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ここは、かなりマニアックなところですね。試験的には深入りしないことが大切です。

以下は深入りしすぎなので、読んでおしまいにしてください。
次項~5項までは、患者さんに高額療養費として償還払いで支給するという意味です。

償還払いとは、患者が保険者に健康保険高額療養費支給申請書を提出して、受け取ります。
(参照)https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g2/cat230/r119

6~9項は、公費負担医療が行われる場合に、高額療養費が、現物給付される場合の条文です。
現物給付というのは、保険医療機関が、支払機関にレセプトを提出したときに、保険者から支払機関を通じて、病院に直接支払をするということです。

公費負担医療というのは、患者さんに法定負担割合(70歳未満であれば3割)で支払わせるのが酷になるから、患者さんは窓口で、支払わなくてよいです、あるいは法定負担割合より、著しく少ない負担金で医療を受けられますというものです。

例えば、原爆の被害を受けたかたは、戦争の被害を受けられたのですから国が、その分(70歳未満なら、3割)を支払います。ところが、法定負担割合全部を公費が支払うときばかりでなく、公費と高額療養費で、分け合うときがあります。この時、高額療養費は、現物給付をしています。従って、この分を患者さんが、もらうことはできませんから、二重の利得にはならないのです。

なお、公費負担医療が、行われる場合で、著しく少ない負担金(患者さんが実際窓口で支払ったとき)は、世帯合算として償還されることがあります。(令41条2項カッコガキ)
(参照)http://kanja.ds-pharma.jp/life/joseikin/kougaku/kougaku04.html
イメージが、つきにくいと思いますが、同条9項を例に書きます。本条は、特定疾病について定めた条文です。長期高額療養費といわれます。人工腎臓を実施している慢性腎不全(人工透析)を行っている方で、一部負担金が10000または20000円です。
(これは、テキストに記載があるはずです。)(過去問H16問8D、H18問6E、H28問3E)
(参照)https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/chiba/cat080/5270-100708
    http://kanja.ds-pharma.jp/life/joseikin/kougaku/kougaku04.html

さて、70歳未満で、長期高額療養費の支給を受ける方を想定してみます。総医療費が100000円のとき
保険者(7割)100000円×7割=70000円
患者             10000円
高額療養費          29000円(100000円×3割-10000円=)・・・(※)
この(※)の高額療養費については、現物給付されるので、患者が窓口で支払っているのは10000円のみです。
従って、この分を患者さんが、償還払いでもらうことはできませんから二重の利得になることはありません。

以上です。

参考になった:2

taresu 2017-01-12 19:48:49

さすがにプロの先生ですね。私一人で解決するには、ゆうに半年はかかっていたことでしょう。とても助かりました。
ご親切に、詳しくご回答してくださって、大変感謝(感動)しております。
「深入り」しないで、「読んでおしまい」にするという親切な忠告にも、従います。
ていうか、全部説明してくださっていますので、その必要もありません。

プロの先生のコメントをいただけて、あらためてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

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evcalm  2017-01-13 07:24:27

最後の部分に計算誤りがありましたので、訂正いたします

(誤)高額療養費  29000円(100000円×3割-10000円=)・・・(※)
(正)高額療養費  20000円(100000円×3割-10000円)・・・(※)

投稿内容を修正

taresu  2017-01-14 17:19:27



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