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なるほど、判断に悩む問題ですね。

私がもしこの肢を「一問一答」で解くならば、やはり×です。

理由は2つで、(1)はかなり重要なポイントです。

(1)
労基法25条は「使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であつても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。」と書かれています。

質問された方は、「出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用」を「一定の非常の場合の費用」と置き換えた部分のことを尋ねておられますが、これはよくある置き換えであり、置き換え方にも大きな問題はないので、この部分の表記の違いをもって×にはできません。

つまり、この問題の論点は、質問された方が尋ねておられる部分ではありません。

この問題の論点は、この問題文の「費用が生じたときは」の部分です。

労働者に費用が生じても、その「費用に充てるため」に「請求する場合」でなければ、使用者には既往の賃金の支払い義務が生じません。

問題文のままであれば、労働者が災害のために費用が生じたら、その時点で使用者に支払い義務が生じることになります。

この問題は、使用者に義務が生じるかどうかを尋ねていますから、特に「労働者からの請求」について触れていない点は重要であり、×と判断します。

(2)
この問題文は、部分的には条文に忠実で、部分的に条文から見てかなり「いいかげん」に書かれています。

こういった書き方は、条文が長く要素が複雑なときにやむを得ず行う場合が多いのですが、論点をぼかすための手段であることもあります。

例えば、「労働者に出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用が生じたときは」のように、すべて条文に忠実に書いたら、「費用に充てるために請求する場合においては」が欠落していることが論点になると丸わかりですよね?

このようなさほど長くもない条文をわざわざ省略して、かつそこに欠落した要素や、逆に条文にない要素がある場合は、そこが作問者の意図する論点である可能性が高いのです。



なお、この問題を五者択一で解くならば、グレーな×と考えて、他の肢とのバランスで決めます。

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poo_zzzzz 2017-01-22 23:57:33

回答有難うございました。
おっしゃるとおり、判断材料となる論点がずれていたら間違えてしまいます。
確かに賃金支払い義務の要件に「費用が生じたとき」「請求がする場合」という点が
問題文には欠落してますね。

知識漏れは否定できませんので、性格に論点を整理しながら問題と向き合います。
有難うございました。

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tarbou1973  2017-01-24 11:18:34

この問題、私も間違いました。どこが論点なのか、一定の非常の場合という部分ですぐに正解だと判断していました。
まさか、「請求する場合」という言葉が無いから誤りなどということは思いも付かなかったです。
うーん、深く考えてしまいました。

もし、5拓で、長文の文章の中でこんな内容が羅列されてれば、すぐに選んでしまったと思います。(だから私は、合格レベルには無いのですが、反省です)
近年、問題が長文化、実例化で解答に相当時間もかかり、条文ベースでありながら、「でっち上げ」の規定まで作り出す試験ですから油断もできません。焦ってしまうのですね。
さらに、限定列挙で、あるべき言葉、フレーズが網羅してないから誤りなのか、一部だけ取り上げて、その正誤だけを問題にしてるから正解なのか、いや、全部の条文そのままでないから誤りなのか、
この手の問題が巧妙に出題された場合、非常に悩む問題になります。やはり現場思考で、その時その場で判断するしかないと思われます。どういう問われ方されるのかわかりませんから。
私としても、こういう問題が最大の苦手であります。

問題でも、条文のいくつかが全部揃ってはじめて、その内容を構成するのがあるのですが、その1つの条文だけ取り出しても、正誤が判断できない内容もあるのです。しかし、条文上では、一字一句間違って書かれてないので正解!! という問題も実際あるのです(過去問、要調査です!)
もうでっち上げの規定とか、文章の揚げ足を取るような出題は止めて欲しいというのが本音ではありますが、落とすための試験ですから、対策と、ひたすら演習し慣れるしかないでしょう。
それと法律のセンスを磨くことでしょうか。過去問をよく研究する以外にありません。そして、ひっかけ、でっち上げに迷いがなくなるまで訓練演習する以外にないと思います。

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参考になった:1

hauser 2017-01-23 10:05:38

hauserさんへ



今回の問題は、使用者に賃金支払いの義務があるのか?、ないのか?、が論点ですね?
使用者に賃金支払い義務が生じるのは、労働者からの請求があったときですから、その意味で、この問題文には欠陥があります。
で、あるなら、×の可能性がある、と、考えるのは当然だと思うのですが、いかがでしょうか?

