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ああ、これは根本的な部分で勘違いしておられます。

根本的、と、いっても、受験される方の相当な割合の方(私の感覚では3割以上あるような気がします)は勘違いされている部分であるように思うので、ある程度やむを得ない部分ですが・・・



二元適用事業は、法39条1項に定義されています。

法39条
都道府県及び市町村の行う事業その他厚生労働省令で定める事業については、当該事業を労災保険に係る保険関係及び雇用保険に係る保険関係ごとに別個の事業とみなしてこの法律を適用する。

よく読んで下さいね。

おそらく、質問された方は、「二元適用事業というのは、一つの適用事業に対し、労災保険に係る保険関係と、雇用保険に係る保険関係を、別個に成立させるものだ」と思っておられるはずです。

違います。

上記の条文にあるように、「当該事業」を「労災保険に係る保険関係」及び「雇用保険に係る保険関係」ごとに「別個の事業とみなして」この法律を適用する、のです。



一つの適用事業に、二つの労働保険関係、ではありません。

一つの適用事業を、別々の二つの独立した事業とみなして、その一つの事業に労災保険に係る保険関係のみを成立させ、残りの一つの事業に雇用保険に係る労険関係のみを成立させるのです。

徴収法では、一元適用事業であっても、二元適用事業であっても、適用事業と労働保険関係は、常に一対一なのです。



建設会社の例で言いましょう。

本社しか事業所がないA工務店という建築工事の会社があるとします。

A工務店本社は実体として一つの適用事業ですが、法律上は、これを二つの適用事業と考えます。

つまり、A工務店本社という実体は一つの適用事業所が、法律上は二つあると考えるのです。

そしてその片方の事業に労災保険に係る保険関係のみを成立させ、もう片方の事業に雇用保険に係る労険関係のみを成立させるのです。

法律上は、一つ一つの事業には、労災保険に係る保険関係か、雇用保険に係る労険関係か、どちらか片方しか成立していません。

このため、「労災保険と雇用保険の両方成立している二元適用事業」というものは、法律上の概念としてあり得ないのです。



これが理解できると、徴収法は格段に読みやすくなるはずです。

参考になった:5

poo_zzzzz 2017-01-06 16:52:32

例示つきで丁寧な説明ありがとうございます。

でもまだスッキリしません・・・

例示していただいたように二元適用事業は実際は1つの事業所でも
労災保険に係る保険関係と雇用保険に係る保険関係と法律上2つの
事業と考えることはわかりました。

そうすると継続事業の一括要件の
則10条1項より
イ)それぞれの事業が、次のいずれか1つのみに該当するものであること。
a)労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業
b)雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業
c)一元適用事業であって労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立しているもの

ロ)それぞれの事業が、事業の種類(「労災保険率表」に掲げる事業の種類をいう)を同じくすること

イ)-b)の事業であっても、労災保険率表における事業の種類を同じくすることが必要である。


Q: イ)-b)の事業であっても労災保険率表における事業の種類を同じくする必要がなぜ
あるんでしょうか?継続事業の一括は二元適用事業の雇用保険のみ一括はできないという
ことでしょうか?
法律上2つの事業と考えるのであればイ)a)に労災保険関係があるのでイ)-b)の雇用保険
に関する中に労災が関係してくるのがしっくりきません。

たびたびすみませんがご教示お願いいたします。

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herewego-tm  2017-01-08 17:24:57

うん、その質問を待っていました(^^)

その質問が出たということは、質問された方が、今回の疑問点を理解されたということだと思います。



残る疑問に対する答えは簡単です。

則10条1項2号を見てみましょう。

----------------------------
則10条1項2号
それぞれの事業が、事業の種類を同じくすること。
----------------------------

ただ、それだけです。

一括しようとしている「事業」に「労災保険に係る保険関係」が成立している必要はありません。

「雇用保険に係る保険関係」のみが成立している事業であってもかまいません。

一括されようとする事業の、「事業の種類」が同じであれば、それでいいのです。



そして、この「事業の種類が同じかどうか?」を判断する基準が「労災保険率表による事業の種類」なのです。

「労災保険率表」は、「事業の種類の分類」「事業の種類」「事業の種類の細目」の3段階で構成されており、この中の「事業の種類」が同じでないと、継続事業の一括はできません。

重ねて言いますが、判断の基準として「労災保険率表による事業の種類」を用いるだけですので、一括しようとする事業に「労災保険に係る保険関係」が成立している必要はなく、「雇用保険に係る保険関係」のみが成立している事業であっても、継続事業の一括は可能です。

参考になった:4

poo_zzzzz 2017-01-08 17:57:35


やっとスッキリ理解できました!

事業の種類が同じかどうかの判断基準として労災保険率法を使用するんですね。

わかりやすい説明ありがとうございました。

投稿内容を修正

herewego-tm  2017-01-08 18:43:39



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