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高年齢者免除額の計算の対象となる労働者を、徴収法は「高年齢労働者」といいます。
徴収法11条の2及び則15条の2により、徴収法上の「高年齢労働者」は、保険年度の初日において64歳以上である労働者です。
そして、この「保険年度の初日」は、法2条4項により4月1日です。

例えば、平成28年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)の労働保険料を考えるのであれば、平成28年4月1日において64歳以上であるものが「高年齢労働者」です。
例え事業が、保険年度の途中の平成29年1月1日に成立するのであっても、その保険年度(平成28年度)の初日が、平成28年4月1日であることには、変わりはありませんよね。
あくまで基準は「保険年度の初日」なのです。

具体例で言うと、平成29年1月1日に事業が成立し、そこに昭和27年10月10日生まれの労働者がいたとしましょう。
この労働者は平成28年10月9日に64歳になりますから、平成29年1月1日において64歳ですが、保険年度の初日(平成28年4月1日)においては63歳でしたから、平成28年度労働保険料(概算・確定共)においては「高年齢労働者」に該当しません。



また、「平成28年4月1日において64歳以上の者」、とは、一般的な法令の解釈で言えば、昭和27年4月2日以前に生まれた者です。
法令の定め(年齢計算ニ関スル法律及び民法143条)では、年齢が加算されるのは誕生日の前日の24時であるため、「日」を単位に考えれば、昭和27年4月2日生まれの者は、平成28年4月1日に64歳になるからです。

しかし徴収法11条の2及び則15条の2の「高年齢労働者」でいう、「4月1日において64歳以上」は、違うんです。
例えば、「平成28年4月1日において64歳以上の者」、とは、昭和27年4月1日以前に生まれた者であり、昭和27年4月2日生まれの者は「高年齢労働者」に該当しないのです。
つまり、一般的な法令の解釈とは、1日ずれます。
これは、なぜなのか?
これが解れば、hiroroさんの疑問も氷解しますから、辛抱して読んでください。



雇用保険(徴収法ではなく)の世界で、「高年齢被保険者」といえば、65歳以上の被保険者ですね?

徴収法はこれを受けて、「ある保険年度(4月1日から翌年3月31日)において65歳以上である者(その年度中に65歳に達する者を含む)からは、その保険年度における雇用保険に係る労働保険料を、年度のはじめから徴収しないでおこう」と考えているのです。

ある保険年度の間に雇用保険の高年齢被保険者になる者からは、その保険年度のはじめから雇用保険に係る労働保険料を取らない、という考え方ですから、とてもシンプルで解りやすいですよね。

例えば平成28年度でいえば、平成28年4月1日~平成29年3月31日の間に雇用保険の高年齢被保険者になる者(65歳に達する者)は、一番若くて平成29年3月31日に65歳に達する者ですから、上記の法令上の年齢計算により、昭和27年4月1日生まれの者ですね?

つまり、徴収法の「高年齢労働者」の本来の意味は、「保険年度の末日(例えば平成28年度であれば平成29年3月31日)において65歳以上の者」なのです。

それを「保険年度の初日」と「64歳」を基準にして、法令が書かれているので、一般的な法令の解釈とは1日ずれてしまっているのです。



その年度の3月31日までに65歳に達する者(つまり雇用保険の高年齢被保険者になる者)については、徴収法の「高年齢労働者」とし、その年度のはじめから雇用保険に係る労働保険料を取らない、という法令の考え方が分かれば、hiroroさんの例が「高年齢労働者」に該当しないことは、容易に解ると思います。

参考になった:6

poo_zzzzz 2017-08-13 03:48:31

ご丁寧な回答ありがとうございます。
なんとなく思っていたことが、スッキリした感じです。
テキストにしっかり書き込みしておきます。
ありがとうございました。

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hiroro  2017-08-13 09:58:53



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