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組合は、大臣の命令による設立の規定は形式的にありますが、原則的にはより低い負担でよりよい給付をするために、1つ又は複数の事業主の適用事業所が設立事業所となって組織されるものです。

その組合が管掌する適用事業所に退職者が出て、退職時の標準報酬月額が410,000円だとしましょう。

すると、この者が任意継続被保険者になった場合の標準報酬月額は、
① 410,000円
② 前年(1月から3月までの標準報酬月額については、前々年)の9月30日におけるその組合が管掌する全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額を報酬月額とみなしたときの標準報酬月額
の、①②のどちらか低い方です。

この組合を設立した会社の業績がとても良く、社員の平均年齢が低く、かつ給与水準が高いとして、この平均した額が376,854円であったとしましょう。
376,854円を報酬月額と考えて法40条の表に当てはめた場合の標準報酬月額は、380,000円ですから、この場合の②は380,000円になりますね?

すると①が410,000円で②が380,000円ですから、この退職者が任意継続被保険者になった場合の標準報酬月額は、380,000円です。

しかしね、先に書いたようにこの組合を設立した会社の業績はとても良く、社員の平均年齢が低く、かつ給与水準が高いのです。
社員の平均年齢が低ければ、病気の確率も低く、扶養家族も少ないですから、被保険者や被扶養者に対する給付費はさほど要らないのですね。
また、給与水準が高いのですから、保険料率を低く抑えても十分な保険料が集まります。

先に書いたように、組合は、より低い負担でよりよい給付をするために、1つ又は複数の事業主の適用事業所が設立事業所となって組織されるものです。
組合の財政が優良であるなら、退職した任意継続被保険者に対し、380,000円の標準報酬月額を設定する必要はないでしょう?

このため、376,854円以下で、規約で定めた額を報酬月額として、②の額を決めることができます。

仮に規約で定めた額が280,000円であれば、280,000円を報酬月額と考えて法40条の表に当てはめた場合の標準報酬月額は、280,000円ですから、この場合の②は280,000円になります。



今はどこの組合も財政が苦しいので、なかなか目にすることは少なくなりましたが、法53条にあるように、健康保険組合は、法定の保険給付に併せて、規約で定めるところにより保険給付としてその他の給付を行うことができることになっていて、例えば一部負担金等の被保険者の負担が月10,000円とか20,000円とかを超えたら、高額療養費についての組合の「付加給付」として、超えた分を全額支給する組合がザラにありました。

つまり、組合にはそういった、規約に定めることによる、給付や保険料に対する裁量が認められているのです。

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poo_zzzzz 2018-08-16 19:45:07

ご回答をありがとうございました。

組合の規約を用いた場合の算定方法につき、数字を挙げて教えてくださり、よくわかりました。
この規定が必要になるバックグラウンドにも言及くださっていたので、なるほど、と思えました。

給付面でもそんなに恵まれた時代があったのですね。

いつも広い視野でご解説くださり、理解を深めてもらっています。
また質問させていただくことがあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。

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amamy  2018-08-16 21:09:43

直前期にあまり厳しいことばかり言ってもどうかと思って、説明はしましたが・・・

質問者の方に限りませんが、もう少し論理的にテキスト等を読んでいただきたいと思います。

条文で説明すると、
法47条
任意継続被保険者の標準報酬月額については、第41条から第44条までの規定にかかわらず、次の各号に掲げる額のうちいずれか少ない額をもって、その者の標準報酬月額とする。
一 当該任意継続被保険者が被保険者の資格を喪失したときの標準報酬月額
二 前年(1月から3月までの標準報酬月額については、前々年)の9月30日における当該任意継続被保険者の属する保険者が管掌する全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額(健康保険組合が当該平均した額の範囲内においてその規約で定めた額があるときは、当該規約で定めた額)を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額

これを簡単に書くと、
① 退職時のその者の標準報酬月額
② その保険者が管掌する全被保険者の定められた月の標準報酬月額の平均額を、報酬月額として求めた標準報酬月額
③ 健康保険組合が規約で定めた額がある場合は、その額を報酬月額として求めた標準報酬月額

基本は、①②のどちらか低い方で、保険者が組合で③がある場合は、①③のどちらか低い方が、任意継続被保険者の標準報酬月額になります。

質問者の方は、このように読めていなかったようですね?
もしかしたら、標準報酬月額の平均額を報酬月額とし、その報酬月額から標準報酬月額を求めるというプロセスも見落としていませんか?

