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健康保険/扶養控除枠(130万)を超えた場合の取り扱い
poem2020 2019-11-22 16:19:52
健康保険(厚生年金)の扶養控除枠を12月末に超えた場合の取り扱いについて質問させていただきます。
12月末に年間収入が130万円を超えた場合(結果的に超えてしまった様なケース)ですが、今後130万円を超えることが見込まれない場合はどのように取り扱うのでしょうか。
また所得税・住民税は確定申告で精算されますが、健康保険(厚生年金)において、一時的に130万円を超えた場合、扶養状況と収入の照合はどこが主体となって行っているのでしょうか。
この掲示板は社労士受験についての掲示板であり、受験では、用語の違いによって正誤が変わることもあるため、用語には細心の注意を払っていただくようお願い申し上げます。
健康保険に扶養控除枠なんてありませんよ。「控除」するものが無いでしょう?あるのは、収入がある者についての被扶養者の認定についての通達です。
また、厚生年金保険には「被扶養者」の考え方すらありません。第3号被保険者制度は国民年金法の制度であって厚生年金保険法は関係ありません。
被扶養者の認定の権限は、各保険者にあり、どの保険者も通達に従って認定していますが、通達自身に「今後、左記要領を参考として被扶養者の認定を行われたい。」と書かれていて、通達は守らなければならない基準ではあるけれども、では、具体的にどのように適用するのかについては、実は保険者の裁量がからんでくるのです。
ですので一つ目の質問については、保険者に照会してくださいとしか言えません。
ただ、この「年収130万円」は1月から12月までの収入を言うのではありません。どの月を基準にしても、年収換算で130万円です。このため、退職して無職になっても、雇用保険の基本手当が受けられて、その日額が3,612円(130万円÷360)以上の場合は、基本手当が受けられる期間、被扶養者としては認定してくれません。このため、自己都合退職で90日の基本手当に3か月の給付制限がある場合、退職後、給付制限期間は被扶養者になり、基本手当を受けられる間は被扶養者から外れ、その後また被扶養者になるという扱いになります。
この例から分かるように、1月から12月の区間を区切った「年収」は被扶養者の認定に関係ありません。
問題になるとすれば、結果として年収130万円以上になったのだから、どこかの月で年収換算で130万円を超えるような額の月収があったはずで、その場合にどうするか、と、いうことです。
健康保険組合によってはサイトに具体的な月収額を挙げて、収入がこの額を超えた月から被扶養削除と明記している保険組合もありますが、結果的に1月だけ超えた場合に、事後に遡った削除をしているかどうかは不明です。事務方と被保険者の手続き負担を考えると、やっていないように思いますが・・・
協会けんぽにおいては、インフォメーションとしては遡った認定取り消しはあるとしています。ただ、私は開業して20年間仕事をしていますが適用された例を知りません。悪質な場合にあり得ると考えて良いのではないかと思います。
ただ、先の基本手当の例で分かるように、90日しか支給しないことが分かっていても、その間は被扶養者認定しない、というのが原則ですから、例えば無職の者が、4か月間だけ月15万円のアルバイトをする場合、その後の収入の見込みがなくても、その期間は被扶養者から外れるのがルールである、ということになります。
また、年収の照合は、被扶養者の調査または再確認、という形で各保険者が行います。例えば協会けんぽはこの11月20日締切で令和元年の再確認を行いました。
この調査や再確認の内容も保険者により異なり、健康保険組合などの場合は所得証明を出せとか、別居の親が被扶養者の場合に毎月の仕送りを確認できる書類を出せなんていう組合もありますが、協会けんぽの場合は事業主が確認して書類を書いて終わりで、証拠となる書類の提出はありません。ただ、協会けんぽも、将来は所得証明、住民票、仕送り状況の確認できる書類等の証明書類の添付を検討すると言っています。
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poo_zzzzz 2019-11-22 18:40:39
poo_zzzzz様
早速のご回答ありがとうございました。
大変丁寧に解説していただき、ずっと疑問に思っていた点が解決できました。
poem2020 2019-11-22 18:56:30
丁重なご挨拶ありがとうございます。
気づかれたかどうか分かりませんが、私の回答をよく読むと、制度が矛盾しているのが分かります。
原則として、「年収換算で130万円になる月収があればその月から削除」といっておきながら、事後の調査や再確認は、過去のある年の1月から12月までの年収で行うのです。
所得証明や源泉徴収票は月単位では出ませんからね。
ですから年単位の収入が130万円未満であれば、その中に20万円収入があった月があっても、30万円収入があった月があっても、黙っていれば保険者には分かりません。
ただ、被扶養者になる理由が被扶養者の退職である場合は、退職前は社会保険に加入していたと言うことですから、雇用保険も加入していたはずで、保険者としては容易に事実関係を把握できます。このため「基本手当の受給期間は被扶養者にしない」ということが可能です。
しかし保険者から把握できない部分は自己申告がない限りどうにもならないのですから、正直者がバカを見るような制度で、どうなんだかなぁ?と、思います。
また、仮に遡って被扶養者から削除された場合、その時点に遡って国民健康保険に加入することになりますが、その場合、保険料(または保険税)は加入時に遡って支払う(最長2年間)こととなるのに、その間の保険給付が受けられるという保障がありません。
国民健康保険のサイトを見ると、保険料(または保険税)は遡って徴収すると書いてあるのに、それと並んで、「やむを得ない理由もなく届出が遅れると、医療費の給付は届出日からになる場合があります」とか、「国保に加入することなった日から14日を過ぎて届け出をされた場合、届け出の日以降が保険給付の対象となります。(遡って保険給付を受けることはできません。)」とか書かれています。
遡って被扶養者から削除されたら、その間に健康保険から受けた保険給付は当然全額返還(返還するのは被保険者)ですから、それに代わって遡って加入する国民健康保険から遡って保険給付が受けられないとすれば、遡った期間の医療費は被扶養者であった者または被保険者(どちらになるかは家族間の話し合い)が全額負担ということになり、かつ、その間の保険料(または保険税)は徴収される(徴収されるのが誰かは、国民健康保険制度上の世帯主が誰かによる。必ずしも住民票上の世帯主とは限らない)ということで、まさに踏んだり蹴ったりです。
このような国民健康保険側の事情もあり、遡っての被扶養者からの削除は、悪質でなければ行われていないのが現状ではないかと思います。
また、私の回答を見ておわかりのように、ご質問は受験にはあまり関係の無い部分ですから、保険者から調査や再確認がある、という点を除き、すっきりしたら忘れて良いと思います。
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poo_zzzzz 2019-11-23 12:21:44