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Aを指定事業としてBを一括し、その後、Aを指定事業としてCを一括したとします。

AとBを一括した時点でBの労働保険関係は消滅し、Bで使用される労働者はAで使用される労働者とみなされます。
この時点でBという事業所は徴収法の事業の単位ではなくなり、AとBの一括後のBで支払われる賃金は、徴収法上はAで支払われる賃金とみなされ、Bで起きた事故の保険給付は、徴収法上はAで起きた事故の保険給付とみなされます。

その後AとCを一括する場合、この時点で徴収法上Bは事業ではなく、すでにAの一部ですから、AとCの一括にBは関係しません。

一括後のAのメリット制を考える場合、AとBが一括される前のBにおける保険給付と保険料は収支率の算定基礎に入りません。
同じように、AとCが一括される前のCにおける保険給付と保険料は収支率の算定基礎に入りません。



なお、一括有期事業は、有期事業以外の事業(いわゆる継続事業)の一括の対象になりません。
考えていただくと分かるのですが、制度上のメリットがないのです。

Dという事業所でfghの有期事業の保険関係を一括し、Eという事業所でijkの有期事業の保険関係を一括しているとします。
この場合にfghijkすべての有期事業をDで一括したいなら、はじめからDでfghijkすべてを一括すればいいだけのことです。
この場合にfghとijkの事業の種類が同じであれば、同じ労働保険関係に有期事業の一括がなされます。
もし事業の種類が異なるならば、Dにおいて、fghに係る一括と、ijkに係る一括の、2つの一括有期事業の保険関係が成立します。
もちろん、DとEの一括は可能ですが、このDEは初めからいわゆる継続事業ですから、有期事業の一括にはなりません。



最後に、別の方にも書きましたが、社労士試験の受験学習は、何が正しいのか(間違っているのか)を選ぶ学習ではありません。
出題者が、何を選ばせようとしているのかを考え、選ぶ力を養う学習です。
結果としては同じ答えになることがほとんどですが、問題の内容に疑義がある場合に、これを意識しているのかいないのかは大きな差を生みます。

このR4択一労災10は、Bが誤の肢です。
B肢は賃金総額の特例の適用を明らかに誤っています。
誤っているものを選ぶ問題ですから、正誤はこのB肢を基準に5肢で考える必要があります。

問題文が正しいかどうか?ではなく、択一式試験としてどの肢を選ぶべきか?であるなら、そういった判断ができれば十分であり、グレーな肢を論じるのはあまり意味がありません。
また、社労士試験は昔から相対的な判断が必要な場合がある試験だったのですから、それがすべてだと思います。

参考になった:4

poo_zzzzz 2022-09-30 10:34:40

はじめに、お忙しいところ、迅速にご回答いただき、誠に感謝申し上げます。
質問に関して、問題文を記載しておりませんでしたので大変申し訳ございません。設問は五肢択一で正しいものを選ぶ問題でございました。山予備含め他の予備校でも問9についてAが正答とされておりましたので気になった次第でございます。

問9のAーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【労災保険のいわゆるメリット制に関して】
継続事業の一括(一括されている継続事業の一括を含む。)を行った場合には、労働保険徴収法第12条第3項に規定する労災保険のいわゆるメリット制に関して、労災保険に係る保険関係の成立期間は、一括の認可の時期に関係なく、当該指定事業の労災保険に係る保険関係成立の日から起算し、当該指定事業以外の事業に係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は当該指定事業のいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ご回答いただいております、

その後AとCを一括する場合、この時点で徴収法上Bは事業ではなく、すでにAの一部ですから、AとCの一括にBは関係しません。

一括後のAのメリット制を考える場合、AとBが一括される前のBにおける保険給付と保険料は収支率の算定基礎に入りません。
同じように、AとCが一括される前のCにおける保険給付と保険料は収支率の算定基礎に入りません。

という部分で設問の括弧書きで読むと上記の解釈になると言うところで、私自身も同様の解釈をしていたところでございますが、問題文に当てはめると、
一行目の最後(行った場合には)となっており、つまり括弧書きにおいてはCの一括を行った場合には、という場合が提示されており、5行目の指定事業以外の事業はBとCの事業を指しているため、当該指定事業以外の事業に係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は当該指定事業のいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。という部分がCの一括を行った場合にBの一括についても、同様の取り扱いがされると書いてある文なのでは?と考えた次第でございます。
ご回答いただきました解釈においても本問は誤りであるということでしょうか。

また、徴収法上Bは事業ではなくなるという部分で、AとBの一括時点でABをまとめて指定事業として捉えるということなのでしょうか。
Bの事業についての変更等があった場合継続被一括事業名称所在地変更届を出す取り扱いもあるので、Bは被一括事業であることには変わりはなく、この場合、指定事業以外というとBとCを指しているもの思うのですが、そう思うと設問が誤りにしか見えずといった所でございます。
最初の疑問は設問の、継続事業の一括(一括されている継続事業の一括を含む。)について、括弧書きは、そもそも継続事業の一括であるのに、書いてあるということは上記のようなABCの場合を考慮するということと思いますので、普通に読むと間違っているのかなと思ってしまいます。

問9についてBDEは誤りと判断出来たのですが、AとCを相対的に比較したときに、C肢は

有期事業の一括の適用を受けていない立木の伐採の有期事業であって、その事業の素材の見込生産量が1,000立方メートル以上のとき、労災保険のいわゆるメリット制の適用対象となるものとされている。

という問題で、メリット制の適用対象を判断する際には、確定精算の時点での生産量の情報が必要であるけれども、問題文は見込み生産量の要件のみ提示されており、仮に設問の事業が確定精算の時点で生産量が規定を超えた場合には、メリット制の適用対象になる可能性もあり、誤りにした場合は、見込み生産量が1,000立法メートル以上のとき、メリット制の適用対象となるものとはされないとなるので、Cを誤りと判断するには厳しく、正解の可能性残されているという意味でAとCを相対比較し時には、Aが誤りであると読んだ場合にCも完全に正しくはないけど、正しいものを選べでは渋々C?と考えてしまいます。

長文になってしまい大変申し訳ございません。大変お手数をおかけいたしますが、ご教授いただけますと幸いです。

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ajpumgj  2022-09-30 11:53:02

問題を間違えていましたね。
申し訳ありません。

それに、回答で、いきなり「Bという事業所は徴収法の事業の単位ではなくなり」と書いたのも、不適切でした。
いきなり「事業の単位」と書いたから「Bは被一括事業なのでは?」と思われるのはもっともです。
お詫び申し上げます。



ただ、継続事業の一括のテーマは「労働保険関係」の一括です。
継続事業の一括があった場合、指定事業以外の事業は「労働保険関係が消滅」します。
そこには労働保険関係がありませんから、一括後は指定事業以外の事業は、労働保険関係における事業ではなくなります。

指定事業以外の事業は「被一括事業」じゃないか、と、思われるかも知れません。

しかし、徴収法の法令則で「被一括事業」という用語は、労働保険関係の用語としては出てこず、「継続被一括事業名称・所在地変更届」という用紙の名前でしか出てこないのです。
継続事業を一括するための届出用紙にすら、「被一括事業」という用語は出てこず「一括される事業」とあります。

徴収法上は労働保険関係が消滅するが、しかし実体として存在する事業を管理する必要があるため、指定事業以外の事業で変動があった場合にも届出をさせます。
つまり、「被一括事業」というのは、徴収法施行規則では、管理上の名称でしかありません。

まぁ、多分便利ですし、「一括された事業」として日本語として適切なので、労働局でも一括対象の事業のことを「被一括事業」としたパンフなど作っていますが・・・
また、本試験でも、「被一括事業」という用語は、「継続被一括事業名称・所在地変更届」以外でも、一括後の労災給付の事務をどこで行うのか?という問題で使っています。
継続事業の一括があっても、労災の保険給付の事務はそれぞれの事業を管轄する監督署で行いますからね。
しかしこれは「継続一括された事業」という意味で用語を使っているだけ(テキストにおいても)で、労働保険関係が消滅した以上、被一括事業は労働保険関係における事業ではなく、労働保険関係を考える場合は、単に管理の対象でしかありません。

AとBが一括し、Bの労働保険関係が消滅し、Aが指定事業で残ったとします。
この時点でBの労働保険関係が消滅し、徴収法の労働保険関係においては、Bという事業は存在しなくなります。
このときすでに、徴収法の労働保険関係において、Bは指定事業であるAの一部です。

このため、次に新たにCとの一括があった場合(これを実務では「継続事業一括の追加」と呼びます)、起きるのはAとCの一括であり、Bは関係ありません。
Bで使用される労働者は、徴収法上は、このときすでにAで使用される労働者とみなされているのですから、これで何の問題も無いのです。

このため、R04労災問9Aが正であることに疑義はありません。



次にR04労災問9Cを検討します。

これに関しては、おっしゃっていることは理論的ではないと思います。
まず、「仮に設問の事業が確定精算の時点で生産量が規定を超えた場合」という仮定は、どこからきて、なぜこの仮定を考える必要があるのでしょう?
また、「仮に設問の事業が確定精算の時点で生産量が規定を超えた場合」を考えるのであれば、見込み生産量がいくらであるかは、この仮定には関係ありませんね?
見込み生産量が1,000立方メートル以上であれば、確定の生産量が1,000立方メートル以上であるかも知れないと考え、見込み生産量が500立方メートル以上だったら、そう考えないという理由はないと思います。
このため、この問題が「有期事業の一括の適用を受けていない立木の伐採の有期事業であって、その事業の素材の見込生産量が500立方メートル以上のとき、労災保険のいわゆるメリット制の適用対象となるものとされている。」という問題も、誤にできなくなることになりますが、そうお考えなのでしょうか?

また、「誤りにした場合は、見込み生産量が1,000立法メートル以上のとき、メリット制の適用対象となるものとはされないとなる」というお考えも理解できません。
問題文の語尾は「メリット制の適用対象となるものとされいる」です。
「なるものとされている」ですから、これは規定がどうであるかを訊いていることが明らかで、規定にあるのが確定生産量で、問題文が見込み生産量であるなら、規定に沿っていないのですから誤です。

また、仮にこの語尾が「メリット制の適用対象となる」であったとしても、それを誤とした場合の主張は「メリット制の適用対象とならない」ではありません。
「メリット制の適用対象となる」を誤にした場合、そこで考えられる最も広範囲な主張は「メリット制の適用対象となるとは限らない」です。
「なる」を誤として否定したからといって、「ならない」という主張をしたことにはなりませんから、その点においてもあなたの主張には疑問があります。

それに、このC肢で問われているのは、「DがF以上の場合、Gの適用対象となるものとされている」という法令上の規定がある場合に、DをEに入れ替えて、「EがF以上の場合、Gの適用対象となるものとされている」という問題文が正しいかどうか?というテーマです。
これは、DとEを入れ替えた引っかけ問題と考えて、誤とするのが当然なのではないですか?

参考になった:2

poo_zzzzz 2022-09-30 20:44:18

お忙しいところ、ご回答いただき、感謝申し上げます。また、こちらの質問に不備がございましたことを重ねてお詫び申し上げます。当問題だけでなく、徴収法の問題文の「読み方」についても重要な点と思い、もう少しだけご質問させてください。

ご説明いただき、事業の一括と被一括事業という名称の徴収法上の位置づけからメリット制の部分の理解が深まりました。ありがとうございます。以下は主に徴収法に関する問題文の読み方の質問が主になっておりますが、よろしくお願いいたします。

ご説明いただきました、施行規則を拝見いたしました。

徴収法施行規則の第十条の4
 法第九条の認可を受けた事業主は、当該認可に係る事業のうち、同条の規定による指定を受けた事業以外の事業の名称又は当該事業の行われる場所に変更があつたときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した届書を、同条の規定による指定を受けた事業に係る所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。

「継続被一括事業名称・所在地変更届」は上記施行規則によりという所で、施行規則には被一括事業という名称は使われていないのですね。試験ではよく目にする単語でしたので、少し驚きました。また、上記規則では、問題文とほぼ同様の表現「指定を受けた事業以外の事業」と使われており、この場合では、A指定事業にB事業を一括し、追加でC事業を一括した場合は、「指定を受けた事業以外の事業」は、B事業とC事業を指していると思われます。

過去の出題についてもご説明いただきありがとうございます。近しいものを探し見ているところでございますが、

平成30年労災保険問8E

一括されている継続事業のうち指定事業以外の事業の全部又は一部の事業の種類が変更されたときは、事業の種類が変更された事業について保険関係成立の手続をとらせ、指定事業を含む残りの事業については、指定事業の労働者数又は賃金総額の減少とみなして確定保険料報告の際に精算することとされている。

この問題についても、「指定事業以外の事業」と、今回の問題と同様の記載があり、先程のABCの例ですとBとCが指定事業以外の事業を指していると思われます。

本問についても同様と考えるのは間違っているのでしょうか。「当該指定事業以外の事業に係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は」となっていますので上記2例と同様だと思われるのですが、この問題だけBを外すものなのでしょうか。
ここで、B事業の保険関係は消滅しており、B事業の労働者がA指定事業の労働者とみなされることについては、ご説明をいただき、理解が出来たのですが、指定事業以外の事業という表現が先の2例に照らし、当問題の場合において、「指定事業以外の事業」がBとCではなく、Cのみであるという事とのリンクが自分の中で上手くできておりません。
仮に、当問題の指定事業以外の事業がBとCを指すものであれば、Cの一括を行った場合、Bは既に一括されておりますので、この問題は誤りとなりますので、どう読むかという所が重要であると感じております。

