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雇用保険法/定額残業手当について
motohirosae 2017-01-07 19:38:48
「月あたり一定の時間外労働があったものとみなして支給される定額残業手当が、実際に行われた時間外労働に基づいて算出された額を上回る場合、その差額は賃金に含まれる。」とされます。ただ「時間外労働に伴う割増賃金も賃金に含まれるのだから、あえて差額を賃金としてみなす」とする意味はないように思われるのですが、この意味を教えて頂きたいと思います。よろしくお願いします。
ご質問内容はH26問3アの出題内容を「裏返した」ものですが、何かのテキストに書いてあったのでしょうか?
H26問3アは、「月あたり一定の時間外労働があったものとみなして支給される定額残業手当が、実際に行われた時間外労働に基づいて算出された額を上回るとき、その差額は賃金に含まれない。」というもので、誤の肢でした。
誤の肢は、その内容に何を書こうと誤にできるわけで、例えば「基本給は賃金であるが、役職手当は賃金ではない」という問題も作成できるわけです。
仮にそんな問題が本試験に出たら、次の年のテキストには「基本給は賃金であるのと同様、役職手当も賃金である」という記述が載るかもしれません。
お尋ねの記述はそういった性格のものであり、本試験で出たからテキストが書いてあるだけで、「なぜ、そんな当然のことを書くのですか?」と言われても、答えようがないんです。
ただ、今回のH26問3アに関して言えば、問題にする意味はあります。
質問された方は「定額残業手当」なのだから、差額分も含めて当然賃金だろう?と考えておられるわけですが・・・
ノーワークノーペイの原則はご存じですよね?
定額残業手当は、例えば1か月に10時間残業があった場合も、20時間残業があった場合も、30時間残業があった場合も、30時間の残業分のみなし手当を支払うものです。
そうすると、例えば20時間残業であった場合に30時間分のみなし手当を払うわけですから、10時間分は「働いていない分の金銭を受け取っているではないか?」という問題が起きます。
ノーワークノーペイの原則で言うなら、これは労働の対償としての賃金ではなく、任意的、恩恵的な金銭ではないか?という疑義が生じるのです。
H26問3アは、その部分を突いた問題です。
しかし、労働基準法の目で見るならば、労働基準法が定める労働条件の基準は最低のものである、という労基法1条の精神により、労働契約、就業規則または労働協約によって、上記のようなみなし手当が定まっているのであれば、上記の差額も含めて、労働の対償として使用者に支払い義務のある賃金です。
雇用保険法でも「雇用保険法による賃金とは、法第4条第4項に規定するとおり、名称の如何を問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うすべてのものをいうのであるが、この場合、労働の対償として支払われるものとは、現実に提供された労働に対して支払われるもののみを意味するものではなく、一般に、契約その他によってその支給が事業主の義務とされるものを意味すると解せられる。(行政手引50402)」とあります。
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poo_zzzzz 2017-01-08 06:32:57
平成26年問3の問題の意図がよくわかりました。
「ノーワークノーペイという切り口で賃金に当たるかどうか」を問う問題だったのですね。
良く理解できました。今後もよろしくお願いします。
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motohirosae 2017-01-08 07:17:59
あれ?、ご質問の文言は、テキスト等に書いてあったのではなく、H26問3アそのものから、質問された方が文言を裏返して質問されていたのでしょうか?
そうであるなら、今後は以下の2点に気を付けて下さるよう、お願いします。
(1) 過去問からの質問であることが分かっている場合は、過去問の年度と問番号は書いて下さい。
(2) 過去問からの質問は、過去問のままの形でお願いします。
特に、過去問の誤の肢を裏返して、「なぜこうなるのか?」という問いかけには意味がないこともあるので、気を付けて下さい。
先の回答にも書きましたが、誤の肢の誤の内容はどのようにでも作れるので、それを裏返しても必ずしも正となるとは限らないため説明ができないこともあり、また、正になる場合であっても、「そうである」という事実があるだけで、その内容にはわざわざ説明するほどの意味が無いことも多いのです。
今回は、「定額残業代のうち、現実に提供された労働に対して支払われるものに該当する部分を超える額の部分は、雇用保険法上の賃金になるか、ならないか」という部分を問うものであったため裏返しても質問として成立しますが、そうであっても、H26問3アそのものからの質問であるなら、過去問のままの形で年度と問番号を書いて質問していただいた方が、調べる手間もなく、余計なことを書かずに済みますし、分かりやすい説明ができるように思います。
法令や通達、行政手引等からの文言を使った質問の場合と、過去問による文言を使った質問の場合と、市販のテキスト等や質問者の方が変更した文言を使った質問の場合では、回答するポイントも違ってきますので、この点、よろしくお願いします。
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poo_zzzzz 2017-01-08 23:54:11