お尋ねになった点は、③で規約で額を定める場合に「当該平均した額の範囲内」でなければならない、つまり、平均額を超える額を規約に定めることができないと言っているだけで、この条文の流れの中では枝葉の部分なのです。

制度の背景が分かったとか、具体例で意味が分かったとか、それはいいのですが、まず、条文が読めていないこと、そしてそれに気づいていないことに気づかなければいけないように思います。

やま予備のテキストを見ると、「規約で定めた額を標準報酬月額にできる」ように書いてあって、これは条文に照らすとはしょりすぎ(実務的には規約では標準報酬月額表にある額を定めるので数字は合ってます 笑)ですが、そこで疑問が生じたなら、まず、テキストに書かれている条文をしっかり読んで、そこに書かれている意味を読み取ってください。

いつもいつも言っているように、疑問を持った部分だけを見つめていては、進歩しないと思います。

参考になった:5

poo_zzzzz 2018-08-17 01:58:17

ご返信ありがとうございます。

ご指摘の通り、まず「規約で定めた額を標準報酬月額とすることができる」に引っかかりました。
法40条の表とは別に標準報酬月額が決められるのかと思い、「どのような基準で?」となりました。
そして前を読むと「平均した額の範囲内において」。
ここでさらにわからなくなりました。
標準報酬月額のことを考えていたせいか、「範囲内」という言葉が「いくら以上いくら未満」という幅を示すものだと思い込んでしまい、平均した額に幅があるとはどういうことなんだろう、となってしまったのです。

条文をしっかり読め、はおっしゃる通りだと思います。
少し話が外れますが、
私は今年、手元の主なテキストとしては社労士試験の勉強がどんなものか知りたくて買ったボリュームの少ないものを使ってきました。
そして講義を視聴させていただく中で、やはり条文そのものが確認できないとダメだな〜と感じ始めていたのです。

ですので今は2019年度のテキストの販売が始まるのを待っています。
次年度はテキストと照らし合わせながら視聴させていただき、一つ一つ確実に習得していきたいと思っています。

あまり恥ずかしい質問をすることのないよう頑張りますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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amamy  2018-08-17 22:16:16

そうですねぇ・・・
やま予備テキストの「健康保険組合が当該平均した額の範囲内においてその規約で定めた額があるときは、当該「規約で定めた額」を標準報酬月額とすることができる」という記述は、先にも書いたように、法令に照らすと「はしょりすぎ」です。

また、テキストの任意継続被保険者についての条文には、かっこ書きの部分が省いてあるので、法40条を踏まえた場合、「しっかり考えたら解らなくなった」のも無理ないかもしれませんね。

私は、テキストを超えて条文を読むことをお勧めしていない(生の法令は、読み方のルールが解っていないと危険なため)ので、amamyさんはするべき事をされていたのかもしれません。
責めるようなことを申し上げたことをお詫びします。



今回のやま予備のテキストの記述も、前ページの分解した法条文の流れから「標準報酬月額が決まった」という前提で読めば、「ああ、組合の場合、規約で基本ルール以外の標準報酬月額に変えられるんだね」と理解できますし、受験対策としてはそれでいいとも思います。

テキストの表現は、条文が「読めるように」、必要な事項を溶け込ませたり、省いたり、分解していくつかの項目に分けたりということをします。
そうした「デフォルメ」をして解りやすい形にしないと受験対策にならないからですが、引っかかってしまったときにデフォルメが邪魔をすることも、また、事実です。
これは受験用テキストの宿命ですので、わたしはそこを受験生の方が穿つことをお勧めしていません。