C肢につきましてご回答いただき感謝申し上げます。
読み方の問題であると感じておりますが、ご説明を頂いた通りでございます。ですが、解答者目線に立った場合に、問題文に判断する要件が不足している問題と思った次第であります。
メリット制の適用対象を判断するのには、解答者として正誤を判断するときに、確定生産時の生産量の要件が欲しいのですが、書かれていない所であり、さらに、対象となるものとされる。という「対象」という広い意味にとれる文言があるため、
 
例えば、
男性は山予備の授業の受講対象となるものとされる。
という問題の正誤を考えたときに、私としましては、問題文が不適切ではと考えてしまいます。

本来ならば、男性で、「申し込みを行い授業料の支払いをしている方」は山予備の授業の受講対象となる。のですが、男性は山予備の授業の受講対象とならないわけではないので、誤りとするのも厳しいし、他の問題にと照らした場合に他で解答がなければ、正にもなり得る可能性がある。くらいに思っております。問題文では判断するのに必要な情報を示すべきであり、男性全員が対象となるものではないけれども、誤ってもいないと思ったという所です。(広い意味での対象)

頂きました例題としますと、生産量で700立方メートル未満はメリット制の適用対象とはならない。はその通りですが、見込み生産量で700立方メートルの場合は、その情報では上記と同様に必要な情報が不足しており、適用対象となるかならないかの判断がつけられないと思った次第です。判断がつけられない問題は誤りであるならば誤りであると思いますが、判断するのに必要な情報が書かれていない問題なのではと考えておりました。

勉強をしている中で知識は増えて行きますが、ご説明頂いたとおり、社労士試験は5肢択一で最も正しいものを選ぶ試験で相対評価で考える所ではありますが、精読すればするほどどれもこれも怪しく見えてしまっています。
お忙しいところ、大変お手数をおかけいたしますが、ご教授頂けますと幸いです。よろしくお願い申し上げます。

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ajpumgj  2022-09-30 23:34:05

まだ、「労働保険関係上の事業」と「実体として存在する事業」を混同しておられます。

法9条
事業主が同一人である二以上の事業(有期事業以外の事業に限る。)であって、厚生労働省令で定める要件に該当するものに関し、当該事業主が当該二以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることにつき申請をし、厚生労働大臣の認可があったときは、この法律の規定の適用については、当該認可に係る二以上の事業に使用されるすべての労働者は、これらの事業のうち厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業に使用される労働者とみなす。この場合においては、厚生労働大臣が指定する一の事業以外の事業に係る保険関係は、消滅する。

上記条文に「当該二以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることにつき申請をし」とありますね?
つまり、継続事業の一括は、「成立している保険関係」についてしか行えません。

継続事業の一括が行われた場合は、その一括における指定事業以外の労働保険関係は消滅します。
Aを指定事業としてAとBの一括が行われたときに、Bの労働保険関係は消滅し、Bには「成立している保険関係」がありません。
このため、その後AとCの一括が行われた場合、この一括において「二以上の事業について成立している保険関係」はAとCだけです。Bには保険関係がありませんからね。

労働保険関係としては、このときBはすでにAの一部として扱われます。
AとBの一括後は、実体としてのAと実体としてのBを合わせて、労働保険関係上のAと考える、と言えば分かりやすいかもしてません。
ですから後に行われるAとCの一括にBは関係ないのです。

また、一括が行われてもBCそれぞれの事業は、実体として生きています。
保険事故があった場合の手続も、実体としての各事業単位で行います。
このため、BCの住所や名称が変更された場合は、届け出てもらわなければなりません。
これは単に管理上の問題です。

H30の問題を見ると、「事業の種類が変更された事業について保険関係成立の手続をとらせ」と書いてありますね?
被一括事業が、労働保険関係における事業として扱われるなら、ここで「保険関係成立の手続をとらせ」はおかしいでしょう?
被一括事業は、被一括事業の状態では労働保険関係における事業ではないという事実があるから、事業の種類が変わってその事業が一括の対象ではなくなったときに、改めて「保険関係成立の手続をとらせ」るのです。
H30の問題は、あなたがおっしゃるのとは逆に、被一括事業は、一括されている間は労働保険関係上の事業ではないということを言っています。

「本問についても同様と考えるのは間違っているのでしょうか。「当該指定事業以外の事業に係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は」となっていますので上記2例と同様だと思われるのですが、この問題だけBを外すものなのでしょうか。」と書かれていますが、間違っていますし、AとCとの一括において、Bは関係ありません。

この問題だけBをはずしているのではありません。
あげておられる例の1例目は、実体として存在する事業に対する一括後の管理のための規定で、これを根拠に法9条の適用を論じることはできません。
2例目は、被一括事業の一つが事業の種類を変えて一括の対象ではなくなれば新たな成立届が必要になるということであり、被一括事業は一括されている間は労働保険関係における事業ではないことを間接的に論じていますから、これを根拠にするならAとCとの一括においてBは関係ない、になります。

もう一度書きますが、法9条において「厚生労働大臣が指定する一の事業以外の事業に係る保険関係は、消滅する。」のです。
分かっていただけないので長々と書きましたが、実はこれがすべてです。
消滅した労働保険関係は、労働保険関係として成立していないのですから、法9条の「当該二以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることにつき申請」の対象にならないことは、明らかです。



C肢については、もういちど書きます。
山予備の例は論じません。

「有期事業の一括の適用を受けていない立木の伐採の有期事業であって、その事業の素材の見込生産量が1,000立方メートル以上のとき、労災保険のいわゆるメリット制の適用対象となるものとされている。」という肢があります。

この「ものとされている」を「そういう制度になっているか?」という意味に取るなら、則35条のメリット制の適用対象には「見込生産量」とは書かれていませんから、そういう制度になっていないので誤です。

ここでは、そのような規定上の問題として解釈せず、メリット制の適用対象となる可能性があるかどうかを問われていると考えてみましょう。

この問題には、則35条の「素材の生産量が1,000立方メートル以上であること」に関する情報が書かれていません。正と断じるための情報が欠けています。
さらに素材の見込生産量は法令では関係ないのですから、「その事業の素材の見込生産量が1,000立方メートル以上のとき、」は、論理的にはこの問題の正誤と関係ありません。
ですから、この問題は論理的には「有期事業の一括の適用を受けていない立木の伐採の有期事業は、労災保険のいわゆるメリット制の適用対象となるものとされている。」という問題と同じです。
「論理的には」です。

この「有期事業の一括の適用を受けていない立木の伐採の有期事業は、労災保険のいわゆるメリット制の適用対象となるものとされている。」という問題文を考察してみましょう。
この問題は正ではないのか?と言われれば、条件を限定せず可能性を問う問題として考えれば正であると言えます。
しかし逆に誤と考えたときに不都合があるかというと、そうでもありません。
この問題を誤としたからといって、「有期事業の一括の適用を受けていない立木の伐採の有期事業は、労災保険のいわゆるメリット制の適用対象とならない」という結論にはなりません。
この問題を誤とした場合の結論は、「有期事業の一括の適用を受けていない立木の伐採の有期事業は、労災保険のいわゆるメリット制の適用対象となるものとされる場合とされない場合がある」です。
条件によって、される場合とされない場合があるのですから、条件があることを書いていないから誤とも考えられますからね。
このため、誤と解釈することにも問題はありません。
でも、現実に上記の問題で出題されたら、「誤の可能性のある正の肢」の評価になると私も思います。

しかし、現実のC肢には「その事業の素材の見込生産量が1,000立方メートル以上のとき、」の文言があります。
「論理的には」この文言は、この問題の正誤と関係ありません。
しかし、「出題者の意図」を考えたときに、この文言には大きな意味があります。

受験対策としては、これは「生産量」と「見込生産量」を入れ替えて、引っかけ問題にするために挿入された文言と考えるべきです。
もちろんそうではない可能性がないとは言いませんが、そう考えるのが受験対策として順当です。

もう一度書きますが、社労士試験の受験学習は、何が正しいのか(間違っているのか)を選ぶ学習ではありません。
出題者が、何を選ばせようとしているのかを考え、選ぶ力を養う学習です。
結果としては同じ答えになることがほとんどですが、問題の内容に疑義がある場合に、これを意識しているのかいないのかは大きな差を生みます。

参考になった:3

poo_zzzzz 2022-10-01 01:44:45

お忙しいところ、ご回答いただき、感謝申し上げます。

継続事業の一括を行った場合でAを指定事業とし、BとCを一括した場合は、指定事業以外の事業(BとC)の一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は当該指定事業のいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。

それに対し

一括されている継続事業の一括を行った場合、Aを指定事業とし、Bが一括されている事業にCを一括した場合は、Cの一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は当該指定事業のいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。

AとBの一括を行った場合はその時点でBの保険関係は消滅し、Bは事業ではなくなる。被一括事業というのは管理上の区分において、存在し、保険関係では存在し得ない。という所につき、理解いたしました。

本来であれば、問題文では、「指定事業(既に一括がされている指定事業以外の事業含む。)以外の事業に係る」と書いて欲しいところでした。ここまで書いて頂いて初めてCを単独で指すものと明確に特定出来ると思いました。でなければBとCを指すと解釈するしかないと思います。

理由としましては、ご回答を頂いております通り、仮にBを既に事業ではないから指定事業以外の事業ではないと読むとすると、Cも一括された場合には事業ではなくなるため、そう読むと言うことであると、指定事業以外の事業というそのもの自体がどのタイミングでも存在し得ない、つまり、指定事業以外の事業という文言自体の不成立になってしまうので、保険関係を考えた時には、指定事業以外の事業という概念自体が、存在せず、管理上の区分においてのみ存在する文言ということになるので、管理上の区分として読むしかないというとになるかと思われます。

ですが、C肢の意図を考えたときにAの文章に誤りがあったとしてもAが正解肢として作られている可能性を探るという点につき理解いたしました。私としましては、上記理由でAを誤りと判断した人は多く、正解率は低かったのではないかと思います。
Aは誤りCは微妙と読みましたが、Cの意図を汲み取れればAが誤りでも問題作成者がAを正解にしてくる可能性を探り、Cの意図を汲み取り、Aを選ぶべきと所ということですね。こういう問題というのは不適切な問題として処理されるのが相当と思いますが、されないことを前提に試験対策を考えた時に、どういう解き方をすべきかは、この問題を通してとても理解が深まりました。ありがとうございます。


C肢につきましてもご回答いただきありがとうございます。

この問題は論理的には「有期事業の一括の適用を受けていない立木の伐採の有期事業は、労災保険のいわゆるメリット制の適用対象となるものとされている。」という問題と同じです。

という部分で、理解が進みました。関係のないことが書いてあるという所に着目すべきですね。そしてそれは、問題作成者の意図を考えたら、ひっかけ問題とするためにということで理解いたしました。はっきりしない問題やどちらともとれる可能性がある問題は良い問題ではないと思いますが、そういう問題はあると受け入れて、今後は、試験対策上そのように割り切って考えていきたいと思っております。

お忙しいところ、ご教授頂きましたことを心より感謝申し上げます。頂きましたアドバイスを今後の試験勉強に活かしていく所存です。この度は本当にありがとうございました。

投稿内容を修正

ajpumgj  2022-10-01 07:49:21

-------------------------- 以下コメント引用 --------------------------
本来であれば、問題文では、「指定事業(既に一括がされている指定事業以外の事業含む。)以外の事業に係る」と書いて欲しいところでした。ここまで書いて頂いて初めてCを単独で指すものと明確に特定出来ると思いました。でなければBとCを指すと解釈するしかないと思います。

理由としましては、ご回答を頂いております通り、仮にBを既に事業ではないから指定事業以外の事業ではないと読むとすると、Cも一括された場合には事業ではなくなるため、そう読むと言うことであると、指定事業以外の事業というそのもの自体がどのタイミングでも存在し得ない、つまり、指定事業以外の事業という文言自体の不成立になってしまうので、保険関係を考えた時には、指定事業以外の事業という概念自体が、存在せず、管理上の区分においてのみ存在する文言ということになるので、管理上の区分として読むしかないというとになるかと思われます。
------------------------------- 引用終了 -------------------------------

これもおかしいです。
まず、問題文と条文を再度引用します。

-------------------------------- 以下問題文及び条文引用 --------------------------------
継続事業の一括(一括されている継続事業の一括を含む。)を行った場合には、労働保険徴収法第12条第3項に規定する労災保険のいわゆるメリット制に関して、労災保険に係る保険関係の成立期間は、一括の認可の時期に関係なく、当該指定事業の労災保険に係る保険関係成立の日から起算し、当該指定事業以外の事業に係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は当該指定事業のいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。

法9条 事業主が同一人である二以上の事業(有期事業以外の事業に限る。)であって、厚生労働省令で定める要件に該当するものに関し、当該事業主が当該二以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることにつき申請をし、厚生労働大臣の認可があったときは、この法律の規定の適用については、当該認可に係る二以上の事業に使用されるすべての労働者は、これらの事業のうち厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業に使用される労働者とみなす。この場合においては、厚生労働大臣が指定する一の事業以外の事業に係る保険関係は、消滅する。
----------------------------------- 引用終了 -----------------------------------

具体的に考えてみましょう。
条件
Aは継続事業であり、平成20年6月に労働保険関係が成立
Bは継続事業であり、平成29年9月に労働保険関係が成立
Bは継続事業であり、令和3年2月に労働保険関係が成立
令和元年3月までは、ABC全ての事業において、継続事業の一括はないとする

① Aで成立している労働保険関係と、Bで成立している労働保険関係の2つの労働保険関係に対し、Aを指定事業として令和元年3月に継続事業の一括をしたとします。
この具体例を問題文にあてはめると、「メリット制に関して、保険関係の成立期間は平成20年6月から起算し、平成29年9月から令和元年3月の一括までの、Bの保険料及び災害に係る給付は、Aのいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。」になります。
これに疑義はないですね?

