ニックネーム | *** 未ログイン ***

 

回答順に表示     新しい回答から表示     参考になった順に表示

労災保険の運営は、時代の流れに沿って変わってきています。

例えば脳心臓疾患の扱いや、精神障害の扱いなどは顕著に変わっています。

また、通勤災害の扱いが始まったのは昭和48年12月であり、それまでは通勤災害は健康保険の対象でした。現在も、通勤災害にも適用されるべき通達の文言が例えば「療養補償給付」と業務災害に限定されている場合がありますが、これは昭和48年以前の通達を文言を変えずに通勤災害にも拡大適用しているためです。

しかし、労災保険の支給に伴う監督行政や、不正受給に対する姿勢は、時代の流れと共に厳しくなりこそすれ、過去が厳しかった、ということはありません。

つまり、あなたが今見えているまま、です。



事業主が労災保険の適用を嫌う、あるいは適用範囲を誤る理由は以下の通りです。

① 労災保険率が高い、あるいは大規模な事業場の場合、メリット制の適用で費用負担が大きくなるから
② 労災事故があった場合(特に建設業や製造業)、安衛法についての調査が入る場合があり、改修や改善を命ぜられ、場合によっては送検されるから
③ 支給について疑義がある場合、労災保険給付についての調査が入る場合があり、場合によっては②と同様になるから
④ 労災事故を起こした会社は、一定期間入札に参加できなくなったり、取引先との取引が中断したりする場合があるから
⑤ 建設業の下請けの場合、下請けで起きた事故は元請けの労災だが、これを使用した場合、以後の取引がなくなる、又は不利益を被る場合があるから
⑥ 使用者又は労働者の無知または知識不足

以上のような理由で、昔から特に建設業や製造業では、使用者が労災扱いを嫌う傾向は確かにあります。

①②③④は労災保険法、安全衛生法のシステムとして健全な部分なので、事業主に安全衛生に対して前向きに捉えていただくしかないですね。
⑤も労災保険法、安全衛生法のシステムが健全に機能した結果、元請けが①②③④で困るため起きる事象なのですが、下請けの努力ではどうにもならない部分があるので、ゼネコンや注文者を含めて業界全体の意識が変わらなければ解決しないと思います。
⑥は正しい知識の普及をはかっていくしかないですね。法令上は社員であってもアルバイトであっても「労働者」である、という点と、使用者は無過失であっても労働者に対して災害補償義務を負うという2点がまだ常識となっていないですから、道は少し遠いかもしれません。

参考になった:2

poo_zzzzz 2017-10-22 11:38:13

ご返信ありがとうございました。お礼いたします。

投稿内容を修正

kubo  2017-10-22 11:40:59

kubo様

私は大昔、土建業に携わっていた時期がありました。あまり長い期間ではありませんででしたが、現場業務ですね。
特に、昔は、現場で怪我をしたりしても、労災沙汰は嫌われていました。「赤チン災害」と通称呼ばれて、要は、赤チン塗っておけば治るわい、という精神主義的なものがあったのです。

ところが、時代とともに、企業のコンプライアンス等、遵法精神が徹底され、監督機関の指導強化とともに、さらに、経営事項審査という入札に際しての点数にも、大きな災害を起こした建設業は、
大きな工事の受注もできない事態となります。
そんな背景もあり、現在では、赤チン災害だ、ほっとけば治るなど、とんでもないことです。どんな些細な事故、怪我でも監督署に報告書を提出したり、被災者のフォローがきっちりなされます。
また詳細な報告、対策を発注者にも、本店にも報告をして事後の対応にも追われることになります。

3K、4K現場と悪評される建設業ですが、昔のイメージは現在では一掃されているようです。
厚労大臣の公表する労働災害防止計画は、現在、第12次の計画期間に入っていますが、死亡災害等の撲滅運動も数値目標を挙げて全国の現場で、目標達成のために日夜努力されておられます。

労災は、施設、設備、労働者の作業行動等から、様々な要因で発生しますが、学生さんのアルバイトであっても当然に、1人の労働者を使用するわけですから、企業も法に従った行動、措置を取る義務があります。
これからの時代、若い学生さんであっても、最低、労働基準法、労災保険法くらいは、知っておいて損はないと思うのです。また、現役社労士の先生も、学生さん向けの教育がもっと行われていくべきだと
思うのですけどね。

投稿内容を修正

参考になった:7

hauser 2017-10-22 18:22:39



PAGE TOP