ニックネーム | *** 未ログイン ***
雇用保険法/育児休業給付金の申請手続について
inoino1229 2020-04-11 18:18:21
いつもお世話になっております。育児休業給付金の申請手続について、テキスト142ページではやむを得ない理由がなければ事業主経由の申請をしなければならないと説明され、アウトプット編問164の回答もそのようになっていますが、テキスト143ページ中段の行政手引59504では被保険者が自ら希望すれば事業主経由しなくても認めるものとすると書かれています。この場合の希望すればというのは選択自由ということにはならないのでしょうか。試験対策上どの様に憶えておけば良いでしょうか?ご指導よろしくお願いします。
「やむを得ない理由がある場合を除き、申請書は事業主を経由して提出」の根拠は、以下の施行規則(厚生労働省令)の規定です。
【雇用保険法施行規則101条の13 1項】
被保険者は、初めて育児休業給付金の支給を受けようとするときは、 ・・・・・ 中略 ・・・・・ 書類を添えて、事業主を経由してその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。ただし、やむを得ない理由のため事業主を経由して当該申請書の提出を行うことが困難であるときは、事業主を経由しないで提出を行うことができる。
【雇用保険法施行規則101条の13 5項】
第3項の規定による通知を受けた被保険者が、支給単位期間について育児休業給付金の支給を受けようとするときは、前項に規定する育児休業給付金の支給手続を行うべきこととされた期間に、育児休業給付金支給申請書を事業主を経由してその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。ただし、やむを得ない理由のため事業主を経由して当該申請書の提出を行うことが困難であるときは、事業主を経由しないで提出を行うことができる。
そして、この施行規則を受ける形で業務取扱要領(いわゆる行政手引)が出されていて、その該当箇所の全文は以下の通りです。
【雇用保険に関する業務取扱要領】
59504 (4)申請手続の主体等
イ 育児休業給付関係手続については、当該育児休業給付に係る被保険者を雇用する事業主の事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(以下「事業所管轄安定所」という。)において行う。
ロ 育児休業給付に係る賃金の届出は事業主の義務となっており、事業主が事業所管轄安定所に対して行う。
ハ 被保険者は、育児休業給付金の支給に係る各種申請書等の提出について、雇用される事業主を経由して事業所管轄安定所に対して行わなければならない。
ただし、この取扱いは、被保険者本人がこれらの各種申請を行うことを拒絶するものではなく、当該被保険者が自ら申請手続を行うことを希望する場合は、事業主を経由せず当該被保険者がこれを行うことも認めるものとする。
なお、育児休業給付金の支給申請等の手続については、本人が郵送等により行うことも差し支えない(郵送の場合は発信日を申請日とし、消印により確認する。)。
以下、略
テキストにどのように書かれているのか私には分かりませんが、施行規則と行政手引の間は、以上のような関係で書かれていますので、「施行規則にはこう書かれている。しかしそれを受けた行政手引にはこう書かれている」という理解で、消化できませんか?