② Aで成立している労働保険関係と、Cで成立している労働保険関係の2つの労働保険関係に対し、Aを指定事業として令和4年10月に継続事業の一括をしたとします。
この具体例を問題文にあてはめた場合も、①と同様に、「メリット制に関して、保険関係の成立期間は平成20年6月から起算し、令和3年2月から令和4年10月の一括までの、Cの保険料及び災害に係る給付は、Aのいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。」になります。

この②の場合にBを考える必要は「法律上当然に」ありません。
「法律上当然」である理由を説明します。

まず、法9条に「この法律の規定の適用については、当該認可に係る二以上の事業に使用されるすべての労働者は、これらの事業のうち厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業に使用される労働者とみなす」とあります。
ですから、令和元年3月の時点で、AとBのすべての労働者は、指定事業であるAの労働者とみなされます。
Bの労働者が、と考えると難しいかも知れませんが、条文に当てはめると「AとBのすべての労働者が、令和元年3月に指定事業であるAの労働者になる」のです。

次に法9条には続けて「この場合においては、厚生労働大臣が指定する一の事業以外の事業に係る保険関係は、消滅する」とあります。
このため令和元年3月の時点でBの労働保険関係は消滅し、Bには「成立している労働保険関係」はこれ以降ありません。

そして、法9条に「この法律の規定の適用については」とありますから、徴収法上、①の令和元年3月以降は、成立している労働保険関係はAだけであり、実体としての事業であるAで働く労働者とBで働く労働者は、すべてAの労働者になります。

あなたは「被一括事業」を気にしておられますが、一括されてしまえば、それ以降は労働保険関係に「被一括事業」は存在しません。
しかし、実体としての事業は管理しなければなりませんから、「継続被一括事業名称・所在地変更届」があります。
法9条の「この法律の規定の適用については」を考えればこちらが例外です。

そして法9条は「二以上の事業について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすること」を目的とします。
継続事業の一括において、一括されるのは「事業」ではありません。
一括されるのは、「事業において成立している労働保険関係」です。

このため令和4年10月の②の一括において、「法律上当然に」Bは一括の対象になりません。
実体としてBが存在していても、Bには労働保険関係が存在しないからです。

もう一度書きますが、一括されるのは事業ではありません。
「事業において成立している労働保険関係」です。
一括される対象が「成立している労働保険関係」ですから、②においてAが指定事業であるとすれば、「指定事業以外の事業」はCだけです。
Bは事業の実体はあっても、そこに成立している労働保険関係がありませんから、法律上当然に、②の一括において「指定事業以外の事業」にはなり得ないのです。

「法律上当然」なのですから、おっしゃるような「指定事業(既に一括がされている指定事業以外の事業含む。)以外の事業に係る」といった断り書きは、必要ありません。

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poo_zzzzz 2022-10-01 09:29:42

お忙しいところ、ご回答いただき、感謝申し上げます。
記載の意図が伝わり辛く大変申し訳ございません。

設問の前提の「行った場合には」との記載から、私は、過去軸でこの問題を読んでおりましたので、過去軸で読む場合は、保険関係の事業として解釈し、行った時点で、指定事業以外の事業が存在しないとなると、①の一括の時点で指定事業以外の事業は存在しないため、管理上の区分として、Bは指定事業以外の事業として読む他はないのではないかといった趣旨でございました。伝わり辛く申し訳ございません。

理由としましては、過去の問題では、
令和2年問9のE
継続事業の一括を行った場合には、労働保険徴収法第12条第3項に規定する労災保険に係る保険関係の成立期間は、一括の認可の時期に関係なく、一の事業として指定された事業の労災保険に係る保険関係成立の日から起算し、指定された事業以外の事業については保険関係が消滅するので、これに係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は、指定事業のメリット収支率の算定基礎に算入しない。

ほぼ同様の問題がございますが、こちらが正肢となっていることも踏まえ、過去軸で読んでいた私にとっては、保険関係として指定事業以外の事業を読んだ場合、指定事業以外の事業は存在しないということになり、過去軸で読む場合は、管理上の区分として読まざるを得ないと考えた次第でございます。

また、過去軸かつ、管理上の区分として読む場合には、指定事業以外の事業には、BとCが含まれるということでございますので、正肢とするためには、Bを除外する旨の記載が欲しいと考えた次第でございます。

ご回答いただいておりますとおり、(これから)行う場合、という未来軸で考えた時には、保険関係として読み、AとCの一括前において、Bは保険関係が消滅し、Bは事業ではなく、Cは事業であるため、指定事業以外の事業はCのみということになり、設問は正しいということになるということは、ご回答いただき、理解することが出来ました。

過去軸かつ管理上の区分として読むか、未来軸かつ保険関係として読むかという問題ということなのではないかと考えております。

しかし、ご回答を頂いております、C肢の問題作成者の意図を考えたときに、Aを正解肢として作成した問題と思いますので、試験対策的に、C肢の意図を汲み取れた場合は、Aを正肢として選ぶことは不可能でないと思いますが、A単体で考えると全く疑義がないものとは言えないと言えるものなのか。と考えた次第でございました。伝わり辛く大変申し訳ございません。

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ajpumgj  2022-10-01 12:15:31

まだ違うと思います。

令和2年労災問9E
継続事業の一括を行った場合には、労働保険徴収法第12条第3項に規定する労災保険に係る保険関係の成立期間は、一括の認可の時期に関係なく、一の事業として指定された事業の労災保険に係る保険関係成立の日から起算し、指定された事業以外の事業については保険関係が消滅するので、これに係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は、指定事業のメリット収支率の算定基礎に算入しない。

「指定された事業以外の事業については保険関係が消滅するので」とありますから、次の「これに係る」の「これ」は、「この一括により消滅する労働保険関係が消滅する、指定された事業以外の事業」であることは明らかです。

つまり、一括が過去であろうがこれから行う一括であろうが、その一括により指定事業以外の事業の労働保険関係は消滅し、その一括により消滅する労働保険関係に係る、一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は、指定事業のメリット収支率の算定基礎に算入しない、ということです。

一括のそのときまで労働保険関係が存在していて、その一括により労働保険関係が消滅する事業が「指定事業以外の事業」ですから、先に挙げた例では①においてはBであり、②においてはCです。
一括のそのときまで労働保険関係が存在しますから、「指定事業以外の事業」を管理上の区分として考える必要はありません。



令和4年労災問9A
継続事業の一括(一括されている継続事業の一括を含む。)を行った場合には、労働保険徴収法第12条第3項に規定する労災保険のいわゆるメリット制に関して、労災保険に係る保険関係の成立期間は、一括の認可の時期に関係なく、当該指定事業の労災保険に係る保険関係成立の日から起算し、当該指定事業以外の事業に係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は当該指定事業のいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。

この問題は、問題文に書かれている文言は違いますが、(一括されている継続事業の一括を含む。)の部分を除き、内容としては令和2年労災問9Eと全く同じです。ポイントは下記の3点です。

・継続事業の一括を行った場合のメリット制に関して
・保険関係の成立期間は一括の時期に関係なく指定事業の成立日から起算
・指定事業以外の事業に係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は当該指定事業のいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。

令和2年の問題は保険関係の消滅に触れていますが、一括により、指定された事業以外の事業について保険関係が消滅するのは法律上当然ですから、書いていなくても題意には影響しません。

これを逆に考えて、令和4年の問題に「保険関係の消滅」を挿入してみましょう。、
継続事業の一括(一括されている継続事業の一括を含む。)を行った場合には、労働保険徴収法第12条第3項に規定する労災保険のいわゆるメリット制に関して、労災保険に係る保険関係の成立期間は、一括の認可の時期に関係なく、当該指定事業の労災保険に係る保険関係成立の日から起算し、当該指定事業以外の事業については保険関係が消滅し、これに係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は当該指定事業のいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。
このように書き換えても、令和4年の問題の意味は変わりません。

あなたは「行った時点で、指定事業以外の事業が存在しないとなると、①の一括の時点で指定事業以外の事業は存在しないため、管理上の区分として、Bは指定事業以外の事業として読む他はない」と書いておられますが、そう考えるのではありません。
書き換えによって分かるように、令和4年の問題においても、「当該指定事業以外の事業」は、「一括のそのときまで存在していて、その一括により消滅する事業」を指すことは明らかです。
このためこの問題においても、「指定事業以外の事業」は、管理上の区分として考える必要はありません。
また、「一括のそのときまで存在していて、その一括により消滅する事業」ですから、過去の一括で労働保険関係が消滅している事業は考える必要がありません。

ただ、令和4年の問題には「一括されている継続事業の一括を含む」とあります。
これは先に挙げた例のように、先にAとBが一括されていて、これが「一括されている継続事業」であり、それに新たにCが一括されるというイメージで、その2つめの一括を指します。

つまりこのかっこ書きを重んじて考えるのであれば、この問題は私が先に挙げた②の問題です。
その場合でも、②の一括において労働保険関係が消滅する「指定事業以外の事業」はCだけです。
ですから、何も書いていなくても、Bはこの一括に関係しません。

なお、過去軸、未来軸と言っておられますが、失礼ですが意味が分かりません。

私があげた②の一括が令和4年10月だから未来なのなら、これが令和4年2月であっても結果は同じですから、未来の意味が分かりません。
①に対して②が未来という意味であるなら、①は「すでに一括されている事業がある」という前提を作るために書いただけです。
このため、①があるからという理由で②は未来にはなりません。
また、令和2年の問題も「継続事業の一括を行った場合には」となっており、これを正の肢として受け入れておられるなら、過去軸未来軸を理由に令和4年の問題を誤と考えられる理由が分かりません。



もっと単純に「一括されている継続事業の一括」を書いてみましょう。

Aという継続事業が平成20年6月に保険関係成立しています。
このAは保険関係成立後、令和2年までにAを指定事業としたいくつかの継続事業の一括を経ています。
Cという継続事業が令和3年2月に保険関係成立しています。
令和4年2月に、Aを指定事業としてCと継続事業の一括をしました。

すると、「メリット制に関して、保険関係の成立期間はAの保険関係成立日から起算し、令和3年2月から令和4年2月の一括までの、Cの保険料及び災害に係る給付は、Aのいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。」になります。

ここにはAとCしか出てきません。
令和2年までにAに一括された継続事業が実体としていくつあろうと、それらの事業を含め、労働保険関係上の事業はAであり、ここでテーマになるのはAとCの一括だからです。

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poo_zzzzz 2022-10-01 13:57:13

ご回答いただき、感謝申し上げます。

①A事業とB事業の一括を行う場合、A指定事業以外の事業の保険関係は消滅し事業ではなくなる。

②A事業とB事業の一括を行った場合、A指定事業以外の事業は存在する。

①の文が正であれば、②の文は誤となると思われます。
また、①が正であれば、A事業とB事業の一括を行った場合には、A指定事業以外の事業は存在しない。という意味を含むものであり、①と②を同時に肯定する必要があることに違和感がある次第でございました。

最初に戻ってしまいますが、そもそもこの問題は、継続事業の一括(有期事業の一括を含む。)と単に試験センターが書き間違えただけではとも思っておりますが、例え書き間違いであっても問題として成立しているのであれば、解くものと思いますが、ご教授頂いておりますとおり、5択なので、当問題の正誤判断を捨てて消去法を使うというのが受験戦略的としては正しく、練習等では勉強のためなので積極的にやるべきであると思いましたが、本番試験では、一つ一つの問題を深く探るというのは時間面で見てもあまりメリットがなさそうと改めて感じました。

この度は、色々とご説明いただきありがとうございます。一つの問題を深く考える機会があまりなかったので、これからの勉強にあたり、苦手な範囲こそ深く考え勉強していきたいと感じました。
この度はありがとうございました。重ねて感謝申し上げます。

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ajpumgj  2022-10-01 16:22:05

論点がおかしいです。
今までと違う例でお話ししましょう。

条件
Aは継続事業であり、平成20年6月に労働保険関係が成立
Bは継続事業であり、平成30年9月に労働保険関係が成立
Cは継続事業であり、令和元年12月に労働保険関係が成立

令和元年6月に、Aを指定事業として、Aの保険関係とBの保険関係が一括された ・・・(1)
この一括によりBは令和元年4月から令和元年6月までの確定保険料を精算します。
1年度分の概算保険料を納めているでしょうから、Bの保険料は還付又は充当になる可能性が高いです。
そして、Bに係る保険関係は消滅します。
この一括以降、Bの労働者はAの労働者とみなされますから、Aにおいて見込み賃金の増加が起きます。
Aの保険関係において、必要であれば増加概算保険料の申告をします。

