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もともと、健康保険法、厚生年金保険法共に、標準報酬月額の下限は98,000円だったのです。
平成19年4月の改正で88,000円以下の等級が新設されました。
この部分だけ、等級差が異なるのはそのためです。

なぜ粗いのかは分からないのですが、私見として、当時は適用拡大が行われていませんでしたから、適用は2/3ルールで、当時の最低賃金から考えて73,000円(東京86,000円)程度の報酬はあったはずです。
つまり、58,000円と68,000円は「役員専用」なのです。勤務実態がある法人役員は報酬が0でない限り加入義務がありますからね。

なおかつ、等級の拡大は、それまでの低報酬被保険者の扱いからの救済の意味があったように思います。
平成19年3月までは、例えば報酬が75,000円でも2/3ルールを満たすなら、標準報酬月額は98,000円だったからです。
また、それ以前はパートアルバイトの加入率がとても悪く、役員も「非常勤」の一言で適用を免れていましたが、適用強化のために調査時に労働時間を細かく見て役員も勤務実態の聞き取りをして適用指導をするようになり、次第に報酬の低い被保険者が新たに増えていた時期なのです。

従前の扱いがあり、そこからの救済の意味で行われた等級拡大であるため、それほど細かく刻まなかったのではないかと思います。

また、厚生年金保険は98,000円の下は88,000円しかありません。
当時の厚生年金保険料率が146.62/1000で標準報酬月額98,000円の場合の保険料が14,368円(本人負担はこの半額)であり、これに比較して国民年金保険料が14,100円(全額本人負担)でした。
厚生年金の被保険者である月が国民年金の第2号被保険者であって国民年金の保険料納付済期間になり、かつ、報酬比例部分の老齢厚生年金が支給されることを考えると、98,000円より下の級を作る必要性は薄かったと思いますし、下の級を作ることは社会格差の拡大になると思います。
でも、88,000円だけでも作ったのは、それだけ適用強化に力を入れ、説明しやすくしたかったのではないかと私は思います。



前回も「なぜこうなるのか?」というご質問でしたが、テキストにない「なぜこうなるのか?」の解決は、多くの場合トリビアに終わり、受験のためのスキルの向上には繋がりません。
今回のご質問は、「社会保険の適用」という面で知って欲しいことが多くあったので、まぁ割と詳しく書きましたが・・・

テキストは、受験に関係が薄い知識を切り捨て、受験のための知識に特化した「武器」です。
そのテキストと過去問の範囲を離れた疑問を解決しようとする時間と手間は、多くの場合受験に有害です。
テキストにない「なぜこうなるのか?」の解決は、ほどほどにされた方がいいと思います。
それでもなお知ろうとされるのは自由ですが、質問広場は社労士受験のための場であることにはご配慮ください。

参考になった:2

poo_zzzzz 2023-02-01 19:15:43

詳細なご回答ありがとうございました。

なお、トリビア的な質問は受験に有害とのご意見賜りました。

受験生活が長くならないよう工夫してまいります。



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nobussan  2023-02-03 23:55:09



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