受験用のテキストは受験に特化した「武器」です。
「合格」という目標のための「武器」なのですから、それを使って戦う人はその武器を信じ切るのが基本で、特に直前期は疑問が生じても封じるべきだと思うのです。
例え多少の誤りや矛盾した記述があっても、多くの受験用テキストは、「信じ切り、そして使い切ることができれば、少なくとも択一は合格レベルになる」内容を持っています。

でも、そういった疑問を封じず、一つ一つ解決していくやり方も、直前期でなければ否定しません。
ただ、それは、なだらかで歩きやすい登山道があるのに、あえて渓谷や岩壁を登る登山者のようなものです。
そういった登山者がザイルやハーケンといった道具を持ち、登攀技術を身につけてから岩壁に挑むように、テキストを超えた疑問を解決しながら学習を進めようと思うなら、まず、それなりの法令に対する基礎知識と、生の法令の読み方の知識と、論理的な思考方法を身につけなければならないように思います。

まぁ、別のスレに書いたように、「法令に対する基礎知識」は、テキスト中心の学習であっても、必要だと思いますけどね。
「必要」というより、それがあると、とても「楽」なので・・・

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poo_zzzzz 2018-08-18 12:25:24

お返事をくださりありがとうございます。
ご配慮くださり、感謝いたします。

申し訳ないのですが、
受験用テキストについて、もう一つ気になっていることがあるので、重ねて質問させていただいてよろしいでしょうか。
これは、この時期にスレッドを立てにくく保留していたものなのですが、、、

私が主に使っているテキストは、やま予備のテキストに比べるとおそらく随分ボリュームが小さいのですが、それでも問題集などとシリーズで刊行されており、「これだけでOK」と謳われているものです。
一方、公開講座を視聴していると、「テキスト掲載以外の判例なども他で紹介しています」といった案内もあり、正直なところ「これ以上のボリュームが必要とされるの?!」とおののいてしまっているところもあるのです。

poo_zzzzz先生のおっしゃる「武器」にあたる受験用テキストは、どちらを念頭におかれていますか?
もっと言うと、やま予備のテキストの分量は、武器として重すぎる、ということはありませんでしょうか。
さらには、なんとかがんばってやま予備のテキストレベルで武器を携えるとして、それ以上にたとえば月刊誌を購読するなどそういったことまで合格に必須のものとお考えでしょうか?

勉強時間がふんだんに取れるわけではないので、できればなだらかで歩きやすい登山道を進みたいと思っています。
けれども、できれば一年で登り切りたいとも思っています。
必要十分な武器とはどのようなものか、お教えいただけるとありがたいです。

なお、民法の基本事項などは確認しつつ進めていきます。

よろしくお願いします。

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amamy  2018-08-18 15:36:58

難しい質問ですね。

載っている情報の量は、やま予備のテキストのあたりで良い線ではないかと思いますが、では、より簡便でボリュームの少ないテキストが中心では合格できないのか?と、言えば、そんなことはないと、思います。

テキスト中心で、「読む」「書く」ことに集中してやる、と、いうのなら、私はむしろ後者と過去問集と答練と模擬試験のセットを薦めるかも知れません。

普通の人が読み込むだけで得られる知識の量や、消化する能力には限界がありますからね。

それらを用いたinput→output→inputの学習のやり方を決め、あとは、情報を集めながら工夫し、自己分析し、そこに白書や改正、選択対策など、必要な教材や講座を組み合わせても合格できるのではないかと思います。

やま予備のテキストは、上記のやり方で使うにはボリュームが多すぎて、多くの方で消化不良を起こすと思います。

これは、口述講義で要点をうまく丸めて説明してもらいながらinput学習を進めることが前提のテキストで、その前提でinput学習をするなら無理なく消化できるでしょうし、outputを経てinputに戻ったときに載っている情報はより豊富ですから、問題点の自己解決もより容易でしょう。

これは、ネットなどがまだ無かった時代からあることで、講師の講義を聴かないなら、自分で消化できるボリュームのテキストを選ぶべきだと思います。

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poo_zzzzz 2018-08-18 19:12:08

