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「「老厚の受給権者は原則65歳以上なので、60歳未満という年齢制限のある第3号にはなれない」という考えから離れられません」と質問してこられているので、厚生年金保険法の基本的な学習は済んでいるものと考えて回答します。

もし、そうでないならこの質問はまだ早いので、厚生年金保険法の学習が一通り終わってから取りかかってください。

疑問を持つことは悪いことではないのですが、学習には段階があります。

テキストや口述講義に沿った学習をしておられるなら、その過程で未知の部分に疑問が起きても、付箋を貼るくらいで通過してしてしまうのです。

そうでないと、せっかく選んだテキストや口述講義といった「受験に特化した武器」の長所をスポイルすることになります。



テキストの第1号被保険者の定義の部分に説明があるはずですが、「厚生年金保険法に基づく老齢給付等」とは、令3条の「法7条1項1号に規定する老齢又は退職を支給事由とする給付であって政令で定めるもの」を指し、この政令の定めは令3条です。

令3条には第1号から第11号まであり、この中には、今の受験生の方が学習される制度以外に、旧法厚年、旧法共済、恩給法、執行官法、国会議員互助年金法等、数多くの法律による老齢を支給事由とする給付が挙げられています。

厚生年金保険法だけで言っても、もう20年以上も前ですが、私が受験生であった頃は、女性は普通に60歳未満で特別支給の老齢厚生年金を受給していました。

また、今現在も、厚生年金保険法のテキストには、船員坑内員としての被保険者であった期間が15年以上あれば、平成29年4月2日までの生まれの者は、60歳未満で特別支給の老齢厚生年金が受けられたことは書いてあるはずで、これに該当する方は、つい、5年前まで、この規定で60歳未満で特別支給の老齢厚生年金を受けていたのです。

このように、今現在、該当者が存在するかどうかは別にして、60歳未満で「厚生年金保険法に基づく老齢給付等」を受けられる規定は数多くあります。

あなたは厚生年金保険法を一通り学習しておられるはずですから、少なくとも船員坑内員の特例はご存じのはずで、で、あるなら、疑問はないのではないでしょうか?



年金法令は、改正が施行されてからも経過措置が残り、その本則通りに法が施行されるまで、長い場合は40年近く掛かる気の長い法令です。
例えば、おっしゃっている「老厚の受給権者は原則65歳以上」の規定が施行されたのは昭和61年ですが、法附則による経過措置により65歳未満で特別支給の老齢厚生年金が支給され、施行される内容が法の本則通りになるのはまだ5年以上先です。

そのような法令ですから、新法改正時におかれた規定で、今現在は該当者がいなくなってしまった規定は数多くあります。

しかし、該当者がいなくなったからと言って、それに合わせてその都度改正が行われるわけではありません。

ですから今現在の知識で該当者がいなくても、法令にある以上は出題される可能性があるものとして学習しなければなりません。

特に今回の事例は、テキストの学習範囲に船員坑内員の特例があるのですから、疑問を持つところではないと思います。



なお、「厚年法に基づく老齢給付等」は、ダメとは言いませんが、今の段階で使うのは良くない表現です。

「厚生年金保険法に基づく老齢給付等」は、法7条1項で定められ、令3条にその内容がある「法律用語」です。

テキストにもそのように説明されていませんか?

そうであることを知り、おおまかでも令3条の内容を知って「厚年法に基づく老齢給付等」と書くならいいですが、あなたはどうやらそうではありません。

法律用語として、特別な意味を持つ単語であることをテキストから読み取れず、文字通り、厚年法に基づいて支給される老齢給付だと思って考えたられたところに、最初の躓きがあるのではないですか?

参考になった:3

poo_zzzzz 2019-02-04 03:01:41

poo_zzzzz先生、とても丁寧な解説をありがとうございました先生の生活リズム内であればよろしいのですが、真夜中においてのこの細大もらさぬ的確な回答に敬服いたします。
云われてみれば得心のいく内容で、ご指摘の通り悩ましいことではないはずが、いったん陥ると這い出せないぬかるみにはまったところを、学習の心構えの根本から喝いれいただき重ねて感謝いたします。
また、厚年法と略した箇所にもぬかりなくご指摘いただきました。山川先生が音声講義で、そのように滑らかに仰っていたので、真似をしたのですが、背伸びが過ぎました。もっとも、そもそもが法律用語であるという深い認識はありませんでしたので、これを機に初心に戻り、素直な学習をしていきます。
今後ともよろしくお願いいたします。

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charisern  2019-02-04 07:14:02

歳なので変えようとは思っているのですが、夜型です。
お気遣い、ありがとうございます。



ぬかるみのようにまとわりつく疑問の多くは、その原因が「ボタンの掛け違い」にあるように思います。
今回で言えば、最初に「いま、そんな人いないだろ?」と思ってしまうと、もう、ぬかるみです。

しかし、テキストを読み直し、7条1項まで少し遡って、令3条をe-Govか何かで見れば、「なーんだ、こんな古くさい給付のことを言っているんだね」で、終わったかも知れません。

警戒すべきは、「その疑問は、自分自身が作り出したものかも知れない」と、いうことです。

いつも書いていますが、疑問を抱いた時に、その疑問を見つめていたのでは、なかなか解決しないことが多いのです。
なぜなら、その疑問の元には、自分自身の頭の中の知識や思い込みがあり、それが間違っていることが多いからです。
間違った、あるいは抜けがある知識や思い込みを根拠に、次の事項を考えても疑問が膨らむばかりです。

対策としては、しっかりテキストを遡り広い範囲でテキストと口述講義を聞き直すことですが、もう一つの対策としては、付箋を貼って流してしまう手があります。

学習が進めば自然に解決する項目も多いですし、また、何度も疑問にぶち当たるうち、ご自身の知識の欠陥があぶり出されて自然に気づくかも知れません。

また、結局最後まで解決しなくても、学習の終盤で、それが解決しなければならない事項かどうか判断し、解決しないで良いなら捨てればいいだけです。

良質なテキストと口述講義と過去問を中心に、根気よく丁寧に学習を進めるなら、択一に関しては、「解決しなければならない疑問」が最後まで残ることは、そんなには多くないと思います。

参考になった:3

poo_zzzzz 2019-02-04 09:24:03

重ね重ねありがとうございます。
雨降って地固まる、確かな感覚ができあがりました。
次のぬかるみからは自力で抜けられる気がします。
はまらない、とまでは、言えませんので。。。

付箋の有効利用、励行します。

以後もご指導、よろしくお願いいたします。

charisern 拝

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charisern  2019-02-04 09:45:42



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