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労働基準法/フレックスタイム制とその対象となる労働者
watam 2016-11-04 16:17:03
法32条の3
使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることとした労働者については、
当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、
次に掲げる事項を定めたときは、その協定で第2号の清算期間として定められた期間を平均し1週間当たりの労働時間が第32条第1項の労働時間を超えない範囲内において、
同条の規定にかかわらず、1週間において同項の労働時間又は1日において同条第2項の労働時間を超えて、労働させることができる。
とありますが、
「就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることとした労働者については、~~」といっているにも関わらず、
すなわち、就業規則その他で、始業終業の時刻を時刻を労働者の決定にゆだねることとした労働者の範囲を定めていることを前提にして、「労使協定により、~~」と続いているにも関わらず、
労使協定により、「次に掲げる事項(この条の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲)を定めたときは、~~」といって
再度、労働者の範囲の定めを要求しているのは「なぜ?」、というところで思考がストップしています。
(私が、「就業規則その他で、始業終業の時刻を時刻を労働者の決定にゆだねることとした労働者の範囲を定めていることを前提にして」、と解釈していることを前提にした疑問です。)
(そもそも、この私の解釈が間違っている可能性があるとも思っています。)
ご回答よろしくお願いいたします。
逆に質問しますが、労使協定は、何のために締結しますか?
フレックスタイム制の免罰効果は法32条の3の要件を満たすことで生じるのであり、労使協定の締結はその要件の一つに過ぎないことは前に説明しましたから、「免罰効果を得るため」とは言わないでくださいね。
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poo_zzzzz 2016-11-04 19:29:17
労使協定は、何のために締結しますか?
「使用者が、就業規則等で始業終業の時刻を時刻を労働者の決定にゆだねることとした労働者に限って、
法32条の規定にかかわらず、1週間において同項の労働時間又は1日において同条第2項の労働時間を超えて、労働させることができるようにするため。」
と考えています。
watam 2016-11-04 19:38:47
その回答は、法32条の制限を超えて労働させても違法にならないため、と、いうことで、「免罰効果を得るため」と、同じではないのですか?
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poo_zzzzz 2016-11-04 20:15:05
再度、poo_zzzzz様のご質問の意図も考え、さらに考えました。
労使協定は、何のために締結しますか?
⇒対象となる労働者の範囲、清算期間、清算期間における1日の労働時間、厚生労働省で定める事項について、
使用者側の視点でいうと、使用者側が労働者側の意向を確認するため、
労働者側の視点でいうと、使用者側が就業規則等で一方的に定めることができないようにするため(労使協定で締結した限りで就業規則を定めるようにするため)。
と考えます。
watam 2016-11-04 21:20:21
そうです。
変形労働時間制を実施する場合に当該事業場の労働者の過半数代表の同意を要件とし、変形労働時間制の内容に当該事業場の労働者の意思を反映させることが、労使協定の意義です。
さて、「変形労働時間制で労働させることができることとされる労働者の範囲」も、変形労働時間制の内容の一部だと思いますが、就業規則で定めただけで、この部分について労働者の意思を反映させることができますか?
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poo_zzzzz 2016-11-04 21:33:47
就業規則の変更には労働者の過半数代表の「意見」は要りますが、「同意」は要りませんからね。
で、あるなら、就業規則でその労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることとした労働者を定めたとしても、労使協定に、フレックスタイム制により労働させることができることとされる労働者の範囲が必要であったとしても、矛盾は無いのではないですか?
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poo_zzzzz 2016-11-04 21:44:28
矛盾はないと思います。
その流れで、以下のような疑問が生じました。
例えば、就業規則の定めにより、本社および研究所の従業員についてその者に係る始業及び終業の時刻をその者の決定にゆだねることとした場合、
労使協定の締結の前の状態において、使用者、本社及び研究所の従業員に、どのような民事上の権利義務が発生しているのか?
就業規則で、本社及び研究所の従業員について、
その者に係る始業及び終業の時刻をその者の決定にゆだねることとしたが、
対象となる労働者の範囲について、労働者側の意向を確認したい、といって労使で話し合い、
その労働者の範囲について支社の従業員も含めた全従業員に適用するという合意に達した場合、
使用者が本社及び研究所の従業員についてについてその者に係る始業及び終業の時刻をその者の決定にゆだねることとした手続きは、
ある意味、無駄な手続きだったといえないだろうか?
