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考え方が間違っているわけではないのですが、一面的です。



民法90条
公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。

※ 最初の書き込みで民法改正前の条文をひろってしまていたので、修正しました。すみません。

公の秩序に反する法律行為は、それが善良の風俗に反する法律行為ではなくても、無効です。

逆に、善良の風俗に反する法律行為は、それが公の秩序に反する法律行為ではなくても、無効です。
これは、あなたの論の通りです。

では、公の秩序に反する法律行為であり、かつ、善良の風俗に反する法律行為である場合は、無効にならないのでしようか?
違いますよね?

つまり、この「又は」は、「どちらか一つ」という意味ではなく、「どちらでも」という意味です。

法条文では、いずれか一つまたはそれ以上の要素を満たせば良い場合に、A,B,C又はDという表現をします。

この場合、特に断りが無ければ、複数の要素が満たされることは排除されません。

このため、単に要素を羅列するために「又は」を使う場合があり、その場合、その要素がどのように扱われるかについては、周辺の条文に書かれる場合が多いのです。



あなたが書いておられる遺族厚生年金で見てみましょう。

厚生年金保険法59条1項抜粋
遺族厚生年金を受けることができる遺族は、被保険者又は被保険者であった者の配偶者、子、父母、孫又は祖父母であって、被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時・・・後略・・・

そして続く2項に
前項の規定にかかわらず、父母は、配偶者又は子が、孫は、配偶者、子又は父母が、祖父母は、配偶者、子、父母又は孫が遺族厚生年金の受給権を取得したときは、それぞれ遺族厚生年金を受けることができる遺族としない。

この2項によって、受給権者が限定されるわけですが、1項の「又は」が「いずれか一つ」の意味であるなら、2項は成り立ちませんよね?

1項が、「配偶者、子、父母、孫、祖父母のいずれも受給権者になり得る」という意味であるからこそ、2項が「前項の規定にかかわらず」で始まり、受給権者を限定する意味があるのです。



また、加給年金額の44条を見てみましょう(子についてのかっこ書きは除きます)

厚生年金保険法44条1項抜粋
その者によって生計を維持していたその者の65歳未満の配偶者又は子があるときは

これね、「配偶者及び子があるときは」としたら、配偶者と子の両方ある場合でないと支給されない、という意味に取られかねないのです。



言語は生き物で難しいです。
条文に定義がある場合や、法令用語として確立している用語は別にして、やはりそこには日本語としての理解が必要です。
又は、はいずれか、及びは、条件の付け足し、のような理解は基礎ですが、その部分だけを見ていては判断できないケースはあります。

参考になった:3

poo_zzzzz 2020-08-10 21:09:41

poo_zzzzz先生

早々にお返事くださり、ありがとうございました。

こんなことを尋ねるのはどうなのかしら、と思いつつの投稿だったのですが、お尋ねして良かったです。
すっきり納得できました。

私の慣れ親しんだ言葉なら、「や」で置き換えると良いのかなと思いました。
基本「or」だけれども「and」の場合もある、、、みたいな。

条文とはいえ、生きた言葉なのですね。
きっちり捉えるばかりではダメだと学びました。

ありがとうございました。

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aokisan  2020-08-10 23:32:26



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