令和2年10月に、Aを指定事業として、Aの保険関係とCの保険関係が一括された ・・・(2)
この一括によりC は令和2年4月から令和2年10月までの確定保険料を精算します。
1年度分の概算保険料を納めているでしょうから、Cの保険料は還付又は充当になる可能性が高いです。
そして、Cに係る保険関係は消滅します。
この一括以降、Cの労働者はAの労働者とみなされますから、Aにおいて見込み賃金の増加が起きます。
Aの保険関係において、必要であれば増加概算保険料の申告をします。

この条件で、Aの保険関係における令和4年度の継続事業のメリット制を考えます。
令和4年度のメリット制の適用において、収支率算定期間になるのは、平成30年度、令和元年度、令和2年度です。

この場合にメリット制の収支率算定期間の中にある確定保険料は、
 a.平成30年4月から平成31年3月までの、Aの保険関係の確定保険料
 b.平成31年4月から令和2年3月までの、Aの保険関係の確定保険料
 c.令和2年4月から令和3年3月までの、Aの保険関係の確定保険料
 d.平成30年9月から平成31年3月までの、Bの保険関係の確定保険料
 e.平成31年4月から令和元年6月までの、Bの保険関係の確定保険料
 f.令和元年12月から令和2年3月までの、Cの保険関係の確定保険料
 g.令和2年4月から令和2年10月までの、Cの保険関係の確定保険料
です。

しかし、現実のAの保険関係における令和4年度の継続事業のメリット制で収支率算定で使用するのはabcだけです。
defgは使用しません。

これはなぜかというと、簡単に言うと「それを使用する規定がないから」です。
defgを使用しないという、法令上の規定があるわけではありません。
メリット制の規定は、実を言うと継続事業の一括を意識して書かれていないんです。
ですから、BCの労働者がAの労働者とみなされて以降の、それらの者についての保険料と保険給付はメリット制の収支率算定の対象になりますが、BCの労働者がAの労働者とみなされる前の、収支率算定期間のそれらの者についての保険料と保険給付について、メリット制は何もしません。

令和2年や令和4年の問題は、この「使用する規定がないから使用しませんよ」ということを、継続事業のメリット制と一括の関係として取り上げ、文章化しただけです。
おそらくは通達か業務マニュアルにある文章だと思います。

令和4年の「継続事業の一括(一括されている継続事業の一括を含む。)」というのは、すでに一括を経ている継続事業と、別の継続事業の一括を指しますから上記の(2)です。

上記(2)の一括の過程にBは出てこないでしょう?
なぜ出てこないかというと、(1)の一括によりAとBの労働者は一括後のAの労働者とみなされ、Bの保険関係は(1)の時点で消滅しているからです。

令和4年の問題の「当該指定事業以外の事業に係る一括前の保険料」は、(2)の一括で言えばfとgです。

何が疑問なのでしょうか?




> そもそもこの問題は、継続事業の一括(有期事業の一括を含む。)と単に試験センターが書き間違えただけ

この可能性は、試験問題ですから絶対にないとは言いませんが、可能性は低いです。
理由は1回目の回答に書いているように、一括有期事業の保険関係は継続事業の一括の対象にならないのです。
一括有期事業の事務をする事業所が複数あったとして、一括の対象になる有期事業が開始し終了した場合に、その有期事業をどの事務所で処理するかは事業主の自由です。
有期事業ごとに処理する事務所が選べるのですから、使用したくない事務所の一括有期事業の保険関係は、確定精算して消滅させれば良いだけで、一括有期事業の保険関係を一括する意味がありません。

それに、もし書き間違えたなら「継続事業の一括(継続事業の一括を含む。)」になるはずです。
問題文のように「継続事業の一括(一括されている継続事業の一括を含む。)」にはなりにくいと思います。

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poo_zzzzz 2022-10-01 21:42:46

ご回答いただき、感謝申し上げます。
頂きました回答をベースに考えており、AとCの一括にBが関与しない点について理解しております。
私が論点としているのは、設問の「指定事業以外の事業」が指す事業はどれかという点です。理由は、これにより、解答が変わるためです。

分かりづらく大変申し訳ございませんが、
令和4年問9のA肢が、Cの一括を行った場合には〜(略)〜指定事業以外の事業に係る一括前の保険料〜(略)〜算入しない。
となっている所、
保険関係を考えた場合に、一括を行った場合には、指定事業以外の事業は存在しないので、いずれにせよ、一旦は、管理上の区分として読んでいることになります。そして、それらの事業に係る一括前の保険料等がメリット収支率の算定基礎にならない。となれば、管理上の区分の施行規則にもある指定事業以外の事業、いわゆる被一括事業は、BとCを指すものであり、Cの一括を行った場合Bは関係しないので誤文であるという解釈をしております。
ご説明を頂いております、AとCの一括にはBは関与しない点の理解が進み、問題文に当てはめている次第でございますので、ご回答頂いている内容は、例題等で分かりやすく、理解が進んでおり、ありがとうございます。内容を否定しているわけではなく、設問に当てはめた場合、誤文となるのではないか。という次第でございます。

前に申し上げた、一括を行う場合という意味に捉え、仮定の話で、一括前で、Cが未だに事業であるという解釈をした場合は別となりますが、行った場合という記載ベースで考えると、上述のように解釈する他ないという趣旨でございました。

誤解を招く内容であったことを改めてお詫び申し上げます。

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ajpumgj  2022-10-02 07:53:27

> 一括を行った場合には、指定事業以外の事業は存在しないので

一括により指定事業以外の事業の労働保険関係は消滅します。
そのことに、どんな不都合があるのでしょう?
保険関係が消滅したら、その消滅以降、その保険関係に係る保険料が過去にどうなっていて、未申告未納付分をどのように扱うか考えることができないのですか?
保険関係が消滅したら、その消滅以降、その保険関係に係る保険給付がどのようになっていたかを調べ、その数字をどうするか考えることができないのですか?
全く論理的ではありません。

あなたのお考えだったら、前回の回答で書いた(1)や(2)の継続事業の一括で、保険関係が消滅したBやCの事業の事業主は、どうやって確定保険料を申告し、納付するのでしょう?

一括により指定事業以外の事業の労働保険関係は消滅します。
この保険関係の消滅は、確定保険料の精算のときに起きるのではありません。

例えば(1)の一括であれば、法9条により、Bの保険関係は一括のときに消滅します。
例えば(2)の一括であれば、法9条により、Cの保険関係は一括のときに消滅します。

しかし、このBやCの精算すべき確定保険料は、「保険関係消滅の日から50日以内」に申告、納付します。(法19条)
これは、事業所が例えば廃業し、継続事業が廃止されて保険関係が消滅(法5条)した場合も同じです。
保険関係消滅後に、その消滅した保険関係に基づき保険料の取り扱いを「しなければならない」のです。
当然ですが、その確定保険料申告書や納付書には、消滅した保険関係の労働保険番号が記入され、事業所名は消滅した保険関係の廃止した事業所です。

もう一つ受験対策上重要な例をいうと、一括されていない有期事業は事業が終了すると保険関係が消滅します。(法5条)
しかし、工事現場で負傷者が出たような場合、保険関係の消滅後も、その消滅した保険関係に基づく保険給付がなされる場合があります。
そして、有期事業のメリット制が適用される場合は、事業が終了し、消滅した保険関係に基づく確定保険料の額が変更されます。(法20条)
この場合も終了した事業の、消滅した保険関係の確定保険料を扱っています。
これも学習されているはずです。

もう一度書きますが、継続事業の一括で、一括される事業の保険関係のうち、指定事業以外の事業の労働保険関係は消滅します。
しかし、その消滅した保険関係に基づいて、消滅後に保険料を納め、過去に納付された保険料や過去の保険給付に基づいて、徴収法の制度を論じることはできます。

このため、この消滅した保険関係を論じる場合に、消滅する保険関係の事業に呼び名が必要です。
それが「指定事業以外の事業」です。これは法9条の「厚生労働大臣が指定する一の事業」を指定事業とすれば用語として適切です。

労働局などのパンフでは、例えば神奈川労働局だと「「吸収される会社」は保険料の精算手続き(確定申告書の提出)が必要です。また、被一括事業として登録が残りますので、事務所がなくなる場合には別途認可の取消処理が必要です。」などとずいぶん砕けて書いています。

いずれにせよ、保険関係が消滅したとしても、その保険関係に呼び名を付けて、保険関係の消滅後も取り扱うことはでき、その必要もあるのです。



> いずれにせよ、一旦は、管理上の区分として読んでいることになります。

> 前に申し上げた、一括を行う場合という意味に捉え、仮定の話で、一括前で、Cが未だに事業であるという解釈をした場合は別となりますが、行った場合という記載ベースで考えると、上述のように解釈する他ないという趣旨でございました。

上に書いた理由で、これらの解釈や趣旨は、誤っています。
BやCの事業に係る保険関係が消滅した後も、BやCの事業について「保険関係」に基づき保険料や保険給付を取り扱い、制度を論じることができます。
そうでないと、徴収法の仕組みが機能しません。

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poo_zzzzz 2022-10-02 21:55:43

ご回答頂き、感謝申し上げます。

ご回答を引用させていただきます。

ご回答引用①
ただ、継続事業の一括のテーマは「労働保険関係」の一括です。
継続事業の一括があった場合、指定事業以外の事業は「労働保険関係が消滅」します。
そこには労働保険関係がありませんから、一括後は指定事業以外の事業は、労働保険関係における事業ではなくなります。

ご回答引用②
Bは事業の実体はあっても、そこに成立している労働保険関係がありませんから、法律上当然に、②の一括において「指定事業以外の事業」にはなり得ないのです。

ご回答引用③
一括される対象が「成立している労働保険関係」ですから、②においてAが指定事業であるとすれば、「指定事業以外の事業」はCだけです。

ご回答引用④
このため、この消滅した保険関係を論じる場合に、消滅する保険関係の事業に呼び名が必要です。
それが「指定事業以外の事業」です。これは法9条の「厚生労働大臣が指定する一の事業」を指定事業とすれば用語として適切です。

ご回答引用⑤
BやCの事業に係る保険関係が消滅した後も、BやCの事業について「保険関係」に基づき保険料や保険給付を取り扱い、制度を論じることができます。

私の最初の質問(引用)
Cの一括を行った場合は既にABの一括は行われており、Bはその際に設問の取り扱いがなされており、保険関係が消滅しているため、Cの一括を行った場合指定事業以外(BとC)の保険料や保険給付がメリット収支率の算定基礎にならないというのは、誤りだと思うのですが、いかがでしょうか。

①②③のご回答について
私が指定事業以外の事業とはB.Cを差すのではないか。とご質問させて頂いたところ、Cの一括を行った場合、Bは保険関係における事業ではないので、指定事業以外の「事業」になり得ない。指定事業以外の事業はCを指している。というご回答を頂いたので、設問の記載ベースで、Cの一括を行った場合の状態を考えたらCも同様であると解釈をしておりました。

④⑤のご回答について
消滅した保険関係を論じる場合に、「指定事業以外の事業」という用語が適切であり、BやCを論じることができるのであれば、私がご質問させていただいた内容と同様です。

ご回答の結論として、設問の「指定事業以外の事業」とは、保険関係上の事業を、指しているのではなく、保険関係が消滅した後に消滅する保険関係の事業の呼び名として使われる「指定事業以外の事業」という用語であり、BやCを論じることが出来る。ということあれば、①②③と今回頂きました④⑤の回答は矛盾しております。④⑤については、私がご質問させていただいた内容と同様の趣旨です。

また、私が継続事業の一括(有期事業の一括を含む。)の誤記なのではないか。とご質問させていただいたのは、有期事業同士の一括が行われている一括有期事業については、主として、保険料の申告やメリット制の規定について継続事業扱いをされるからであり、過去の問題でも、継続事業の一括(有期事業の一括を含む。)という表現は繰り返し使われておりますので、総合的に判断し、正の肢とするのであれば、継続事業の一括(有期事業の一括を含む。)ではないか。という内容です。

私の質問の内容や文章が誤解を与えるものであった場合は、申し訳ございませんが、私は頂いた回答を問題文に当てはめて解釈しています。

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ajpumgj  2022-10-03 07:41:15

今回書かれたことについては、後でコメントします。
もう一度時系列で説明します。

A、B、Cの継続事業があります。この時点で、それぞれの事業に継続事業の一括はありません。

A事業の保険関係とB事業の保険関係が、A事業を指定事業として継続事業の一括をしました。
これを「1回目の一括」と呼びます。

【法9条を再度抜粋して引用】
この法律の規定の適用については、当該認可に係る二以上の事業に使用されるすべての労働者は、これらの事業のうち厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業に使用される労働者とみなす。この場合においては、厚生労働大臣が指定する一の事業以外の事業に係る保険関係は、消滅する。

