出勤途上であっても、逸脱・中断の考え方は、基本的には退勤後の帰途と同様です。

例えば夜勤の人間で、日常は朝から夕方まで就寝し、夜8時くらいに出勤する労働者であるなら、病院に寄ったり、散髪に行くのは夕方しかありませんからね。

また、昼勤の労働者であっても、日曜日の出勤途上に選挙の投票に寄ることは考えられます。

このようなケースに限らず、「日用品の購入その他これに準ずる行為等をやむを得ない事由により最小限度の範囲で行う場合」であれば、出勤途中であっても、逸脱・中断後に通常の通勤経路に復した場合は、それ以後は通勤になります。



なお、その行為の性質上、退勤後の帰途であれば認められるが、出勤の際には認められないものはあります。

例えば、逸脱・中断であれば、出勤途上で総菜を買うような行為は、日常生活に必要な行為とはみなされない可能性があります。

通達でも「帰途で惣菜等を購入する場合」とあります。

また、逸脱・中断にすらならない「ささいな行為」の中に、「帰途に経路近くにある公園で短時間休憩する場合」がありますが、これも原則として「帰途」です。

出勤途上で公園で休憩するような場合は、体調面で当日の労務の適性自体に疑義が生じるため、類型的には扱えないのです。



追記

いま、通達を見ていて思い出しました。

出退勤の途中、理・美容のため理髪店又は美容院に立ち寄る行為は、特段の事情が認められる場合を除き労災保険法第7条第3項ただし書きに規定する「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為」に該当するものとする。（S58.8.2 基発420号）

はっきりと「出退勤の途中」と書いてありますね。

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poo_zzzzz　2016-12-24 20:17:09