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社会保険の報酬は、実支給を基準にして算定するのが原則です。

このため、遡って昇給・降給があった場合も、決定・改定の基準となる月は、実際にそれが支給に反映された月になります。
遡りの対象となった月に遡って、決定・改定されません。実際に支給に反映された月が基準です。

しかし、もう一つルールがあって、算定の対象となる報酬に、算定の対象となる期間以外の期間の報酬(以下単に「以外の報酬」といいます)が含まれる場合は、「通常定められた方法によって報酬月額を算定することが著しく不当である場合」として、保険者算定となります。

「保険者算定」と書くと難しく感じますが、実務の月額変更届等では、まず事業主が実際の3か月総支給額の合計と平均を記入し、それと別に「修正平均額」欄があるので、そこに「以外の報酬」を控除して平均した額を記入して提出します。

つまり、事業主が、単に平均して出した報酬月額と、「以外の報酬」を控除して出した報酬月額(修正平均額)の、2つを届け出るのです。
そして、修正平均額欄の額を、保険者が報酬月額として選択して、標準報酬月額を決定するというプロセスになります。
簡単でしょう?


例を挙げます。
基本給のみで他の報酬がない場合で、9月給与から基本給が310,000円から250,000円に下がったが、9月は310,000円で支給してしまったので、10月給与で9月の降給分▲60,000円を調整したとします。

8月支給額 310,000円
9月支給額 310,000円(降給により正しい基本給は250,000円だが、310,000円で支給してしまった)
10月支給額 190,000円(9月降給分▲60,000円含む。この▲60,000円が上記説明の「以外の報酬」になる)
11月支給額 250,000円
12月支給額 250,000円

この場合、実際に支給の変動が起きたのが10月なので10月が基準となり、10月11月12月の報酬の総額は690,000円で、これによる平均額(報酬月額)は230,000円になります。
このまま標準報酬月額が決定されると、標準報酬月額は220,000円になります。

しかし、10月の報酬で調整した9月降給分▲60,000円は、10月11月12月の期間の報酬ではないので、この▲60,000円を除いた報酬の総額(750,000円)を計算し、上記の平均額と別に修正平均額として250,000円を届け出ます。
この修正平均額250,000円が保険者算定による報酬月額となり、決定される標準報酬月額は240,000円になります。

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poo_zzzzz 2020-02-19 12:31:45

poo_zzzzz様

丁寧なご返信ありがとうございます。意味がよくわかりました。ありがとうございます。

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Shiho11  2020-02-19 12:29:53

コメントありがとうございます。

コメントを書いていただいていた時間帯に回答を少し修正しています。このため、時系列が整合しなくなっています。すみません。

社労士試験とは関係ない、完全な蛇足なのですが・・・

毎月均等に給与を支給する場合と、先の例のように月により大きなでこぼこがある場合では、年間の総支給額が同じであっても、年間の所得税額が異なってしまう場合があります。
日本の税制が累進課税であるために起きる現象です。
これを調整するのが年末調整です。

働いて給与を受けておられる方でも、差引支給額は気にされるのですが、明細の内容は気にしておられない方が多く、保険料が変わっても「そんなものか」で、年末調整も「なんだか給与が増える」程度にしか思っておられない方が多いのですが、せっかく社労士受験を志され、今働いておられるのであれば、給与明細の内容にも、少し興味を持たれることをお勧めします。

労働時間の計算、残業単価の計算、定時決定、随時改定・・・
社労士受験に関係のある範囲でも、給与明細は生きた情報の宝庫なのでね。

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poo_zzzzz 2020-02-19 13:03:25

poo_zzzzz様

補足も読みました。ありがとうございます。年末調整がそのような役割があることを知り、今後は勉強していこうと思いました。ありがとうございました。

投稿内容を修正

Shiho11  2020-02-19 14:21:09



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