答えにくい内容の質問に真摯にお答えくださり、ありがとうございました。

今年、手元にあるテキストを読んでもよくわからなかったところが、口述講義を聞くことで納得できるようになり、
また、そこが条文でどのように書かれているのか、バックに映されるテキストを静止させて読むということが何度もありました。
とはいえ、簡便なテキストを読んでも、なかなか知識が定着しなかった私が、果たしてやま予備のテキストレベルのものをこなせるのだろうかと不安だったのですが、口述講義を聞きながらであれば消化できるのではないかとのアドバイスに迷いがなくなりました。
2019年度は講座を視聴させていただき、それとともにやま予備のテキストを読み込んでいこうと思います。

そして、講義なしでテキストを読み込むなら、簡単なテキストに問題演習という組み合わせの方が良いかも、というお話。
これは、それだけアウトプットを重視なさっているということですよね。
今年は問題を解くところまで行かなかったのですが(これが知識が定着しなかった一番の原因かもしれません)、これからはうまく問題演習を挟み込む形で進めなければと思いました。
そこでわからなかったことを調べるにも、やま予備のテキストレベルのものが手元にあるのが良さそうです。

ありがとうございました。

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amamy  2018-08-18 22:35:54

いや、過去問、答練、模擬試験は、どのような学習プロセスを辿るにせよ、必須だと思います。

inputをいくら重ねても、問題を解く力はなかなか向上しません。
これは、inputで得た知識にはまとまりがなく、頭の中で整理するのが難しいからです。
問題を解くことは、課題を中心に知識を動員するトレーニングであり、トレーニングを繰り返すことで頭の中に引き出しができて、必要な知識を必要なときに取り出せるようになります。

あと、改正情報も大事ですね。
白書対策と選択対策は、5月末~6月初旬くらいにどうするかを考えれば良いと思います。

理想的には、5月中には択一の得点力が6割くらいになっていることが望ましく、3か月前にそのあたりにいることができれば、後の詰めは比較的楽なのではないかと思います。

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poo_zzzzz 2018-08-18 23:54:05

お返事ありがとうございました。

問題演習についてもどのようにやっていくか、決めかねているところなのです。

当初は、まずやま予備のアウトプット講座を、と考えたのですが、解説DVDを視聴する時間をとるのが難しそうで、断念。
今のところ書店にある教科・分野ごとに並べられた一問一答形式の問題集を購入しようと思っています。

過去問・答練・模擬試験は必須とのことですが、
上記の問題集は「過去問○年分収録」となっているものが多く、これが過去問、ということでよろしいのでしょうか?
そして、模擬試験はイメージがわくのですが、答練がよくわかりません。
やま予備の講座案内から察するに、択一形式の問題演習でしょうか。(教科の進捗に合わせて実施される山川答練と、一通りの学習を終えて力試し的に取り組むピンクマーク答練、と理解しています。)

講義とテキストによるインプットと、一問一答形式でのアウトプットをしていくとして、教科ごとに本番形式で復習することも必要だと考えていました。
山川答練が適していますでしょうか。

また、改正がらみも、ひとまずそこまで行き着いたら考えようと思っていました。
これについては、5月末が目安とのことで安心しました。

加えて、5月中に択一の得点力6割、と目指すところもお示しいただき、とてもありがたかったです。
これは、他校で実施される模擬試験を受けて確認していくということですよね。

わからないことばかりで、あれこれ質問させていただきました。
お時間の許すときにご回答をいただけるとありがたいです。

よろしくお願いします。

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amamy  2018-08-19 11:35:47

私はやま予備のスタッフではないので、細かい教材の内容は分からないんですよ。
お手数ですが、下記にお尋ねください。

info@yamakawa-sr.net

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poo_zzzzz 2018-08-19 16:47:06

そうだったのですね、大変失礼いたしました。
問い合わせ先までご案内くださり、ありがとうございます。

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amamy  2018-08-19 16:53:28



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