「被保険者は、育児休業給付金支給申請書を事業主を経由してその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所の長に提出しなければならない。ただし、やむを得ない理由のため事業主を経由して当該申請書の提出を行うことが困難であるときは、事業主を経由しないで提出を行うことができる。」は正ですし、「育児休業給付金支給申請書の提出は、被保険者が自ら申請手続を行うことを希望する場合は、事業主を経由せず当該被保険者がこれを行うことができる。」も、受験対策としては、正と解することができます。
「被保険者が自ら申請手続を行うことを希望する場合」が「やむを得ない理由のため」に該当するのか?、という疑問は封じましょう。
雇用保険においては、この程度の???はよくあるのです。
なお、業務取扱要領(いわゆる行政手引)は、昔は見ることが困難でしたが、今はネットで公開されています。
参考になった:1人
poo_zzzzz 2020-04-11 19:35:43
素早いご回答ありがとうございます。ご説明いただいた内容については理解出来ました。が実際の試験で同様の問題が出された場合、被保険者の選択により申請することが出来るという問いは、〇と考えればいいのか×とすべきなのかどうなんでしょうか?ちなみにアウトプット編では×との回答なのでちょっと腑に落ちないところがありまして。
inoino1229 2020-04-11 19:35:16
inoino1229さん
当該問題ですが、検討させて頂きましたが、基本的に×であるという結論は変わりません。
より正確にいうと、例外規定だけを考えれば語尾が可能性を示す「できる」なので部分的に〇とも読めるが、それが原則規定をすっ飛ばして読む理由にはなりません。
作問者はあくまでも原則論を踏まえて、例外があるということを聞いているのであって、例外についてだけ取り出して聞いているわけではありません。
ですので、仮に本試験で問われた時には、この表現のままであっても、原則的に×と判断すべきです(最終的には残り4肢の相対判断にはなります)。
本試験において、原則と例外の規定が拮抗し、どちらを聞いているのか不明確な場合は、通常、まず「原則」を考えるのがセオリーです。
また、行政手引は、施行規則の規定があって初めて機能します。
したがって、行政手引の表現の一部だけを取り上げて〇とするのも、本来の形ではないと思います。
作問者は、則101条の30(改正後)1項を根拠としていますが、
仮に下記行政手引59504を根拠とする場合でも、この表現は施行規則と同じロジックです(【】内は私が付記したものです)。
この行政手引も、この【原則】⇒「ただし」【例外】と、【原則】but【例外】と逆説的的な接続肢で結ばれた文章であり、【原則】と【例外】が並列関係(or)にあるわけではありません。
※この【原則】は、INPUTテキストには記載のない省略された内容です。
【原則】被保険者は、育児休業給付金の支給に係る各種申請書等の提出について、雇用される事業主を経由して事業所管轄安定所に対して行わなければならない。
【例外】ただし、この取扱いは、被保険者本人がこれらの各種申請を行うことを拒絶するものではなく、当該被保険者が自ら申請手続を行うことを希望する場合は、
事業主を経由せず当該被保険者がこれを行うことも認めるものとする。
一方で、下記設問は、この原則と例外が「並列関係」にあることを記載してあります。
・被保険者が提出する育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書は、当該被保険者の選択により、事業主を経由することもできるし、
事業主を経由しないで行うこともできる。
変な例えですが、以下の設問を②の例外だけ取り出して〇とするのは、規定の趣旨から考えて違和感がありませんか?
inoino1229さんが考えているのは、この設問を〇とするロジックと同じだと思いますよ。
(設問)社労士試験を受験するものは、受験票を持っていても持っていなくても試験を受験できる。
【規定】
①受験の際は、必ず受験票を持参して、試験を受けている間は机上に明示してください。
②ただし、受験票を忘れた場合には、試験委員に申し出、本人確認が取れれば受験することもできる。
以上、宜しくお願い致します。
山川社労士予備校
三宅大樹
yamayobimiyake 2020-04-12 09:40:59
inoino1229さん
それぞれ施行規則と行政手引に根拠のある表現です。
したがって、そのとおり出題されたら、そのとおり正しいと判断しなくてはなりません。
結論としては、試験対策上「そのまま」覚えるです。
則101条の30(R2.4.1法改正により条文番号のみ変更)ただし書き
・ただし、やむを得ない理由のため事業主を経由して当該申請書の提出を行うことが困難であるときは、事業主を経由しないで提出を行うことができる。
行政手引59504
・被保険者は、育児休業給付金の支給に係る各種申請書等の提出について、雇用される事業主を経由して事業所管轄安定所に対して行わなければならない。
ただし、この取扱いは、被保険者本人がこれらの各種申請を行うことを拒絶するものではなく、当該被保険者が自ら申請手続を行うことを希望する場合は、
事業主を経由せず当該被保険者がこれを行うことも認めるものとする。
この規定は、そもそも事業主の経由を規定していませんでしたが、実務上の実態に合わせて法改正により事業主の経由を原則としたものです。
その方が、通常は記載事項等に間違いがありませんし、事務担当者が仕事としてやるわけですから効率的です。
ただ、事業主が育児休業を取得するのを妨害したりしたら、申請書を事業主経由で出せませんよね?
