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m.tanakaさま

新・合格講座(OUTPUT編)をご利用頂き、誠にありがとうございます。
この問題についても、私自身が作問したわけではないのですが、この問題には疑義があります。

「以上」を含め「以下」「未満」「超える」等の用語は、法令に多く使われます。
 これらの数量の広がりを示す問題文を作成する場合、作問者は意図的にこの文章が以下2通り(A・B)の読み方をされる可能性を考えます。

A:「100人以上」→具体的な事例ではなく、その法令に規定している「効果」の「条件」として読み取る。
 推測ですが、今回作問者はこちらの読み取り方だけを意識して作問したのだと思われます。
 すなわち、「常時100人以上の労働者を使用する事業場であって、総括安全衛生管理者を選任すべき業種の事業場」という一連の文章から、
 令2条に規定するいわゆる「屋外産業的業種」を読み取れと言っています。この読み取り方をするとこの問題は〇になります。
 一般的に、社労士試験において「以上」等の用語が用いられたときは、作問者はこのAによる読み取りを求めていると考えた方がよいです。
 法令の規定の表現は、そうなっていることに根拠を持ちます。

B:「100人以上」→m.tanakaさんのご指摘のとおり、「具体的な事例」として読み取る方法です。
 すなわち、100人以上であればすべての数を当てはめても内容的に整合するかを判断するわけですが、作問者はこちらの要素は今回考慮していません。
 したがって、この読み取り方をする限り、ご指摘のとおりの理由で×と判断できます。
 ただ、このBの読み取り方をすることを社労士試験では、通常想定していないように思われます(後述します)。

 したがって、作問者は、A・B両方の読み取り方をされる可能性を考えて、次のように対処します。
イ)A、Bいずれの読み取り方をされても、〇又は×という解答の結論が変わらないような問題にする(今回の問題は結論が真逆になるのでNGですね)。
ロ)「以上」という言葉を外し、「具体的な事例」としか読めない問題にする(m.tanakaさんのご指摘にもありますね)。

これは試験対策上の技術なのですが、通常作問はこのような矛盾を解消しているので、「以上」とあったらAの読み方をすることを既に前提にしてください。
したがって、今回のようにBの読み方を試験中に考えるのは、時間の空費になる可能性が極めて高いです。
一方で、Bの読み方をすることを求める時は、通常ロ)の手法を取ります。
つまり、「以上」の言葉の有無で、A・Bの読み取り方の選択を自動的にできるようにしておくのが、試験対策上の技術です。

今回のように、「以上」という言葉を使いながら、Bの読み取りをしろという問題は過去に出題例がありませんし、どのみちAの読み取りと矛盾すれば、逆の意味で疑義が残る悪問です。
ですので、「以上」という表現を使いながら、今回のようにBの読み取り方の正誤を考えるのは、試験対策上はほとんど効果がないと思います。
ただ、その穴をふさぐためにイ)やロ)の手法を使いますが、今回はこれをしていなかったことに作問上の不備があるので、その意味で我々も罪深いです。
私見ですが、この問題が仮に本試験で出題されれば、文章中「すべて」と全否定していますので、相当程度「×」になり、作問者が「〇」と判断した場合、問題不成立になると思います。

このように社労士試験では、論理的に正しくても、その読み取り方が複数考えられる場合、その穴を防ごうとする意図が働きます。
したがって、前回ご質問を受けた
http://smon-hiroba.net/sr/bbs_each.php?rcdId=2492
についても、同様だと思います。
つまり、論理的に正しくても、そのことを考えて、点数を得る結果にはならない可能性が高いと思います。
比喩すれば、掘られることのない落とし穴の地面の表面を頑張って叩いているような感じです(今回は、そこに落とし穴を作り、叩かせた僕らに責任があります)。

これらを受けて、この作問者の題意(〇)を生かすとするのならば、以下のように問題を直すべきだと考えます。
おそらくですが、これに近い形で修正のご案内が告知されるはずです。
また、以上の点に比べれば軽微な瑕疵ですが、法令上選任義務があるのは、「事業者」であって、「事業場」ではない点も修正すべきかなとは思いました。
(修正前)常時100人以上の労働者を使用する事業場であって、総括安全衛生管理者を選任すべき業種の事業場はすべて、第2種衛生管理者免許を受けた者以外の有資格者を衛生管理者として選任しなければならない。
(修正後)常時「100人」の労働者を使用する「ことを理由として」総括安全衛生管理者を選任すべき業種の事業場の「事業者」は、第2種衛生管理者免許を受けたもの以外の有資格者を衛生管理者として選任しなければならない。


最後に、おそらくm.tanakaさんの単純な転記ミスだとは思いますが、
この問題は、常時100人以上の労働者を使用する「事業場」としています。
常時100人以上の労働者を使用する「事業者」であって~と引用されていますが、安全衛生管理体制の人数要件は、「事業場」単位で判断し、「事業者」全体で判断するわけではありません。
したがって、常時100人以上の労働者を使用する「事業者」とした場合、複数の「事業場」を抱えている場合、必ずしも個々の事業場では人数要件を満たしているとは限りませんので、ご注意ください。

以上、疑義があった問題を出すこと自体は、本当に申し訳なく思っています。
ただ、それと試験対策上の課題の提示は「別」なので、この点も合わせて今後の学習に活かしてください。

以上、ご質問ありがとうございました。
今後とも、宜しくお願い致します。

山川社労士予備校
三宅大樹

参考になった:7

yamayobimiyake 2018-10-15 12:23:45

三宅先生

丁寧にご指導くださりありがとうございます。
「100人以上と書いてあるから」と無限な広がりをイメージしてしまったことを恥ずかしく思います。
また、「以上」に力点を置いた奇妙なひっかけ問題は想定してはいけない、ということも学びました。
(「掘られることのない落とし穴の地面の表面を頑張って叩いているような感じ」はガッテンがいきます)

そうではなくて、「100人」という数字から「屋外産業的業種のことを言っているのだな」と出題テーマを絞れるようになるまで深く理解することが求められているのですね。
出題者の意図を正面からつかめるように、素直な学習を進めてまいります。

「事業者」と「事業場」につきましても、ご指摘くださりありがとうございます。
労基法、安衛法は事業場ベースで捉える旨、再確認いたしました。

この「社労士質問広場」を通じ、文字で質疑応答が展開されることに大きな意味を感じております。
山川社労士予備校に申し込む前は、他の予備校の生講義なら気軽に質問できるからいいなとも思っていたのですが、この質問広場で先生方とも自分ともきちんと向き合う体験をさせていただいております。
貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。 m.tanaka

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m.tanaka  2018-10-15 23:50:50



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