watam 2016-11-04 23:13:41
今まで2回に亘り説明したことが理解できていらっしゃらないですね。
就業規則側から見た場合と、労使協定側から見た場合の、2面に分けて説明します。
以前にも説明したように、労働契約は民事契約です。
民事契約ですから、法令を含めた公序良俗に反しない限り、どのような約束をしてもかまいません。
仮に就業規則に「その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねる」と記載した場合に、これが法89条の就業規則の絶対的必要記載事項を満たすとしましょう。※注
就業規則に定められているのですから、この場合、使用者と労働者の民事的な権利義務関係に問題ありません。
しかし、この場合、1日8時間を超えて労働させた場合は法32条2項違反であり、週40時間(特例事業所は44時間)を超えて労働させた場合は法32条1項違反です。
労使協定の締結がないため、法32条の3のフレックスタイム制の要件を満たさないからですね。
そして、法32条の3のフレックスタイム制の要件を満たすためには労使協定を締結しなければならず、その労使協定にはフレックスタイム制により労働させることができることとされる労働者の範囲が協定されなければ、法32条の3のフレックスタイム制の要件を満たさないのです。
②
逆に、就業規則に「その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねる」と記載しなかったとします。
就業規則に「その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねる」と記載したが、労働者の範囲を誤って記載した場合も、結果的に漏れた労働者については記載しなかったのと同じです。
労使協定は、フレックスタイム制により労働させることができることとされる労働者の範囲を含め、法32条の3のフレックスタイム制の労使協定のすべての要件を満たしたとしましょう。
この場合、就業規則には、フレックスタイム制の内容に沿った、「始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項」が記載されていませんから、法89条の就業規則の絶対的必要記載事項違反です。
また、この状態は「就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることとした労働者」が、正しく存在しない状態です。
これが定められていないと、先に書いたように法89条違反になるために定めることが要求されているのですが、これも法32条の3のフレックスタイム制の要件の一部ですから、これが定められていない状態は、法89条1項違反であると同時に、法32条の3のフレックスタイム制の要件を満たしていません。
免罰効果は労使協定から直接生じるのではなく、変形労働時間制を定める法32条の2から法32条の5の条文の要件を満たすことで生じるのであり、労使協定はその要件の一部に過ぎないことは、以前説明しましたよね?
つまり、この状態の場合も、1日8時間を超えて労働させた場合は法32条2項違反であり、週40時間(特例事業所は44時間)を超えて労働させた場合は法32条1項違反です。
また、労使協定からは民事的な権利義務関係は生じませんから、民事的な権利義務関係でいうなら、この事業所の労働者の始業終業の時刻は、労使協定の内容とは関係なく、労使協定締結の前から就業規則に書かれているまま、ということになります。
最後に、社労士試験(択一式)は、良質な基本テキストを書かれている範囲で理解し、良質な問題集や答練、模擬試験を適切に利用すれば、合格できます。
テキストに書かれていないことがある、のは、テキストの欠点ではありません。
社労士試験は、裾野まで含めると、本来は覚えなければならないこと、理解しなければならないことの範囲があまりに広いため、テキストはそれを「取捨選択してくれている」のです。
つまり、「載っている範囲が限られている」ことは受験用テキストという「武器」の「長所」なのです。
質問者の方は、この「長所」を殺しておられるように思います。
わたしはよく山登りの例えをします。
谷川岳、という山があって、小学生が遠足で頂上に立つ山ですが、同時に世界でも有数の遭難者数を数える山です。
これはなぜかというと、尾根道は整備されていて登りやすく安全ですが、岩壁は非常に険しく逆層で脆いからです。
この山を、ハイキング気分で尾根道を安全に登るのも、ザイルやハーケンを持って岩壁をよじ登るのも、登山者の自由です。
しかし、岩壁を登るなら、自ら厳しいトレーニングをし、それなりの装備をしなければなりません。
受験勉強も同じ事です。
基本テキストを信じ、その長所を活かすのも受験勉強です。
この場合は、各部分で生じた小さな疑問は、テキストを精読しても解決しなければ、基本的にはとりあえず封じることになります。
学習過程で生じた、テキストに載っていない疑問をきっちり解決しながら進むのも受験勉強です。
しかし、この場合は、まず、テキストの内容を正しく読み取る力が必要であり、また、文献(ネットでの情報を含む)を調べる力も必要であり、また書籍その他、ある程度の装備も必要です。
どちらにされるのかは質問者の方の自由ですが、正直申し上げて、今の質問者の方は、難しいことを考える前に、テキストの内容を正しく読み取れていないように思います。
基本に帰られることをお勧めします。
※注
行政の立場でいうと、この書き方は法32条の3のフレックスタイム制の要件を満たす場合のみ許される書き方という解釈もできます(S63.1.1基発1号・婦発1号、H11.3.31基発168号に「フレックスタイム制を採用する場合には満たす」とある)ので、フレックスタイム制の要件を満たさない場合にはこの書き方では絶対的必要記載事項を満たさない、という解釈は可能ですが、例の場合は、仮に満たすとします。
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poo_zzzzz 2016-11-05 07:14:15
poo_zzzzz様、私の疑問に対して丁寧に説明して下さりありがとうございました。
これまでの2回の私の質問に対するご回答、並びにpoo_zzzzz様の今回の説明を受けて、ようやく、