または、会社の事務担当者が怠慢で申請書を出していないとか、忘れちゃったとかありますよね?
そこで、そのような理由があるならば、改正前の被保険者が直接提出するのも可能にしようというわけです。
だって、育児休業給付金をもらえなければ、被保険者は困ります。でも、事業主経由でなければ受け付けてくれないではあんまりです。
そこまでは、行政手引では書いていませんが、そういう理由が本来、行政手引でも含意はしているところだと思います。
確かに行政手引の表現では、「自ら申請手続を行うことを希望する場合」と書いていますので、その日本語のまま取れば選択自由とも取れますけどね。
ちょっと考えて頂きたいのですが、普通、育児休業を取得していて日々育児に忙しい方が、会社を休んだ状態で、よく分からない申請書を自分で提出するって
よっぽどの理由でもなければ、好き好んでなければやりませんよね。通常会社に任せておけばいい話です。
なので、そこまで当たり前の話を行政手引では、書いていないだけの話だと思いますよ。
以上、宜しくお願い致します。
山川社労士予備校
三宅大樹
参考になった:2人
yamayobimiyake 2020-04-11 19:35:54
ああ、すみません、そこ、分かりにくいと思って、回答を修正しました。
今一度、前回の回答をご覧ください。
なお、「被保険者の選択により申請することができる」という表現の正誤の判断は難しいです。
結果だけを考えれば、「被保険者の選択により申請することができる」は正と解することができますが、事業主経由の原則がある以上、規定としては「被保険者の選択」ではありません。
規定は事業主経由であり、しかしこの規定には例外規定があり、また行政の事務手続上、これらの取り扱いは、被保険者本人がこれらの各種申請を行うことを拒絶するものではないと解されていて、当該被保険者が自ら申請手続を行うことを希望する場合は、本人が申請することができる、ということです。
社労士試験は、実務的な結果よりも規定がどうなっているか?、を問う傾向があるので、このような肢があれば、×を原則とするグレーと考えて、他の4肢とのバランスで判断します。
社労士試験は満点を取る必要はないのですからね。
参考になった:1人
poo_zzzzz 2020-04-11 20:53:32
そうですね。
あなたは「この場合どう答えれば良いのか?」というテーマを、ピンポイントで考えておられたようです。
たしかに、ピンポイントでの暗記がなじむテーマもあるのですが、多くの場合、評価は相対的に行う必要があります。
5肢択一は、個数問題を除き、○×は相対評価なのです。
このため、まず、出題者が、何を訊こうとしているのか?を考えなければなりません。
次に、過去問における評価の傾向を知らなければなりません。
過去においては、実例で考えたり計算したら○になるように取れるけど、規定に当てはめれば違うことが書いてあるような肢がありました。
そのような場合、解答は×である例が多かったので、○と取り得る肢であっても、条文と異なることが書いてあれば、×の可能性はある、と、考える必要があります。
逆に考えて、法令則の条文通りに書かれている肢は、例外があっても○の可能性があります。
もちろん、故意に例外を除いておいて、例外が無いから×という解答を要求する肢もあります。
最終的な判断は、先に書いた「出題者が、何を訊こうとしているのか?」という思考と共に、他の4肢とのバランスで下します。
過去問を多く当たることの必要性の一つはここにあります。
過去問を解いて、解答を見て、「ああ、こうなるのか」では、記憶の量は増えても、レベルは向上しません。
過去問を解いて、解答を見て、テキストに当たって、そのまま納得できれば良し、「あれ、これはグレーだな。逆にも取れるんでは?」と思ったら、それがどういう理由で正誤が決められたのかを考える必要があり、かつ、他の4肢との関係がどうであるのかをチェックする必要があります。
近年、過去問は一問一答が主流ですが、そうであっても、ネットの情報等を使って、他の4肢はチェックできます。
そうやって、グレーな肢への対応能力が高まるのです。
参考になった:1人
poo_zzzzz 2020-04-13 10:15:48