注:「厚生労働大臣が指定する一の事業」が指定事業です。

法9条がこのようになっていますから、この時点で、A事業とB事業の労働者は、徴収法上の保険関係においては、指定事業であるA事業の労働者とみなされます。

徴収法上の保険関係としては、B事業の労働者が全員A事業に転勤して、B事業には労働者がいなくなって、A事業だけになったかのように考えるのです。

それと共に、指定事業であるA事業以外の事業である、B事業の保険関係は消滅します。

徴収法上の保険関係としてはB事業の保険関係は消滅しますから、1回目の一括以降、徴収法上は、A事業の保険関係だけが残ります。

このようになっているため、1回目の一括以降、徴収法で「A事業の保険関係」という場合の「A事業」は、実体としてのA事業ではありません。

1回目の一括後の「A事業」は、実体としてのA事業と、実体としてのB事業の、2つの事業の労働者によって構成される、「一括による概念上の事業」である「A事業」を指します。

おそらくここが、今回のご質問の一番のキモです。



次にA事業の保険関係とC事業の保険関係が、A事業を指定事業として継続事業の一括をしました。
これを「2回目の一括」と呼びます。

2回目の一括で、A事業とC事業の労働者は、徴収法上の保険関係においては、指定事業であるA事業の労働者とみなされます。

それと共に指定事業であるA事業以外の事業の保険関係は、消滅します。

ここで気をつけていただきたいのは、指定事業である「A事業」は、この2回目の一括の時点では、もうすでに実体としての「A事業」ではないということです。

2回目の一括時点での「A事業」は、実体としてのA事業と、実体としてのB事業の、2つの事業の労働者によって構成される、「一括の概念上の事業」である「A事業」に「なってしまっている」のです。

ですから、この2回目の一括においで保険関係が消滅する「指定事業以外の事業」は、法律上当然に、C事業だけなのです。



令和4年の問題には、「一括されている継続事業の一括を含む」とあります。
これは、上記の2回目の一括の状況です。

あなたの最初のご質問は、この2回目の一括において、「指定事業以外の事業」は、C事業だけではなく、B事業も含まれるから、問題文が誤っているのではないか?というものでした。

これは違います。問題文は正しいです。

もう一度書きますが、上記の2回目の一括の時点では、「A事業」は、実体としてのA事業と実体としてのB事業の、2つの事業の労働者によって構成される、1回目の一括による概念上の「A事業}を指します。

ですから、2回目の一括における「指定事業以外の事業」は、「法律上当然」に「C事業」しかありません。





これを説明するために長々と書いてきましたが、なかなか理解していただけなくて困惑しています。
最初の回答で「その後AとCを一括する場合、この時点で徴収法上Bは事業ではなく、すでにAの一部ですから、AとCの一括にBは関係しません。」と簡明に書いたのですが・・・

初めの方で「継続被一括事業名称・所在地変更届」の話をしたのがまずかったのでしょうか?
継続事業の一括後も、一括によって保険関係が消滅した事業も実体としては残りますから、住所や名称が変更されたら届出が必要ですし、例えば業種が変わったら一括から外す必要がありますから、そういった対応のために、管理上残しておくための届です。
ですからここで出てくる「被一括事業」は、今回の問題とは関係ありません。
細かいことを書きすぎて混乱させてしまったのであれば、お詫びします。

また、最初の方の回答で、私は事業と、事業の保険関係を区別せずに書いています。
労災保険法3条が「労働者を使用する事業を適用事業」とし、雇用保険法5条が「労働者が雇用される事業を適用事業」としていて、徴収法5条及び6条が「その事業が開始された日」に保険関係が成立するとしていて、これは何らの手続無しに法律上当然に保険関係が成立します・
このため一般的な受験対策で、制度を簡単に説明する程度であれば、事業と事業の保険関係を厳密に区別する必要はあまり感じません。
しかしどうやらそのあたりも理解を妨げているようなので、途中から、事業と、事業の保険関係を区別するように心がけました。
このあたりも分かりにくくなった原因であれば、お詫びします。

また「労働保険の保険関係」の呼び方を「労働保険関係」としていたのを、途中から徴収法3条に合わせて「保険関係」にしましたが、混在しているコメントもあります。





さて、徴収法上の「事業の一括」について。
徴収法上の「事業の一括」は、実体としての事業はそのままに、事業の「保険関係を一括」するものです。

「請負事業の一括」の目的は、徴収法上の保険関係を、労基法の適用に合わせることです。
建設事業における請負関係の災害補償義務は、労基法上は元請人にありますから、それに徴収法上の保険関係を合わせています。

「継続事業の一括」「有期事業の一括」の目的は、そういった法令上の必要性によるものではありません。
「継続事業の一括」「有期事業の一括」の目的は、単なる事務処理の簡便化です。

継続事業で言うと、ある会社に本社と5つの営業所があれば、労働保険料の申告と納付は、別々の場所で合計6枚の申告書を書き、6回納付しなければなりません。3回の延納があれば、納付は18回です。
継続事業で、本社を指定事業として一括すれば、労働保険料の申告と納付は、本社で1枚の申告書を書き、1回納付したら終わりです。
事務処理を簡便にするために、実体としては別々のいくつかの事業を、一括後はあたかも一つの事業のように扱って、それを、徴収法上の一つの保険関係にしてしまうのです。

一括の目的がそこにありますから、一括された後の保険関係における「事業」が、実体の事業を指すのではなく、実体を離れた概念的な存在であるのは、一括の趣旨からいって当然です。
架空の事業を作って、その架空の事業の保険関係で全部やっちゃおう!というのが継続事業の一括の目的ですからね。
おそらくあなたは、そこが理解できていなかったのだと思います。





今回のあなたのコメントについて。

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ご回答の結論として、設問の「指定事業以外の事業」とは、保険関係上の事業を、指しているのではなく、保険関係が消滅した後に消滅する保険関係の事業の呼び名として使われる「指定事業以外の事業」という用語であり、BやCを論じることが出来る。ということあれば、①②③と今回頂きました④⑤の回答は矛盾しております。④⑤については、私がご質問させていただいた内容と同様の趣旨です。


引用①②③
ただ、継続事業の一括のテーマは「労働保険関係」の一括です。
継続事業の一括があった場合、指定事業以外の事業は「労働保険関係が消滅」します。
そこには労働保険関係がありませんから、一括後は指定事業以外の事業は、労働保険関係における事業ではなくなります。

Bは事業の実体はあっても、そこに成立している労働保険関係がありませんから、法律上当然に、②の一括において「指定事業以外の事業」にはなり得ないのです。

一括される対象が「成立している労働保険関係」ですから、②においてAが指定事業であるとすれば、「指定事業以外の事業」はCだけです。

引用④⑤
このため、この消滅した保険関係を論じる場合に、消滅する保険関係の事業に呼び名が必要です。
それが「指定事業以外の事業」です。これは法9条の「厚生労働大臣が指定する一の事業」を指定事業とすれば用語として適切です。

BやCの事業に係る保険関係が消滅した後も、BやCの事業について「保険関係」に基づき保険料や保険給付を取り扱い、制度を論じることができます。
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この①②③と、④⑤には何の矛盾もありません。

今回の説明の「1回目の一括」「2回目の一括」を使います。
・ 1回目の一括でA事業が指定事業であるから、「指定事業以外の事業」であるB事業の保険関係は消滅する
・ 2回目の一括でA事業が指定事業であるから、「指定事業以外の事業」であるC事業の保険関係は消滅する
・ 1回目の一括によりB事業の保険関係は消滅し、B事業の保険関係は2回目の一括の対象にならないから、2回目の一括の「指定事業以外の事業」はC事業だけであり、B事業はこれに含まれない。
これが①②③です。

これに対して、④⑤は、
・ 1回目の一括のB事業と、2回目の一括のC事業の保険関係は、それぞれの一括と同時に消滅する。
・ しかし、保険関係が消滅しても、その消滅した保険関係を法令上取り扱えなくなることはなく、また取り扱う必要がある。
・ 具体的な例としては、保険関係消滅後、50日以内の確定保険料の納付等。
・ この場合に消滅した保険関係やそれに係る事業に適切な呼び名を付ける場合があり、例としては「指定事業以外の事業」がある。
という説明です。

令和4年労災問9Aは、「当該指定事業以外の事業に係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は当該指定事業のいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない」となっています。
メリット制の収支率を扱う場合の一括前の事業の保険料や保険給付について、一括により消滅した事業を「当該指定事業以外の事業」と呼んで、それに係る保険料や保険給付を論じているのですが、これと①②③に、どんな矛盾があるのですか?
わたしには理解できません。

もう一度書くと、1回目の一括後の「A事業」は、実体としてのA事業と、実体としてのB事業の、2つの事業の労働者によって構成される、「一括の概念上の事業」である「A事業」です。

同じように、2回目の一括後の「A事業」は、1回目の一括による概念上のA事業と、実体としてのC事業の、2つの事業の労働者によって構成される、「一括の概念上の事業」である「A事業」です。
「2つの事業の労働者」とかいていますが、これは、2回目の一括の前の「A事業」は、1回目の一括によりすでに概念的なものになっていて、そこには、実体としてのA事業と、実体としてのB事業の労働者が共に含まれているからです。

ですから2回目の一括はA事業とC事業の2つの保険関係の一括ですが、2回目の一括後の「A事業」は、実体としてのA事業と、実体としてのB事業と、実体としてのC事業の、3つの事業の労働者によって構成される、新たな概念的な「A事業」になります。

おそらくですが、あなたは、2回目の一括について、A事業とB事業をバラバラにし、A事業を指定事業として、B事業とC事業を指定事業以外の事業として一括するイメージを抱いておられるのではないかと思います。

これは違います。一度行った一括を、次の一括前にバラバラにしたりしません。
2回目の一括は、1日目の一括により実体とは異なる概念上の事業となった「A事業」(実体としてのA事業と、実体としてのB事業の労働者が共に含まれている)と、C事業の一括に過ぎません。





一括有期事業のイメージについて

一括される有期事業を開始する際に、一括有期事業の事務処理を行う事務所を決めます。
この事務所は、それ自身が継続事業ですが、その事務所に、継続事業の保険関係とは別に、一括有期事業の保険関係が成立します。
この一括有期事業の保険関係成立の用紙は継続事業と同じ用紙で、手続も継続事業とほぼ同じで、その後の保険料の申告納付も、書類が多いことを除けばほぼ同じです。

この一括有期事業の事務処理を行う事務所は、必ずしも一箇所である必要はありません。
特に改正前は有期事業の場所に制限があり、例えば大阪の事務所で鳥取の有期事業は扱えるが島根の有期事業はダメとかだったため、全国展開の建設会社の場合、同じ事業の種類の一括有期事業の保険関係を処理する事務所を、複数の支店に置くことに意味がありました。
今はこの制約はないですが、同じ事業の種類の一括有期事業の保険関係を処理する事務所が複数あっても構いません。

仮にA支店とB支店が、同じ事業の種類の一括有期事業の保険関係を処理する事務所になっていたとしましょう。
この各支店の「一括有期事業の保険関係」を、有期事業をまとめるための各支店一つずつの「箱」だと思ってください。

今は地域の制約がないですから、一括される有期事業が開始されたときに、その労働保険関係を、A支店の箱に入れてもB支店の箱に入れても構いません。
「B支店で事務処理するのは人が少なくて大変だから、全部A支店でやって貰おう」と思うなら、日本全国の小規模有期事業を、すべてA支店の「箱」に入れればいいだけです。
そして必要であれば、B支店の一括有期事業の保険関係を確定精算し、保険関係を消滅させればいいだけです。

このように、事務処理を一元化したければ、特定の一括有期事業の保険関係だけを利用すれば良いだけですから、一括された有期事業同士を、さらに継続事業として一括することには意味がありません。
制度も想定していないはずですし、実務でもできないと思います。





「一括有期事業を含む」について。

テキストには「一括有期事業を含む」とありますし、試験でもそれは出ますが、法令上これは「当然のこと」です。

これはなぜかというと、法7条において「有期事業」の定義が「事業の期間が予定される事業」であり、一括の要件に「それぞれの事業が、他のいずれかの事業の全部又は一部と同時に行なわれること」があり、さらに一括後は「その全部を一の事業とみなす」からです。
他の有期事業と重なって行われる有期事業を全て束ねて、「その全部を一の事業とみなす」のですから、一括後は「事業の期間が予定される事業」ではなくなってしまい、有期事業ではなくなってしまうのですね。

そして、徴収法上、「継続事業」という用語はありません。
「継続事業」が出てくるのは、法9条と則10条の「見出し」と、用紙の名前だけです。
このため、テキストでも試験問題でも出てくる「継続事業」は、法令の段階で言えば「いわゆる継続事業」です。
つまり、有期事業以外の事業は全て継続事業なのです。

このため、一括有期事業は、法令の構成上そうではない場合や、特に条件を付けた場合を除き、何も書いていなくても継続事業と同じ扱いを受けます。
でもそれでは分かりにくいですから、テキストなどでは「一括有期事業を含む」と書かれています。

試験問題において「一括有期事業を含む」と書いてあるのは、多くの問題でメリット制の適用がテーマです。
一括有期事業を除く継続事業と、一括有期事業では、適用の条文が同じであり、メリット制の制度の構造はほぼ同じです。
このため、一括有期事業を含めた問題が作りやすいのですが、しかし条文は同じであっても要件や計算は異なります。
法令の構成上、異なる部分があるのです。
このため、単に「継続事業のメリット制」とすると混乱を招くおそれがあり、「継続事業のメリット制(一括有期事業を含む)」になります。