労働者の意向を確認するための手続きたる労使協定と労使間の権利義務の根拠たる労働協約、就業規則、労働契約との違いをはっきり認識できるようになりました。
私は、現在、病気を患っており、幸か不幸か、来年の受験にむけて勉強する時間が十分にあります。
今年の受験については、選択の労一が1点だったので、合格は極めて難しいと思いますが、
択一、選択(労一以外の科目)につきましては、どの科目も、納得いく点数(総合で十分合格できる点数)をとれたと思います。
今年の受験ついては、今とは違って、時間的な制約もあっため、方針としては、poo_zzzzz様のお言葉をお借りすると、
各部分で生じた小さな疑問は、テキストを精読しても解決しなければ、基本的にはとりあえず封じることにして、学習を進めました。
来年の受験については、上記の理由で、時間的な制約がそれほどないため、
今年の受験に対する学習時に生じた疑問について深く考えながら学習しようという方針で、学習を進めています。
今年の受験に対する学習時においては、
労働者の意向を確認するための手続きたる労使協定と労使間の権利義務の根拠たる労働協約、就業規則、労働契約との違いについて、
わかっているようなわかっていないようなという状態でしたので、
今回、変形労働時間制という具体的テーマを通じて、労働者の意向を確認するための手続きたる労使協定と労使間の権利義務の根拠たる労働協約、就業規則、労働契約との違い
についてじっくり考えよう!ということで、ネットでの情報等も利用しながら深く考え、それでもはっきり違いを認識できるまでに至らなかったので、
この質問広場にて、質問した次第でございます。
書籍につきましては、時間的な制約がそれほどないとはいっても1年以内という制約はあるので、書籍までは手を広げないと決めています。
今年の受験に対する学習時において、この変形労働時間制の内容については、
私も、poo_zzzzz様が私に対して思っておられるように、テキストの内容(ひいては条文の内容)を正しく読み取れていないことを認識していましたので、
すなわち、テキストの内容について正しく読み取れる(と思う)ところと正しく読み取れていない(と思う)ところがあることを認識しながら学習を進めてきましたので、
来年の受験に対する学習時においては、これまでの学習時にテキストの内容について正しく読み取れていない(と思う)と認識していた部分については、
いったん立ち止まって、その部分についてのテキストの内容(ひいては条文の内容)を時間をかけて読み取ろうと思い、その経緯で質問させていただいた次第でございます。
私は、テキストの内容を正しく読み取るために必要かつ基本的なことと私が思ったことに絞ってわかろうと考えており、
労働者の意向を確認するための手続きたる労使協定と労使間の権利義務の根拠たる労働協約、就業規則、労働契約との違いが、
まさに、変形労働時間制についてのテキストの内容を正しく読み取るために必要かつ基本的なことであると思ったので、
その部分をわかるために、質問広場を利用させていただきました。
労働者の意向を確認するための手続きたる労使協定と労使間の権利義務の根拠たる労働協約、就業規則、労働契約との違いがわかるまで多数回かかりましたが
(poo_zzzzz様には私がわかるまでおつきあいいただいたことに本当に感謝しています)、
その部分がわかったことによって、別の部分についての理解も深まると思いますので、質問して本当によかったと思っています。
私としては、私の今後の学習において、しばらくは、これまでのように質問広場を利用したいと思っております。
(いずれ、来年の受験で合格する可能性を高めるために質問広場をどのように利用するとよりよいかを立ち止まって考える機会をもちたいと思っています。)
質問に対するご回答に加え、受験勉強に対するアドバイスもしてくださりありがとうございました。
それでは失礼いたします。
watam 2016-11-05 12:41:18
そうですね、テキストに載っている範囲であり、しっかり読んでも解らない部分については、この質問広場のような場を利用されたら良いと思います。
今回は、10月末の最初の質問に書かれていたことを読んで、質問者の方は、民事的な権利義務と就業規則の関係は基本的に解っておられると判断していたので、後になって、正直言って何が解っておられないのかが解らなくてずいぶん遠回りしました。
今から考えれば、最初の質問で、労使協定を含む変形労働時間制と就業規則の関係を、民事的な観点からしっかり説明すれば、質問者の方もすんなり理解できたかも知れませんね。
ずいぶん手数をお掛けしてしまいました(^_^;)
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poo_zzzzz 2016-11-05 20:33:48
いえいえ、私の方こそ、ずいぶんお手数をおかけしてしまいました。
以下の私の10月末の最初の質問において、
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変形労働時間制のうち
法32条の2の1項(1箇月単位の変形労働時間制)を例にして質問させていだだきます。
この法32条の2の1項は、法32条に対する免罰のための規定であることは理解していると思うのですが、
「就業規則等の定めがあってはじめて、使用者、労働者に民事上の権利義務が生じ、労使協定の内容に従って労働者を労働させることができる」
についての理解が浅いように感じます。
例えば、労使協定により免罰効果を発生しうる定めはしたが、就業規則等にその内容についての定めをしていない場合、
~~
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「就業規則等の定めがあってはじめて、使用者、労働者に民事上の権利義務が生じ、労使協定の内容に従って労働者を労働させることができる」について、
「私のどの部分の理解が浅いのかを、ご回答者の方がよりわかるような論理構成となっているか!」という観点で文章をもっと見直す必要があったと反省しています_(._.)_
あらためまして、長い時間私にお付き合いくださり、本当にありがとうございました。
それでは失礼いたします。
watam 2016-11-06 11:26:03