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労災保険法/第三者行為災害/控除期間について
nekoneko20 2020-01-07 07:19:35
「山川講義付き。VOL.2」89頁についてお伺いさせていただきます。
第三者行為災害の控除期間についての「ちょっとアドバイス」欄に
「災害発生後7年を経過したときは、その支給停止額が損害賠償額に満たない場合であっても、保険給付は開始される。(平6択)(平14択一)」
とありますが、
「その支給停止額が損害賠償額に満たない場合であっても」という部分が具体的にどのような状況なのか理解できません。
支給停止額というのは何を指すものなのでしょうか?
うーん、お答えしたいのですが、ご質問の内容を見る限りでは、質問された方は、
(1) 第三者行為災害の意味
(2) 第三者行為災害において、第三者(加害者)が労働者に対して負う法的な損害賠償義務の存在(労災保険が給付する場合もこの義務は基本的に消えない)
(3) 労災保険からの保険給付が先行した場合の、第三者から労働者が損害賠償を受ける権利の政府への移転(代位取得)と、それに基づく政府から第三者に対する請求(求償)
(4) 第三者から労働者への損害賠償が先行した場合に、その損害賠償額の限度で政府による労災保険の給付義務がなくなることによる、労災保険の保険給付の支給停止(控除)
この(1)から(4)のどこか(または全部)の意味が分かっておられないような気がします。
もう一度テキストをしっかり読み直して、それでも分からなければ、ご面倒ですが再度ご質問ください。
参考になった:2人
poo_zzzzz 2020-01-07 11:45:26
早々にご返信くださり、ありがとうございました。
講義を聞き返し、テキストを何度も読み返してみましたが、
最後の最後のところでもやもやとしたところがあり、理解しきれませんが、再度読み返したいと思います。
ここで理解できなければ、この先の勉強も続かないのだということを肝に銘じて再読します。
どうもありがとうございました。
nekoneko20 2020-01-07 23:22:05
この2日間、「何がお分かりにならないのだろう」と考え続けて、やっと分かったかも知れません。
私は、あなたが「支給停止」の対象が分からないのだと思って「何がお分かりにならないのだろう?」と思って先の回答を書いたのですが、もしかすると、あなたはここで「支給停止」という用語が使われてること自体に疑問を持っておられるのかな、と、思いました。
もしそうなら、その疑問は正しいです。先の回答は失礼しました。
法12条の4は「保険給付をしないことができる」となっていて「支給停止することができる」とは言っていませんからね。
平成6年の出題の時に「支給停止」の文言が使われていたので、この出題を元にテキストを制作するとそのような表現になるかもしれません。
私も回答で支給停止の文言を使ったように、そこにはあまり疑問を持っていませんでした。
法12条の4関係の通達には支給停止の文言はないようですが、例えば障害補償年金でいえば治ゆした日に受給権は確立しているため、その後年金たる保険給付を一定期間しないのであれば、年金給付の制度上、この不支給は「支給停止」と解すべきであると思うからです。
また、事業主からの民事損害賠償との調整を定めた法附則64条も、条文は法12条の4と同様に「保険給付をしないことができる」となっていますが、それについての通達(S56基発60号)には、「次の額に達するまで支給停止する」とはっきり書かれています。
また、下記の会計検査院の報告書でも「支給停止限度期間」や「支給停止の制度」といった文言が見えます。
http://report.jbaudit.go.jp/org/h24/2012-h24-0355-1.htm
いずれにせよ、受験対策上は「保険給付をしないことができる」ですから、そのように覚えておかれるのが良いと思います。この不支給を「控除」と呼んでいます。
控除は、第三者(加害者)から行われた損害賠償額を限度として行われますが、災害発生後7年を経過すれば、控除により支給されなかった年金額が第三者から支払われた損害賠償額に満たなくても、控除は終了し、年金の支給が行われます。
ポイントは、被災労働者は、第三者(加害者)からの損害賠償(自賠責や任意保険からの給付を含む)受ける権利と、労災保険からの保険給付を受ける権利を両方有するが、同じ事由について二重に填補を受けることができず、調整が行われるということと、第三者からの損害賠償が先行し、労災保険からの年金給付が調整(控除)される場合は、第三者からの損害賠償額を限度として控除するのが原則だが、控除額が第三者からの損害賠償額に満たなくても災害発生後7年を経過すれば控除は終了するということと、労災保険が先行して給付を行った場合は、第三者は損害賠償の責を免れず、労働者が有する損害賠償請求権を政府が代位取得し、第三者は政府から求償されるということです。
参考になった:6人
poo_zzzzz 2020-01-09 12:36:13
ご丁寧な回答をくださり、ありがとうございます。
帰宅の電車の中で再回答を入れてくださったことを知り感動いたしました。
取り急ぎ、お礼のみ投稿させていただきます。
どうもありがとうございました。
nekoneko20 2020-01-10 07:28:54