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ご質問の内容から推察すると、質問された方は、二元適用事業の意味が解っておられないのかも知れません。

二元適用事業は、実務的には、建設業等の一定の適用事業において、労災保険に係る保険関係と、雇用保険に係る保険関係を、それぞれ別個の労働保険関係として成立させるものです。
1つの適用事業において、労災保険に係る保険関係の労働保険番号と、雇用保険に係る保険関係の労働保険番号が別の番号となり、申告書も、納付書も別になります。
実務においては、この理解で構いません。

しかし、受験対策としては、この理解ではダメです。

法律上の二元適用事業は、現実には1つである適用事業について、労働保険関係については適用事業が2つあると考えます。
そしてその一つには、労災保険に係る保険関係のみが生じます。
そして残りの一つには、雇用保険に係る保険関係のみが生じます。

1つの適用事業に対して、労災保険に係る保険関係と、雇用保険に係る保険関係の、2つの労働保険関係が成立していると考えるのではありません。

現実には1つである適用事業を、2つの別の適用事業があると考え、その2つのうちの1つを労災保険に係る保険関係のみが成立している事業と考え、もう1つを雇用保険に係る保険関係のみが成立している事業と考えて、それぞれの事業に対して1つづつの労働保険関係が成立していると考えるのです。

建設会社の本社(継続事業)などの場合、二元適用ですから、現実には1つである事業に対し、労働保険関係については、
・ 労災保険に係る保険関係が成立している事業
・ 雇用保険に係る保険関係が成立している事業
の2つの事業が存在すると考えて、労働保険関係は2つになります。



具体例で考えると・・・

台東区に本社のある建設会社(法人)が、名古屋市と大阪市に支店を持っていて、さらに経営多角化で新宿区と渋谷区で飲食店をしているとしましょう。

この場合のこの法人には、
① 台東区の本社の労災保険に係る保険関係に係る事業(建設業・二元)
② 台東区の本社の雇用保険に係る保険関係に係る事業(建設業・二元)
③ 名古屋市の支店の労災保険に係る保険関係に係る事業(建設業・二元)
④ 名古屋市の支店の雇用保険に係る保険関係に係る事業(建設業・二元)
⑤ 大阪市の支店の労災保険に係る保険関係に係る事業(建設業・二元)
⑥ 大阪市の支店の雇用保険に係る保険関係に係る事業(建設業・二元)
⑦ 新宿区の飲食店の労災保険及び雇用保険に係る保険関係に係る事業(飲食業・一元)
⑧ 渋谷区の飲食店の労災保険及び雇用保険に係る保険関係に係る事業(飲食業・一元)
の8つの継続事業があり、労働保険関係も8つあることになります。

このうち、①③⑤が「労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業に係る事業」として一括され、②④⑥が「雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業に係る事業」として一括され、⑦⑧が「一元適用事業であって労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立しているもの」として一括されて、事業は8つから3つに集約され、労働保険関係も3つになります。

現実の建設業の場合、有期事業があるため、1つの法人が同時に非常に多くの事業をかかえ、同じように多くの労働保険関係が存在する可能性があります。

参考になった:12

poo_zzzzz 2019-11-25 00:12:31

ご丁寧な解説ありがとうございます。とても分かりやすく、しっかり理解することができました。誠にありがとうございました。

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sakik8170  2019-11-25 02:06:48



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