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hauser様

ご質問ありがとうございます。
ご質問の、法1条と法2条以下の関係性は、旧質問広場でFAQです。下記を参考にしてみてください。
http://sr-jiten.net/bbs/bbs_each.php?rcdId=1511

つまり、労働者の募集及び採用に関する事項についての個々の求職者と事業主との間の紛争については、ご指摘の通り法5条(あっせん委任の規定)は適用されませんが、法3条(情報提供)及び法4条(当事者に対する助言・指導)の規定は適用されます。また、法2条(紛争の自主的解決)も、適用されます。このことから、目的条文にも加えているということになります。
ですので、あっせん規定のみ除外されているだけですから、1条に求職者と事業主との間の紛争も「個別労働関係紛争」という定義に加えないと、法律上矛盾が生じますので、加えたということになります。

あっせんというのは、労働審判や訴訟とは異なり、紛争当事者の間にあっせん委員が入り、双方が納得できる落としどころをみつけていくことにあります。
相談件数事例で圧倒的に多い、いじめならば、いじめをしている労働者の処遇や、会社の体制の整備、または謝罪等で決着が図られます。
次に多い解雇や雇止めならば、復職させたり、または解決金を払い金銭解決をする等です。
このように、着地点が1つではないので、まだ双方話し合う余地があります。

一方、募集・採用に関する紛争の代表例は、何かしらの理由の採用可否です。
となると、結論的には、採用するかしないかになっていまい、これは、もうあっせんの趣旨から外れます。
あっせんが両当事者の一方が、出席を拒否すれば打切りとなりますので、このパターンの紛争は規定を設けても成立しにくいという理由で除外したのではないでしょうか。
どっちかが100%負けるような紛争には、あっせんという制度はあまり向いていないのです。
これが、情報提供や助言・指導であるならば、まだ実効性(事業主側が聞いてくれる可能性)がありますよね。

例示して頂いた学歴の差別については、個人的なお考えはあると思いますが、現状では、実体法とその解釈でも、判例法理でも明確に認められた事例はありません。
この法律は、両当事者の権利を守るということを主眼には置いていません。
労働審判制度や民事訴訟という道がある中の、より円満な解決でかつ迅速簡便に解決できる手続法の1つと理解すべきだと思いますが、いかがでしょうか?

山川社労士予備校
三宅大樹

参考になった:22

yamayobimiyake 2017-01-18 16:53:05

三宅先生

早速に詳細なご回答を賜りましてありがとうございました。
また、過去のFAQの検索を失念してしまい、誠にお手数をおかけしてしまい申し訳ありませんでした。
過去FAQのほうも拝見し、ようやくポイント事項が良く理解できました。
この制度の趣旨、意味するところがはっきりしました。
ありがとうございました。

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hauser  2017-01-18 20:17:39



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