか?

上記のとおり、父、母、祖父、孫、兄は、最初から受給権者ではありません。
胎児であった子が生まれた場合、受給資格者が一人増え、その子が受給権者である妻と生計を同じくするなら、遺族補償年金の額にかかわる遺族の数が一人増えて7人になります。



なお、質問に直接関係ないので、お書きになったまま答えましたが、「兄(17)」には問題があります。
受給権者が妻ですから死亡した労働者は男性ですが、民法の規定上、男性は18歳未満では婚姻できないからです。



【追記】
「受給権者」も「受給資格者」も法条文には出てこない用語です。

施行規則レベルだと、遺族補償年金に限らず、年金を受ける権利を有する者の意味で「受給権者」は何度も出てきますが、「受給資格者」はやはり出てきません。「受給資格者」は、通達レベルで頻用される用語です。

法条文において、「遺族補償年金を受ける権利を有する者」と書かれている者が、施行規則や通達では「受給権者」であり、「遺族補償年金を受けることができる遺族」と書かれている者が、通達では「受給資格者」です。

ただし、施行規則や通達でも、「遺族補償年金を受ける権利を有する者」や「遺族補償年金を受けることができる遺族」という法条文の表現がそのまま出てくる箇所もあります。



「受給権者」は「受給資格者」の中の最先順位者のみです。

ただし、受給資格者の中の最先順位者が複数ある場合(例えば子や父母が複数で最先順位の場合)は、受給権者も複数になります。
受給権者ではない受給資格者は、受給権者と生計を同じくする場合に年金額の決定の要素にはなりますが、遺族補償年金の受給はできません。
遺族補償年金を受給するのは、受給権者のみです。

平たく言えば、「受給権者 + 受給権者と生計を同じくする受給資格者の人数分」の遺族補償年金を、受給権者のみが受給する制度です。

受給権者が複数の場合は、受給権者の人数で除して得た額を各受給権者に支給することになります。
ただし、施行規則において代表受領制度が設けられており、受給権者が複数の場合は、やむを得ない理由がある場合を除き、そのうち一人を、遺族補償年金の請求及び受領についての代表者に選任しなければならないことになっています。この場合でも、あくまでも手続上代表者が受領するだけのことで、遺族補償年金は受給権者に等分に支給されたことになります。

「転給」は、受給権者が失権した場合に、新たに最先順位者となった受給資格者が受給権者となる制度です。

以上、用語として、しっかり理解してください。

参考になった:13

poo_zzzzz 2017-07-27 10:17:22

詳しくご教授いただきありがとうございました。

受給資格者のなかで最順位者が受給権者で、受給資格者が受給権者と生計を同じくしていれば年金額の合計人数に入るということですね。
しかし、受給資格者の中で若年停止の者があれば数に入れないともやもやが晴れてきました。

そこでひとつご教授いただきたいのですが、胎児ですが出生し受給資格者となった場合に後順位者が受給権者でなくなる場合はどのような場合なのか、
よろしくお願いいたします。



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dragon0503  2017-07-27 16:05:58

例えば35歳の男性労働者(以下単に労働者」といいます)が死亡し、生計を維持していた62歳の父と60歳の母が受給権者となった場合に、死亡した労働者に胎児である子がある場合などが相当します。
胎児であった子は、出生した時点で最先順位の受給資格者であるため受給権者となり、父母は受給権を失います。(父母は受給資格者ではあり続けます)

子は受給資格者として配偶者に次ぐ第2順位ですから、出生前の受給権者が配偶者(死亡した労働者の妻)以外の者であれば、この現象が起きます。



ここで問題になるのは、このような場合、死亡した労働者の子を産むのは妻なのだから、胎児の出生前から妻が受給権者であり、胎児の出生後も妻が受給権者であり続けるのではないか?と、いうことです。

このため、出生した子が受給権者になることはないのではないのか?いう疑問が生じます。
一般的に、その通りです。



しかし、法16条の2第2項は、胎児であった子が死亡した労働者の子でありさえすれば、適用されます。
しかも、同項は「将来に向かって、その子は、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していた子とみなす」というように、事実関係は問わずに「みなす」規定になっていますから、労働者の死亡の当時、その子の母と労働者がどのような関係であっても良いのです。

ですので、その子の母が労働者の死亡の当時労働者によって生計維持していなくてもよく、それどころか、死亡労働者の妻であった必要すら無いのです。
このため、胎児であった子の母が遺族補償年金の受給権者ではない場合があり、胎児であった子が出生して受給権者になる場合があります。



ところで・・・

> 受給資格者の中で若年停止の者があれば数に入れない
この「受給資格者の中で若年停止の者」という表現は、矛盾しています。

支給停止は受給権者にのみ行われるので、受給権者ではない受給資格者に若年支給停止の状態はあり得ないからです。

正確に書くと、「法附則43条1項に規定する遺族であって60歳未満であるものは、遺族補償年金の額にかかわる遺族から除かれる」になるのですが、これでは意味が分かりにくいですね(笑)
このあたり、正確かつ簡略に表現する言葉が他になかなかないので、「受給資格者の中で若年停止の者」という表現であっても、まあ、仕方ないのですが・・・

この部分、テキストに若年支給停止、と書いてあっても、受給権者ではない受給資格者の場合は、現実に支給停止されているのではないことは認識してください。


【追記】
上記の内、
「子は受給資格者として配偶者に次ぐ第2順位ですから、出生前の受給権者が配偶者(死亡した労働者の妻)以外の者であれば、この現象が起きます。」
の部分を、
「子は受給資格者として配偶者に次ぐ第2順位ですから、出生前の受給権者が配偶者(死亡した労働者の妻)又は子以外の者であれば、この現象が起きます。」
に修正します。

胎児であった子の出生前の遺族補償年金の受給権者が子である場合も、胎児であった子の出生後は受給権者が増えるだけで、誰も受給権を失いません。
ぼんやりしていました。すみません。

参考になった:7

poo_zzzzz 2017-07-29 09:48:33

詳しくご説明頂きありがとうございました。

投稿内容を修正

dragon0503  2017-07-29 20:01:34



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