令和4年労災問9Aは、「継続事業の一括」の場合の「メリット制の収支率計算」がテーマですから、このような断り書きは要りません。
要らない理由は後で書きます。





令和4年労災問9Aは、「継続事業の一括(一括されている継続事業の一括を含む。)を行った場合には」でした。

これを「継続事業の一括(有期事業の一括を含む。)を行った場合には」とすると、問題が成り立ちません。
法9条の継続事業の一括を考える場合に、法7条の有期事業の一括を含めて考えようとしても、内容や要件が違いすぎて、何のことだか分からなくなりますし、有期事業の一括においては、指定事業も指定事業以外の事業もありませんからね。
ですから「継続事業の一括(有期事業の一括を含む。)を行った場合には」とすることは、めちゃくちゃな問題を作る意図がある場合を除き、あり得ません。

次にこれを「継続事業の一括(一括されている有期事業の一括を含む。)を行った場合には」と読んでみましょう。
一括有期事業の保険関係は、先に述べたように、事務処理を行う継続事業の事業所で、その事業所の継続事業の保険関係とは別に成立します。
また、継続事業の一括は、事業の種類が同じでないと行えませんから、一括有期事業以外の継続事業と、一括有期事業を組み合わせて、継続事業の一括を考えることはできません。
このため「一括されている有期事業の一括」は、一括有期事業に係る保険関係同士で、継続事業の一括をする場合に限られます。
先に書いたように、一括有期事業の保険関係同士を、さらに一括させる利点はありません。
法令上、これを明示で除く規定は無いように思いますが、継続事業の一括は「事務処理の簡便化」のための制度です。
明示で除く規定がないのは、一括の利点がないから想定する必要が無いだけで、法令はこれを想定していないと思いますし、実務上も手続きできないと思いますから、これを問う出題をしてくる可能性は相当に低いと思います。

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poo_zzzzz 2022-10-03 15:57:57

ご回答いただき、感謝申し上げます。

ご回答引用
1回目の一括後の「A事業」は、実体としてのA事業と、実体としてのB事業の、2つの事業の労働者によって構成される、「一括による概念上の事業」である「A事業」を指します。


「一括による概念上の事業」である「A事業」をXとおきます。

更にXとCを一括した事業を、「一括による概念上の事業」である「X事業」をYとおきます。

XとCの一括を行った場合には、(略)
労災保険に係る保険関係の成立期間は、一括の認可の時期に関係なく、当該指定事業(X)の労災保険に係る保険関係成立の日から起算し、当該指定事業(X)以外の事業(C)に係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は当該指定事業(X)のいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。

ご回答頂いたとおりに当てはめると、
XとCの一括を行った場合には、「一括による概念上の事業」であるYが成立しているのですから、Yのいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しないではないとXとCの一括を行った場合Xが残っていることになるので、前提の話と矛盾いたしますので誤りです。

法令は、保険関係は、管理区分上は、厚労省パンフでは、届出では、実体は用語の解釈は多様にあるのは分かるのですが、それを全部持ち出していたら切りがありません。今回は、概念上はということでしたが、さすがに曲解です。

ご回答をいただき、ご説明を頂きましたことについて感謝申し上げます。
また、質問者、回答者様、お互いにとってこれ以上のディスカッションのメリットが感じられません。また、私としても、ご回答者様のお時間を奪ってしまうことが、心苦しい限りです。ですのでこれ以降のご回答は不要になりますのでご承知おきください。
ありがとうございました。

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ajpumgj  2022-10-03 21:02:45

法9条に「この法律の規定の適用については、当該認可に係る二以上の事業に使用されるすべての労働者は、これらの事業のうち厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業に使用される労働者とみなす。」とありますね。 注:厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業が「指定事業」


これにより、一括後の指定事業は、実際に存在する事業単位ではなく、一括の対象になった事業の全ての労働者を使用する一つの事業とみなされるのです。
この一括によりみなされた指定事業を、「概念上の事業」と申し上げたのですが、表現がおかしいですか?
別の場所にある複数の事業の労働者を、一つの場所で使用しているようにみなすのですから、概念上の事業という表現は間違っていないと思いますが・・・
これを「曲解」と言われるのは心外です。

それとも、法律上の「みなす」の意味から説明しないとダメですか?



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「一括による概念上の事業」である「A事業」をXとおきます。

更にXとCを一括した事業を、「一括による概念上の事業」である「X事業」をYとおきます。

XとCの一括を行った場合には、(略)
労災保険に係る保険関係の成立期間は、一括の認可の時期に関係なく、当該指定事業(X)の労災保険に係る保険関係成立の日から起算し、当該指定事業(X)以外の事業(C)に係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は当該指定事業(X)のいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。

ご回答頂いたとおりに当てはめると、
XとCの一括を行った場合には、「一括による概念上の事業」であるYが成立しているのですから、Yのいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しないではないとXとCの一括を行った場合Xが残っていることになるので、前提の話と矛盾いたしますので誤りです。
------------------------------------------

概念上であってもA事業は、A事業です。
これをXやYに置き換えるから、お書きのような解釈できるように見えますが、これこそ議論のための曲解としか言いようがありません。

(a) A事業を指定事業として、A事業とB事業を一括した際に、A事業とB事業の労働者はA事業で使用される労働者とみなされ、B事業の保険関係は消滅します。
(b) A事業を指定事業として、A事業とC事業を一括した際に、A事業とC事業の労働者はA事業で使用される労働者とみなされ、C事業の保険関係は消滅します。

A事業、B事業、C事業は、本来異なる事業ですから、それぞれの労働者は別の事業所で働いています。これは一括後も変わりません。

しかし(a)の一括後は、A事業とB事業の労働者は、A事業で使用される労働者とみなされるのです。
以前の回答で例えましたが、B事業の労働者が全員A事業に転勤し、B事業に労働者がいなくなるイメージです。
残るのはA事業ですが、実際には別の場所で使用されるB事業の労働者もA事業で使用しているようにみなされますから、この一括後のA事業は実際に存在するA事業ではなく、概念的な存在です。
しかし、徴収法上「みなす」と言っている以上、徴収法上の保険関係では、これが一括後のA事業なのです。

同じように、(b)の一括において、A事業とC事業の労働者は、A事業で使用される労働者とみなされるのです。
C事業の労働者が全員A事業に転勤し、C事業に労働者がいなくなるイメージです。
このときにB事業を考える必要はありません。
(a)の一括の際のみなしによって、(b)の一括前のA事業は、すでにA事業とB事業の労働者が使用されているとみなされたA事業だからです。
残るのはA事業ですが、実際には別の場所で使用されるC事業の労働者もA事業で使用しているようにみなされますから、この一括後のA事業も実際に存在するA事業ではなく、概念的な存在です。
しかし、徴収法上「みなす」と言っている以上、徴収法上の保険関係では、これが一括後のA事業なのです。

このように、徴収法上のみなしによって、A事業は実在するA事業ではなく、概念上の存在になり、その内容も変化しますが、徴収法上「みなす」のですから、あくまでA事業のままです。
法9条もそのように書かれていますし、また、継続事業の一括は事務簡便化のために複数の事業を1つの事業にまとめて取り扱うためのものですから、そうでないと事務簡便化になりません。
一括するたびに、別の事業の発生を考えていたら、より多くの保険関係の消滅が伴いますし、新たな保険関係の成立や新たな保険料の申告納付が伴いますからね。
すでにある事業に、他の事業の労働者が転勤してきて、単に労働者の数が増えたものであるかのように扱えば、保険関係の消滅は最少で済み、増加概算保険料の申告納付で済みます。

実在する、とか、概念上とか、難しいことを言わず、乱暴な表現を許していただくなら、継続事業の一括は、乱暴に言うと指定事業(A事業)の人数が増えるだけのことです。
ですから、A事業はA事業のままです。
これをXやYに置き換え、別のものとして扱おうとするから、おっしゃるような論が成り立つようにみえますが、A事業はA事業のままなのですから、これは論理的ではなく、議論のための理屈にすぎないと思います。

そもそも私が「概念上の事業」という言い方を持ち出したのは、議論のためではありません。

・ 上記の(b)において一括前のA事業は、A事業とB事業の労働者が使用されているとみなされたA事業である。
・ だから(b)の一括において「指定事業以外の事業」はC事業だけであり、B事業は考える必要がない。
この継続事業の一括の基礎的事項を、あなたが理解されていないからです。

このため、「A事業とB事業の労働者が使用されているとみなされたA事業」を「概念上の事業」と説明しただけです。



> ですのでこれ以降のご回答は不要になりますのでご承知おきください。

これはあなたが一方的に決める事ではありません。
あなたがコメントされないのは、マナーの問題を別にすればあなたの自由です。
しかし、あなたが私のコメントを一方的に制限することはできません。

私は過去に10年以上受験対策校で講師をしており、辞めた後も10年以上社労士試験の択一を解き続けていて、試験内容にはそれなりの知識があります。
歳ですから物忘れは激しいですが・・・
また、同じく20年以上、労働保険の保険関係の成立や一括、保険料の申告納付を実務で行ってきています。

だから私に間違いはない、とは言いませんが、その中から得た知見を傾けてコメントしています。
議論のための理屈で「誤りです」とか「曲解」といわれるだけでも心外ですのに、さらにあなたにコメントを制限されるいわれは無いと思います。

参考になった:2

poo_zzzzz 2022-10-03 22:48:33

最後に令和4年労災9Aをもう一度検討しておきます。
前回の回答に書いた例を使い、A事業とB事業の一括(a)があり、その後に、A事業とC事業の一括(b)があるものとします。

(a)の一括についてのメリット制を考えた場合
継続事業の一括を行った場合には、メリット制に関して、労災保険に係る保険関係の成立期間は、一括の認可の時期に関係なく、当該指定事業(A事業)の労災保険に係る保険関係成立の日から起算し、当該指定事業以外の事業(B事業)に係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は、当該指定事業(A事業)のいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。

(b)の一括についてのメリット制を考えた場合
一括された継続事業について継続事業の一括を行った場合には、メリット制に関して、労災保険に係る保険関係の成立期間は、一括の認可の時期に関係なく、当該指定事業(A事業)の労災保険に係る保険関係成立の日から起算し、当該指定事業以外の事業(C事業)に係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は、当該指定事業(A事業)のいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。

論理的に何の問題もありません。

(a)の一括によって、A事業で使用される労働者と、B事業で使用される労働者は、共に、A事業で使用される労働者とみなされます。
ですから、その後にA事業とC事業が一括される際のA事業は、A事業とB事業の2つの事業で使用される労働者が使用されているものとみなされている、A事業です。
このため、「(b)の一括についてのメリット制を考えた場合」の、「当該指定事業以外の事業(C事業)」を「当該指定事業以外の事業(B事業及びC事業)」とは考えることができないのは、もう何度も説明した通りです。

また、「継続事業の一括を行った場合」であるか「一括された継続事業について継続事業の一括を行った場合」であるかは、問題の正否に関係ないことも解ると思います。



ついでに法9条も、(a)の一括の例で検討しておきます。

法9条
事業主が同一人である二以上の事業(有期事業以外の事業に限る。)であって、厚生労働省令で定める要件に該当するものに関し、当該事業主が当該二以上の事業(A事業及びB事業)について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることにつき申請をし、厚生労働大臣の認可があったときは、この法律の規定の適用については、当該認可に係る二以上の事業(A事業及びB事業)に使用されるすべての労働者は、これらの事業のうち厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業(A事業(指定事業))に使用される労働者とみなす。この場合においては、厚生労働大臣が指定する一の事業以外の事業(B事業(指定事業以外の事業))に係る保険関係は、消滅する。

・ A事業及びB事業に使用されるすべての労働者は、A事業(指定事業)に使用される労働者とみなす。
・ この場合においては、B事業(指定事業以外の事業)に係る保険関係は、消滅する。
継続事業の一括の法律上の効果はこの2点です。

新しい事業が成立するとは言っていないでしょう?
それどころか、A事業及びB事業に使用されるすべての労働者は、A事業に使用される労働者とみなすと言っています。
このため、一括後は、A事業の保険関係が残ります。

しかし、この(a)の一括後のA事業は、A事業及びB事業に使用されるすべての労働者が使用されている、A事業です。
このため、一括前の実際に存在するA事業とは異なり、徴収法のみなしによる概念的な存在になります。
しかし、A事業はA事業です。新しい事業の成立がないのですから、X事業やY事業を考えることはできません。
A事業の人数が増えただけ、と考えると解りやすいと、私が言うのは、このためです。

また、何度も書きますが、法9条がこのようになっているため、(b)の一括においてC事業を一括するA事業は、A事業及びB事業に使用されるすべての労働者が使用されている、A事業です。

ですから、(b)の一括において、「指定事業以外の事業」に、B事業の存在を考える必要はありません。
それどころか、ここで「指定事業以外の事業」としてB事業を考えると、このときすでにB事業の労働者はA事業に使用されているものとみなされていますから、いわばA事業に含まれている事業を「指定事業以外の事業」とすることになり、矛盾があります。
また、B事業の保険関係は消滅しており、一括の対象にはならないので、法律上の観点でも「指定事業以外の事業」考えることはできません。


