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労働基準法/最高裁判所の判例の問題について
taro.k 2019-05-21 22:19:38
H27年-04B(過去問題10年網羅のp90ページの141)に関して、経済生活の安定との関係上不当と認められた場合に関しては、近い月等での支払い調整が可能であると解釈をしております。
解答欄には「構成する要素の一つに過ぎない」ので「×」となっていますが、一つを満たしているのだから◯ではないのかな?と思い、やや解説を読んでも理解が出来ません。
もう少し具体的に×になる理由を教えていただきたく思います。
よろしくお願いします
H27-04Bの設問文のテーマになっているのは、いわゆる「福島県教組事件」に対するS44.12.18の最高裁判決です。
法24条1項ただし書きによる場合以外は、賃金の全額払の原則により相殺は原則禁止ですが、その原則禁止の例外についてがテーマです。
判決の中心は「適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は、同項但書(注:法24条1項ただし書き)によって除外される場合にあたらなくても、その行使の時期、方法、金額等からみて労働者の経済生活の安定との関係上不当と認められないものであれば、同項の禁止するところではないと解するのが相当である。この見地からすれば、許さるべき相殺は、過払のあった時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に合理的に接着した時期においてされ、また、あらかじめ労働者にそのことが予告されるとか、その額が多額にわたらないとか、要は労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのない場合でなければならないものと解せられる。」というものでした。
これに対し、H27-04Bの設問文は「過払いした賃金を精算ないし調整するため、後に支払わるべき賃金から控除することは、その金額が少額である限り、労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれがないため、労働基準法第24条第1項に違反するものではないとするのが、最高裁判所の判例である。」というものでした。
「金額が少額である限り」という表現で、「金額が少額であれば、労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれがないのだ」と断定しているのです。
しかし、判決は、賃金と過去の過払い金との相殺について
・ 相殺の時期
・ 相殺の方法
・ 相殺される額
などのいろいろな要素から考えて、「労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのない場合でなければならないものと解せられる」としています。
相殺される額が少額であることは、「労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのない場合」かどうかを判断する場合の、要素の一つにすぎません。
判断の要素の一つに過ぎない「金額が少額である」ということだけで、「金額が少額であれば、労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれがない」と断定していますから、H27-04Bは明らかに誤です。
また変な例を書きます。
例えばある会社が中途入社の社員を募集しているとします。
その募集要項に「選考試験の成績、学歴、業務経験、面接の内容を総合的に考慮し、当社社員としてふさわしいと判断された方を採用させていただきます。」と書いてあるとしましょう。
これに対し「選考試験の成績が優秀である限り、当社社員としてふさわしいと判断されて採用される。」という問は、正ですか?誤ですか?
あなたは「一つを満たしているのだから◯ではないのかな?」と書いておられますが、あなたはこの問に対し、○であると主張されるのですか?
ところで、あなたは、2019-05-17 23:26:05「労災保険法/労災の過去問に関して」の質問に対する回答にコメントしておられません。
この質問広場は、社労士受験に関することであれば誰でも質問ができ、誰でも回答者になれる場です。
つまり、ここで質問するということは、誰とも知らない赤の他人の、知識と時間と労力を借りると言うことです。
この質問広場の「注意事項」にも必ずコメントを返すように書かれていますが、注意事項にあるかないかに関係なく、質問して回答があれば、それにコメントを返すのは最低のマナーであると思います。
あなたは対面で誰かに何かを質問して、相手が答えてくれたのに、何も言わずに黙ってその場を立ち去りますか?
対面で当然のように守られるマナーが、なぜネットでは守られないのでしょうか?
私個人としては、お礼の言葉は要らないと思っています。
しかし、疑問を解消していただこうと思い、少なくない時間と労力を費やして回答していますから、理解できたかどうかのコメントはいただきたいと思います。
また、もし、理解できなかったのなら、何が、どのように解らないかを書いて、再質問していただきたいと思います。
参考になった:6人
poo_zzzzz 2019-05-22 05:16:40