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まず第一に、今現在の理解が誤っています。
おそらくですが、テキストの記述にも、山川先生の口述講義でも「労働義務のない日なので使用者に賃金支払い義務がないという意味」などとは、言っておられないはずです。

労働契約はノーワークノーペイが原則ですから、労働者が労働を提供しなかった日には使用者には賃金の支払義務がありません。
育児休業期間中ではない通常の労働日であっても、労働者が休暇を取れば、その日について、本来は使用者の賃金の支払義務はなくなるのです。

しかし、年次有給休暇を取得した日については使用者は賃金を支払わなければなりませんから、「使用者に賃金支払い義務がないから年次有給休暇を取得する余地がない」という理解をしていては、学習が進むとこんがらがって何が何だか分からなくなるはずです。

自己流に解釈せず、テキストの記述に合うように覚えてください。



年次有給休暇は、ILO(国際労働機関)の条約(日本は批准していない)を元にして、労働基準法が与える、労働者の特別な権利です。
年次有給休暇は、賃金の減収を伴うことなく労働義務の免除を受けるものですから、休日その他労働義務の課せられていない日については、これを行使する余地がありません。
労働基準法39条1項が「10労働日」と書いているのもこのためです。
その労働者にあらかじめ「労働義務がある日」にしか、年次有給休暇の権利は行使できないのです。

例えば、慶弔休暇のように、ある特定の日について、その労働者の意思で休暇・休業の権利を行使するかどうかを決められる権利であれば、その日に慶弔休暇の権利を行使するのか、年次有給休暇の権利を行使するのか、どちらを選ぶのかは、労働者の自由です。

しかし、会社からの休職発令により休職中の期間や、育児休業により一定の期間が休業期間になっている場合は、休職発令や休業の申出により、それらの期間中にある日のその労働者の労働義務は「あらかじめ」消滅しています。

① その労働者にあらかじめ「労働義務がある日」(労働日)にしか、年次有給休暇の権利は行使できない。
② 休職期間中や育児休業期間中は、その労働者の労働義務があらかじめ消滅しているから、それらの期間中に年次有給休暇の権利は行使できない。
と、いうのが正しい理解です。

また、育児休業期間中は通常は雇用保険の育児休業給付金の支給対象なので、年次有給休暇の権利の行使はあまり問題にならないのですが、何らかの理由で育児休業給付金が受給できない場合や、受給できてもその額が低い(育児休業給付金の額は雇用保険法の賃金日額の67%又は50%)ため、より高い収入を得るため、「年次有給休暇を使えませんか?」と、労働者が訊いてくる可能性はあります。

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poo_zzzzz 2018-10-14 11:35:41

poo_zzzzz 様

早速に、丁寧なご回答をいただき、心より感謝申し上げます。

正直、今の私のレベルでは、3回読んでも、ご説明いただいた内容の10分の1も理解できない状態です。
最後の2行だけは、「なるほどー、そういうことかー」とすごく納得いたしました。

初心者は、素直にテキスト、講義を理解し、自己流にならないよう心がけます。ご指摘ありがとうございます。

この広場の他の方の質問、回答を拝見しても、ちんぷんかんぷん。
これから、頑張って、何とか、広場のレベルに追いつくよう精進いたします。

ヤマ予備さんの、圧倒的なボリュームのインプット、アウトプット、答練、・・・・。
まだまだ始まったばかり。申し込んでよかったと。
涙が出るほどうれしい悲鳴です。ヒー。何十年前、学生に戻ったみたい。ついていくのが、もう、それはそれは大変。
石にかじりついても、歯を食いしばって、スケジュールに遅れないように頑張ります。

今後ともよろしくお願いいたします。

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taiyoudou1  2018-10-15 21:32:43

お尋ねのか所だけならそれほど難しい事ではないですよ。
おそらくはポイントが見えていないだけです。

年次有給休暇の意義は、
(1) 法の強行規定により
(2) 一定の要件を満たす労働者が時季指定することにより
(3) 使用者の承認等を必要とせず
(4) 賃金の減収を伴うことなくして
(5) 時季指定日のその労働者の労働義務を免除させる
ことにあります。

ただし、事業の正常な運営を妨げる場合には、使用者が時季を変更することができます。

さて、
・ 賃金の減収を伴うことなくして
・ 労働義務を免除させる
ことに気をつけてください。

ここを、「休んでいても、賃金が支給される日」と、理解してしまうと分からなくなります。

制度の趣旨は、「賃金は支給されるが、労働義務が免除される日」なのです。

ILOの条約では、労働者をリフレッシュさせるため、年次有給休暇は毎年まとまった長期休暇(最低2週間)を取らせることを求めています。日本がこの条約を批准していないのもこれがネックだからですが、批准はしていなくても、日本の年次有給休暇も、労働者をリフレッシュさせるための休暇を取らせることが制度の目的です。

極論すれば、労働者が安心してリフレッシュするための方策として、労働者の経済的負担を避けるため、賃金が支給されると言ってもいいかもしれません。

つまり、制度趣旨を理解する上で、「賃金が支給される」ことはとても重要ですが、第一に焦点を当てるべきは、休暇を与える(労働義務を免除する)ことなのです。

このため、所定の休日等、「労働者に労働義務がない日」には年次有給休暇の権利を行使することができません。

労働義務がない日に労働義務の免除はできませんからね。

一方、育児休業は、育児をする労働者が、あらかじめ使用者に申し出て、一定の期間の休業をするもので、その申し出た期間中は、労働者には労働義務がありません。

労働義務がないのですから、育児休業期間中は、年次有給休暇の権利を行使する余地がないのです。

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参考になった:6

poo_zzzzz 2018-10-17 13:05:48



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