さて、(a)の一括によって、A事業及びB事業に使用されるすべての労働者が使用されているとみなされた、A事業になり、そのみなされたA事業について、さらに(b)の一括によって、A事業及びC事業に使用されるすべての労働者が使用されているとみなされた、A事業になります。

このため、(b)の一括後は、A事業、B事業及びC事業の3つの実在する事業に使用される、すべての労働者が使用されているとみなされた、A事業が残ることになります。

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poo_zzzzz  2022-10-04 00:25:33

ご回答頂くことについて、感謝申し上げます。最後に、ご回答者様のために記載させていただきます。

今回いただきましたご回答は、私の考えと同様です。

A+B
これはBを内包したA指定事業です。

A+C
Bを内包したAを指定事業はBとCを内包するA指定事業になりました。
一括が行われたのはあくまでAとCです。ただ、AはBも内包しています。

例題を使いますが、その前に国語としての助動詞の意味を確認します。これは、私が申し上げたことですが、明確にさせてください。

設問は「行った」場合にはです。

昨日、試験を行った(過去)
今、試験を行った(完了)

この2つと
試験を行う(意志、未来)

明確に違います。

では次に、

①今、試験を行った場合には、マークシートは塗りつぶされている。

②試験を行う場合には、マークシートは塗りつぶされている。

マークシートの状態が異なります。
①は試験が終わっているから、マークシートが塗りつぶされているので良いですが、②は試験が終わっていないから、マークシートは塗りつぶされていないので誤りです。

では、設問は、「行った」場合には、ですので、過去もしくは完了です。おのずと設問の一括は、過去もしくは、完了しているということになります。

つまり、設問では、BはAに内包されていて、CはAに内包されていない。のではなく、BもCもAに内包されていることが確定します。そしてその後に出てくる用語は全て、一括が完了した際の状態で考えるということです。
つまり、指定事業とはA(BとCが内包)であり、指定事業以外はBとCで確定です。

ですので、この問題は徴収法上の規定を設問に当てはめると、誤りということです。なので、正しいかと言われたら誤りになるというのが結論です。

例題
A東京本社は、大阪にB支店を作った。その時、A本社はA本社を指定事業として、B支店を一括した。
その後、A本社は、事業拡大のため、名古屋にC支店を作った。その時A本社は、A本社を指定事業として、C支店を一括した。
指定事業以外の事業とはどれか。

答 C

回答者様の助動詞の解釈であれば、正解はCになります。
回答者様は、先程の助動詞のご説明で申し上げたましたが、先行の一括を(過去、完了)と読み、次の一括を(意思、未来)で読まれている。なので大阪支店の保険関係は消滅し、事業ではなく、名古屋支店はまだ、保険関係は消滅しておらず、事業である。だから指定事業以外の事業は名古屋支店だけである。という様に解釈されております。こう考えないと回答者様のご回答は説明がつかないと申し上げた次第ですが、どちらの一括も(過去もしくは完了)なのは疑いようがありません。

ここまで、ご説明させていただきましたが、例題の回答がCであると言うのなら、私は議論しません。なぜなら、徴収法の議論ではなく、助動詞の解釈の問題であるからです。
以降ご回答いただくのであれば、上記の例題の回答がCもしくはBとCのどちらなのかについて考えていただきたいです。そして例題の回答がBとCであることにご納得頂けるのであれば、これ以降の回答は不要となります。
つまり議論の余地がないということです。回答者様がCと言うのであれば、私は上記の理由により、議論しませんし、BとCでご納得いただけるのであればそれが私の結論と同意です。

以降ご回答頂くのであれば、上記例題の引用と、回答者様が考える回答を文頭に記載お願いします。理屈やそれは違うなどは不要です。例題に多少難があっても、出題されたものとして、解答がCなのかBとCなのか記載をお願いします。それ以降、理由等をご回答頂いた場合でも私は読まないことを先に申し上げます。なぜなら、この例題に対する解答が全てだからです。

Cと書いてあれば、私は返信しないことを先に申し上げておきますし、BとCならば、議論の終了を意味しますので、こちらについても返信はいたしません。また、他のことを書かれた場合でも、論点逸しと判断し、返信いたしません。

なぜ、このように申し上げるのかと言うと、これで、それは違う、概念は〜実態は〜という話であれば同じことになってしまうためです。私にとってもご回答者様にとっても同じ議論を繰り返すことに意味はありません。私と回答者様の認識の違いは助動詞の解釈だけです。徴収法上の議論ではありません。私のためでもありますが、ご回答者様のためでもあります。議論の終結のためよろしくお願いします。

ご回答者様は、10年以上予備校で講師をされており、また実務もされているとのことで、説明が詳しく、深い理解が出来たことに疑いようはありません。また、質問広場で、受験生にアドバイスや法令の解説をしていただいていることに頭があがりません。改めて感謝申し上げます。この度は誠にありがとうございました。

投稿内容を修正

ajpumgj  2022-10-04 08:24:04

ここは、社労士受験のための掲示板です。
言い換えれば、社労士試験の問題をどのように読み、解釈し、他の肢と比較して「正解として扱われる肢」を選ぶ能力、及びそれに必要な知識を身に付ける学習方法を論じる場です。
場違いな議論ですが、例題自体は受験に関係あるので回答しておきます。

例題
A東京本社は、大阪にB支店を作った。その時、A本社はA本社を指定事業として、B支店を一括した。
その後、A本社は、事業拡大のため、名古屋にC支店を作った。その時A本社は、A本社を指定事業として、C支店を一括した。
指定事業以外の事業とはどれか。

(1)
A東京本社は、大阪にB支店を作った。その時、A本社はA本社を指定事業として、B支店を一括した。

A本社とB支店の一括により、徴収法上は、A本社と労働者とB支店の労働者はすべてA本社で使用される労働者とみなされます。
この場合、B支店の保険関係は消滅します。
「みなされる」ですから、この一括後は、徴収法上の事業としてA本社しか存在しません。

(2)
その後、A本社は、事業拡大のため、名古屋にC支店を作った。その時A本社は、A本社を指定事業として、C支店を一括した。

A本社とC支店の一括により、徴収法上は、A本社と労働者とC支店の労働者はすべてA本社で使用される労働者とみなされます。
この場合、C支店の保険関係は消滅します。
「みなされる」ですから、この一括後は、徴収法上の事業としてA本社しか存在しません。

この(2)において「指定事業以外の事業」を考える場合、あきらかにC支店だけであり、B支店を含めることはできません。
理由は先に書いたとおり、(1)の一括によって、徴収法上は、A本社と労働者とB支店の労働者をすべて使用するの事業がA本社になってしまっています。
このため、(2)の一括において、「指定事業」はA本社であり、「指定事業以外の事業」はC支店だけです。



あなたはこの私の見方を、(1)の一括を(過去、完了)と読み、(2の一括)を(意思、未来)で見ているからで、だからC支店を「現在保険関係のある事業」として、「指定事業以外の事業」として扱うことができるのだと言い、しかし(1)も(2)も(過去、完了)なのだから、そうではない、と、いっておられます。

私はそんなことを説明していませんし、論点とも考えていません。
なぜ、「今現在、保険関係のある事業」として、「指定事業以外の事業」として扱う必要があるのですか?

私は以前の回答で、「BやCの事業に係る保険関係が消滅した後も、BやCの事業について「保険関係」に基づき保険料や保険給付を取り扱い、制度を論じることができます」と書いたではないですか?

そう考えないと、有期事業が完了した時点ですでに消滅した有期事業の保険関係について、保険関係消滅後50日以内に有期事業の確定保険料を申告納付する、という徴収法の極めて基本的な事項が説明できません。

令和4年労災問9Aにおいても、「今現在、保険関係のある事業」として「指定事業以外の事業」を扱う必要はありません。

「過去に保険関係のあった事業」である「指定事業以外の事業」として扱うことに、何の問題もありません。



また、令和4年労災問9Aに限って言うと、「当該指定事業」や「当該指定事業以外の事業」と言っています。
この「当該」は「継続事業の一括における」という意味ですから、この問題の「当該指定事業」や「当該指定事業以外の事業」は、過去に行った継続事業の一括のときの法9条の用語と解釈すべきです。

このため、この問題で「当該指定事業以外の事業」は、「継続事業の一括が行われたときの指定事業以外の事業であった事業」と考えるべきです。

(過去、完了)や(意思、未来)を論じても、先に書いたように「過去に保険関係のあった事業」として「指定事業以外の事業」は扱えますが、問題文に「当該」がある以上、この問題文は継続事業の一括が行われたときの法9条に基づいて書かれており、(過去、完了)や(意思、未来)を論じること自体がおかしいと思います。



以下は余談です。

例題
継続事業の一括を行った事業の事業主は、当該指定事業以外の事業の保険関係について確定保険料を申告し、すでに納付した労働保険料の額が確定保険料の額に足りないときは、その不足額を納付しなければならない。

この問題は、一般的に言って、正ですか?誤ですか?

この問題を正であるとして、次の状況を論じてみましょう。

A事業とB事業は、A事業を指定事業として、平成25年4月10日に継続事業の一括を行った。
A事業とC事業は、A事業を指定事業として、令和4年9月25日に継続事業の一括を行った。

すでに完了している一括ですから、共に過去の状況です。
あなたの論であると、令和4年11月4日までに確定保険料を申告する「当該指定事業以外の事業」は、B事業とC事業になりますが、そうですか?

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poo_zzzzz 2022-10-04 11:25:46

ロ 継続事業の一括の認可に係る事業のうち指定を受けた事業(以下「指定事業」という。)以外の事業(以下「被一括事業」という。)を的確に把握しておく必要があるため、被一括事業の名称又は所在地に変更があった場合は、遅滞なく、継続被一括事業名称・所在地変更届を指定事業を管轄する都道府県労働基準局長又は都道府県知事に提出しなければならないこととした。(新規則第一〇条第四項及び様式第五号関係)
もう無理だよ。こう書いちゃってるから。質問してる人ももういいって言ってるんだしさ。やめたらいかが?笑普通に上みたいなの引用してそうですねで終わりやん笑

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snsmappi  2022-10-04 12:00:31

いま、散歩していて、やっとajpumgjさんのおっしゃりたいことが解りました。
もう一度あなたの例題を引用します。

-----------------------------------------------
例題
A東京本社は、大阪にB支店を作った。その時、A本社はA本社を指定事業として、B支店を一括した。
その後、A本社は、事業拡大のため、名古屋にC支店を作った。その時A本社は、A本社を指定事業として、C支店を一括した。
指定事業以外の事業とはどれか。
-----------------------------------------------

あなたがおっしゃりたいのは、この「指定事業以外の事業とはどれか。」の「指定事業以外の事業」は、過去の2つの「指定事業以外の事業」を指すということですね。
それならば、B支店とC支店です。

題意を取り間違えたこと、修正してお詫びします。



しかし、これは、令和4年労災問9Aには当てはまりません。

令和4年労災問9Aには「継続事業の一括(一括されている継続事業の一括を含む。)を行った場合には」とあります。

この「一括を含む。)」の「一括」が、継続事業の一括を指すことは明らかです。
ですから、上記文章を書き換えて、かっこ書きの状況に限定します。

「一括されている継続事業」の「継続事業の一括を行った場合には」になります。
解りにくいですね。

この「一括されている継続事業」は「されている」のですから、すでに継続事業の一括が終わった後の状態の継続事業です。
これを「一括後の事業」とします。

すると「一括後の事業」の「継続事業の一括を行った場合には」になります。少し解りやすくなりました。

「行った場合」はたしかに過去ですが、「一括されている継続事業」の「されている」は、「行った場合」から見て、さらに過去です。

また、「継続事業の一括を行った場合には」とあります。

「されている」対象に対して「行った場合には」ですから、これは「一括後の事業」にさらに「継続事業の一括を行った場合には」という意味に取るべきです。

あなたの例題を使って説明します。

「一括されている継続事業」を、あなたの例題のA本社とB支店の一括後の、A本社とします。
問題文に「されている」とありますから、これを「一括後のA本社」とします。

すると、問題文の文頭は、「一括後のA本社に、さらに継続事業の一括を行った場合には」という意味になります。

A本社とB支店の一括は、かっこ書きの中の「一括されている継続事業」の「一括」に過ぎず、一括後のA本社が、問題文の「継続事業の一括」の対象事業となるだけです。

ですから、あなたの例題で言うと、問題文がテーマとする「継続事業の一括」は、A本社とC支店の一括です。

このため、あなたの例題を令和4年労災問9Aに当てはめると、「指定事業以外の事業」はC支店だけです。





さて、私の考えは上記の通りですが、「一括後の事業に、さらに継続事業の一括を行った場合には」と解して、その後の一括をテーマとする部分に、あなたの不満が残るかも知れません。

百歩譲って、「継続事業の一括(一括されている継続事業の一括を含む。)を行った場合には」を「一括されている継続事業」の「その継続事業の一括を行った場合には」という意味に取ってみましょう。

すると結果的に過去の継続事業の一括の一つ一つを問う形になるので、結局かっこ書きはなくても同じです。

さらに譲って、過去に複数回あった一括の全てを、まとめて「継続事業の一括」と呼んでいるとしましょう。

しかし、その場合でも、あなたの例題で言うと、A本社とB支店の一括においては指定事業以外の事業はB事業のみであり、A本社とC支店の一括においては指定事業以外の事業はC事業のみです。