本試験では他の肢とのバランスも見なければなりませんし、作問者の意図も関係しますから、最終的に○にするのか、×にするのかは別の判断になりますが、この問題で、法に照らして欠けている部分がある、ということが読み取れないようではダメです。



hauserさんは、下記の問題を、○にしますか?×にしますか?

「疾病にかかり、又は負傷し、かつ、当該傷病に係る初診日において被保険者であった者であって、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態になかったものが、同日後65歳に達する日の前日までの間において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったときは、その者に障害基礎年金を支給する。ただし保険料納付要件は満たしているものとする。」

これは、×ですよね?

なぜかというと「その者に障害基礎年金を支給する」ではなく「その者は、その期間内に障害基礎年金の支給を請求することができる」であって、障害の状態にある者が請求しなければ、障害基礎年金の受給権が発生しないからです。

hauserさんも×にされると思います。過去問にも出ている論点ですからね。

今回の労基法の問題と同じ「権利者からの請求の必要性」が論点です。

この問題が×にできて、今回の労基法の問題で引っかかるのは、同じような論点でも、過去問で解いた問題と同じ箇所であれば正解できるけれども、違う箇所を同じ論点で問われたら答えられないということです。

深く考えるも何も、法令の基礎的な部分が整理できていない、または理解できていてもそれをOUTPUTで活かす訓練が出来ていないだけ、ではないですか?



演習で間違うのは仕方ないことです。
しかし、テキストをきちんとチェックすれば、すぐに御自身の知識の漏れに気付くはずです。
重ねて言いますが、今回の問題における「労働者の請求」は使用者の義務の発生の要件ですから、非常に重要であり、枝葉ではなく基礎であり、ましてや揚げ足取りではありません。

これを単なる御自身の知識の漏れとは考えず、ことさらに深く考えるのは、学習方法にムラがあって、インプット学習での法の定めの要点が整理できていないからのような気がします。
難しいことを考える前に、順序立てて基本的な部分を押さえる学習をすることと、過去問を含め演習で躓いたら、テキストを広く読み返し、法令の要件を整理し、それをOUTPUTで活かせるようにすることをお勧めします。



なお、法の本則通りの出題の場合、附則等に例外があっても○な問題は確かにあります。
最近は減っているように思いますが、昔の年金法では頻出でした。
そういったことも含めて、過去問の論点を整理し、「なぜ過去問でこうなっているのか?」を整理することは大切です。

私は受験生時代ノートをあまり取らない人でしたが、過去問の整理を通じて法令の覚え方(理解の仕方)を変えたことは何度もあります。
受験ですから、出題を嘆くのではなく、出題に対応できるように知識を磨くしかありません。
でも、それができない部分はあっさり捨てるのです。

そんなに難しい部分が理解できていなくても、基礎的な部分がきっちりできていれば合格できますからね。

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poo_zzzzz 2017-01-23 13:16:36

poo_zzzzz 様

 早速に、私の拙文に、貴重な為になるアドバイスを賜りまして恐縮しています。いつも懇切詳細なご解説をありがとうございます。
ご提示の問題事例は、×にできました。この論点がわかりました。
基本の部分の理解の定着こそ急務であることも痛感いたしました。
請求して初めて権利を生ずるという以外でも、請求しなくても
「法律上当然に」と出てくる法もあるのですが、実際はは「届出」は必要である、ということも頻繁ですから、気をつけねばと思っております。
五択では相対的に判断したり、全部読まないでも、1枝30秒以内で正確に即答していく本番では、過去にも、うっかりひっかかった、ということもありました。
丁寧に、かつ、すばやく抜かりなく文章を読むとともに、基本事項の徹底理解をしないかぎり、この試験は相当に困難な試験だとも痛感します。
さらに、今年3月くらいまでは、まだ法改正もあるようですし、記憶すべき事項も多く、まだまだ課題を積み残しています。
今後は、その課題、内容を再整理して1つずつ潰していき、残り約6か月を頑張ろうと思います。

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hauser  2017-01-23 13:52:30



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