あなたの例題のように、過去のいくつかの一括を並べて、そのすべてについて「指定事業以外の事業はどれか」ならば、B支店とC支店です。

しかし令和4年労災問9Aは、違います。尋ねられているのは、継続事業の一括があった場合のメリット制の考え方です。

継続事業の一括は、法9条に従って厚生労働大臣の認可で行われます。
法律上の手続と認可で法的効力が生じますから、いくつかの「継続事業の一括」を、一つにくくって論じる場合でも、その一括の法的効果は個々の一括で別々に論じられなければなりませんし、それによるメリット制への影響も、個々の一括ごとに考える必要があります。

ですから、令和4年労災問9Aがいくつかの一括をまとめて扱っていると考えても、「指定事業以外の事業」は、それぞれの一括ごとに決まりますので、あなたのおっしゃる解釈にはなりません。



snsmappiさんへ
コメントありがとうございます。

ただ、最初のやりとりでこそ「被一括事業所」の用語が問題になりましたが、これは今回の疑問の論点ではありません。
また、snsmappiさんが書かれている「被一括事業所」の引用も、「継続被一括事業名称・所在地変更届」に関するもので、それがあるからメリット制に関する今回の疑問が解決するものではありません。

平成30年の問題に「継続事業の一括について都道府県労働局長の認可があったときは、被一括事業の労働者に係る」と書いた問題があるので、一括後消滅する事業を指す場合に「被一括事業」を使用することそのものは反対しません。

ただ、一括があった場合のメリット制への影響を論じる場合に、質問者の方が「継続被一括事業名称・所在地変更届」があり、B(過去のコメントで使われた「B」)もこの届の対象の被一括事業だから、令和4年労災問9Aにおける「指定事業以外の事業」にBも含まれるだろうという論を張られたので、私はそれを否定すると共に、被一括事業という用語は、徴収法の法令則では用紙の名前でしか出てこないことを説明したまでです。

例えば令和4年に行われた一括から見て、過去にあった一括で「指定事業以外の事業」であった事業は、令和4年の一括では「指定事業以外の事業」にはなりません。

一括があった場合のメリット制への影響を論じる場合は、過去にいくつ一括があったとしても、その一括をまとめて論じる場合であっても、それぞれの一括の法的効果について、それぞれメリット制への効果をで論じる必要がありますから、問題の論点が「一括があった場合のメリット制への影響」である以上、質問者の方のおっしゃるようにはならないのです。

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poo_zzzzz  2022-10-04 15:25:08

ご回答いただき、感謝申し上げます。
先に先程の回答で失礼を申し上げたこのをお詫びします。
また、堅苦しいと分かりにくいので、砕けて記載いたします。(ご容赦ください。)(失礼があればおっしゃってください。)

あと少しで結論が一致すると思っています。
行う場合はわかりにくいので、
する時(瞬間)のにしますね

前提として当該指定事業はA(B含む)、指定事業以外はCということですね。問題文では、3回程出てきますので、それぞれで定義を変えることはないとします。

A(B含む)←C
これをする時(瞬間)のイメージを持っていらっしゃるんですね。(未来)に近いイメージです。今回で回答者様のイメージがつかめました。

なので、
A(B含む)←Cをする瞬間は、
A(B含む)が指定事業なので、指定事業以外はCであると。そしてCの保険料等をA指定事業(B含む)に算入しないんだということですね。

でもよく考えると、
Cの保険料等を算入しないのは、A(B含む)ですか?私はA(BC含む)だと思います。なぜならA(B含む)にCが含まれていない状態で算入も何もないと思うからです。あくまでA(BC含む)になった時にCを算入しないということだと思います。

また、A(B含む)とCの一括を行った場合は、趣旨としても、A(BC含む)にどの事業の保険料等を算入しないのかという話ですよね。

この問題が正解であれば、A(BC含む)の事業にCの保険料が算入されないんだという話でないとおかしいですよね。
A(B)とCの一括は完了しているわけですから。
なので、どちらにせよA(BC含む)の指定事業がAというふうに読むしかないですよね。A(B)の指定事業がAで、指定事業以外がCとは読めないです。

さらに
保険関係の成立期間の方に当てはめますね。
A(B含む)←Cをする瞬間の話ですね。
なので、当該指定事業の保険関係成立日から起算する。とは、A(B含む)の保険関係成立日から起算する。となりますよね。問題は、A(B)とCの一括が完了した場合なので違いますよね。これもA(BC含む)の指定事業Aの保険関係成立日から起算というのが正しいと思います。

私の話です。
A(B含む)にCの一括が完了した場合の話です。
A(BC含む)に指定事業以外(BC)の保険料等を算入しない。
これは、BはAB一括時に取り扱いがされているので、BCを指している設問は誤りになります。

さらに
A(B含む)にCの一括を行った場合は、
A(BC含む)の指定事業Aの保険関係成立日から起算する
これは成立します。

早く結論を出したいと思い、失礼な言い方をしてしまいましてごめんなさい。
質問広場の趣旨はディスカッションでした。反省しています。

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ajpumgj  2022-10-04 20:28:57

実務でいろいろやっていて、条文も読む機会が多いので、問題文を見たときに論点を見つけられると、「ああ、これを尋ねてるのね」と、割と決め込んでしまいます。
まぁ、失敗もありますが(笑)

ですから、質問される方の論点が、私の感覚とずれていると感じたら、結論を急ぐ癖があります。
今回もそれが出てしまって、逆に遠回りさせてしまい、申し訳ありません。



---------------------------------
> なので、どちらにせよA(BC含む)の指定事業がAというふうに読むしかないですよね。A(B)の指定事業がAで、指定事業以外がCとは読めないです。
---------------------------------
これより、上の部分についてお答えします。

法9条に、何度も話している2回目の一括(AとCの一括)を溶け込ませます。
この場合にAは、Aの労働者とBの労働者を全て使用していると、法律上「みなされて」いる、Aです。

法9条 事業主が同一人である二以上の事業(有期事業以外の事業に限る。)であって、厚生労働省令で定める要件に該当するもの(AとC)に関し、当該事業主が当該二以上の事業(AとC)について成立している保険関係の全部又は一部を一の保険関係とすることにつき申請をし、厚生労働大臣の認可があったときは、この法律の規定の適用については、当該認可に係る二以上の事業(AとC)に使用されるすべての労働者は、これらの事業のうち厚生労働大臣が指定するいずれか一の事業(A)に使用される労働者とみなす。この場合においては、厚生労働大臣が指定する一の事業以外の事業に係る保険関係(C)は、消滅する。

このような関係になります。
この関係に疑義はないですか?

法9条は、いくつかの事業の保険関係を一括し、一括前の1つの事業が指定事業となって、一括前のその他の事業が指定事業以外の事業になる、という関係です。
そして一括後は、指定事業に係る労働保険関係だけが残ります。
指定事業以外の事業は実在しますが、その労働保険関係は消滅します。
徴収法上、保険関係は事業の開始のときに成立しますから、保険関係が消滅した事業は、徴収法上の事業ではなくなります。
ただ、それでは実在する事業を管理できないので、管理のために「継続被一括事業名称・所在地変更届」その他の届があります。
一括の法的効果は、実在するいくつかの事業の労働者を、すべて1つの事業で使用しているとみなし、その事業の保険関係だけを残して、保険関係を1つに集約すること、ただそれだけです。

そして令和4年労災問9A
継続事業の一括(一括されている継続事業の一括を含む。)を行った場合には、労働保険徴収法第12条第3項に規定する労災保険のいわゆるメリット制に関して、労災保険に係る保険関係の成立期間は、一括の認可の時期に関係なく、当該指定事業(A)の労災保険に係る保険関係成立の日から起算し、当該指定事業以外の事業(C)に係る一括前の保険料及び一括前の災害に係る給付は当該指定事業のいわゆるメリット収支率の算定基礎に算入しない。

になります。

あなたは、この当該指定事業をAとCとおっしゃっていますが、違います。

「当該指定事業」の「当該」は「継続事業の一括が行われたときの」という意味です。
「当該指定事業」は、「継続事業の一括が行われたときの指定事業」であるAです。
一括後に保険関係が残っているAを「指定事業」と言っているのではありません。
そして「当該指定事業以外の事業」は、「継続事業の一括が行われたときの指定事業以外の事業」ですから、Cです。

令和4年労災問9A問題文にたまたま「当該」とあるので、これに基づいて書きましたが、「試験問題」としては「当該」がなくても同じです。

先の回答でも書きましたが、継続事業の一括は、法9条に従って厚生労働大臣の認可で行われます。
法律上の手続と認可で法的効力が生じますから、一括がメリット制適用に及ぼす影響を論じる場合、その一括の法的効果は個々の一括のときに別々に論じられなければなりませんし、それによるメリット制への影響も、個々の一括ごとに考える必要があるからです。
令和4年労災問9Aは、一括がメリット制適用に及ぼす影響がテーマですから、このテーマを考えた場合、「当該」があってもなくても、一括があったときで論じられるべきです。



---------------------------------
保険関係の成立期間の方に当てはめますね。
A(B含む)←Cをする瞬間の話ですね。
なので、当該指定事業の保険関係成立日から起算する。とは、A(B含む)の保険関係成立日から起算する。となりますよね。問題は、A(B)とCの一括が完了した場合なので違いますよね。これもA(BC含む)の指定事業Aの保険関係成立日から起算というのが正しいと思います。
---------------------------------

これは、先に述べた「その事業の保険関係だけを残して、保険関係を1つに集約すること」と関係します。
あなたは、AとBの一括後は、AとBを含むAが残り、AとCの一括後は、AとBとCを含むAが残ると考えておられます。
この考えは一括の効果における事業を考える上は有用で、一括の効果を説明する場合は私もそう説明します。
しかし、徴収法上の法的な保険関係における事業の説明としては誤っています。

法的な保険関係の事業において、AとBを含むAや、AとBとCを含むAは考えません。
「二以上の事業に使用されるすべての労働者は、指定事業に使用される労働者とみなす」のです。
徴収法上、「みなされている」のですから、「BやCの労働者は、Aで使用されている」のです。
私が、「B事業の労働者が全員A事業に転勤し、B事業に労働者がいなくなるイメージ」と言ったのはこのためです。

このため、残っている保険関係の事業は、あくまでAです。
A(B含む)やA(BC含む)と書く意味は無く、一括の効果の説明等のためにそれが必要な場合以外は、書く必要性もありません。
なお、当然ですが、何度一括しても、Aの保険関係の成立日は、一括前のAの保険関係の成立日です。



---------------------------------
私の話です。
A(B含む)にCの一括が完了した場合の話です。
A(BC含む)に指定事業以外(BC)の保険料等を算入しない。
これは、BはAB一括時に取り扱いがされているので、BCを指している設問は誤りになります。
---------------------------------

これは状況の設定が理解できません。
問題文には「当該指定事業以外の事業」とあります。
先に書きましたが、これは、「一括のときの当該指定事業以外の事業」の意味ですから、その完了後であっても一括のときの状況でしか論じることができません。

それを無視して論じるとしましょう。
一括が終われば、指定事業以外の保険関係は消滅しますから、徴収法上の保険関係を論じる場合に「指定事業以外の事業」を、「現在ある関係」で論じることができません。
論じることができるのは、保険関係が消滅する前の「指定事業以外の事業であった事業」ですから、結局は「一括のときの当該指定事業以外の事業」です。



---------------------------------
さらに
A(B含む)にCの一括を行った場合は、
A(BC含む)の指定事業Aの保険関係成立日から起算する
これは成立します。
---------------------------------

先にも書きましたが、一括の趣旨は、すでにあるA事業について、「A事業、B事業、C事業」のすべての労働者がAで使用されているものと「みなす」ことにあります。
事業について、「A(BCを含む)」とみなすのではありません。
「二以上の事業に使用されるすべての労働者は、指定事業に使用される労働者とみなす」のです。
徴収法上、「みなされている」のですから、「BやCの労働者は、Aで使用されている」のです。
法律上そのようにみなすのですから、AとBの一括後のAも、AとCの一括後のAも、法律上は単にAです。
A(B含む)やA(BC含む)と書く意味は無く、一括の効果の説明等のためにそれが必要な場合以外は、書く必要性もありません。
なお、当然ですが、何回一括があってもAの保険関係成立日は変わりません。



そのように解せない、とか、そのように読めない、というあなたの論については何も言いませんし、これ以上説得しようとも思いません。
ただ、現実の一括や、メリット制の適用は上記のように行われています。これは「論」だけではなく「事実」です。

また、検索はできませんが令和4年労災問9Aは、おそらくは通達か厚生労働省内の手引から出ています。
通達や手引に書いてあることも日本語としておかしい(場合によっては法的におかしい)場合がありますが、そのおかしい状態で出題されても、「通達通り」で正になる可能性が高いです。

このやりとりの最初で書いたことを再掲します。

社労士試験の受験学習は、何が正しいのか(間違っているのか)を選ぶ学習ではありません。
出題者が、何を選ばせようとしているのかを考え、選ぶ力を養う学習です。
結果としては同じ答えになることがほとんどですが、問題の内容に疑義がある場合に、これを意識しているのかいないのかは大きな差を生みます。

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poo_zzzzz 2022-10-04 23:50:57



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