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健康保険/傷病手当金、他について
hauser 2017-02-15 20:47:10
健康保険法での、下記2つ質問させていただきます。
Q1. 健康保険組合の場合は、傷病手当金は、同一の傷病で、支給を始める日から1年6か月までというのがありますが、これはあくまで「原則」で、「規約」というので別に定めておけば、さらに1年6か月を超えて支給する場合もあるとの解説もあります。
出題の仕方で、単に「傷病手当金の支給期間は支給を始める日から1年6か月となる。」と書かれていた場合、その解釈上では正解として捉えればよいのでしょうか。(問題に「原則として」という記載は無い)
あるいは、規約があれば1年6か月を超えて支給できるのだから断定的に言えないのではないか、とも考えられます。
やはり、原則と例外の問題であるから、1年6か月までと書かれているなら、そのまま素直に正解で良いのでしょうか。
Q2 健康保険では、健康保険の適用事業所の被保険者資格を喪失しても、任意継続被保険者として2年間、元の会社の健康保険が利用できるとあるのですが、これにも例外があるのかと、迷いました。
最近私の知人で、超大手の民間企業の健康保険の適用事業所の被保険者だった方が、退職に際して、任意継続被保険者になろうと申し込んだ時に、任意継続被保険者になれないとのことでした。被保険者期間は20年以上もある人ですが、そもそも任意継続被保険者にはなれない健康保険なのだそうです? こういう健康保険が日本に例外として存在するのでしょうか。
テキストなどでは、健康保険の資格喪失後の任意継続被保険者は、20日以内に申し出すれば2年間なれるはずだと覚えていますから、不思議なのです。そしてこのことにも例外は書かれてないのですが。
やはり例外的なものがあるのでしょうか。
健康保険には、規約とか、裁量の余地が多くあって、原則と例外の狭間で迷いが出てしまう問題もあり、困惑しています。よろしくご教示のほどお願いいたします。
Q1
健康保険法99条4項は「傷病手当金の支給期間は、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては、その支給を始めた日から起算して1年6月を超えないものとする。」とあります。
「原則として」とは書いてないですね。
また、他の条文に、1年6か月を超える「傷病手当金」の支給規定もないです。
さて、以上のヒントを読んだ上で、
単に「傷病手当金の支給期間は支給を始める日から1年6か月となる。」と書かれていた場合、あなたはどう答えますか?
「原則として」がないからという理由で、誤かも?と言えますか?
法条文にも「原則として」はないのですから、末尾の言い回しの差を除けば「法条文どおり」の問なのですよ。
「原則と例外の問題が訊かれたらどうしよう?」という悩みは、法令の条文に例外が書いてある場合に考えることです。
それどころか、法附則や施行規則に仮に例外があっても、法の本則通りの表現で出た肢はだいたい正の扱いです。
あとは5肢のバランスで考えます。
既受験であるなら、そのあたりは知っていなくてはいけません。
健康保険の「傷病手当金」は法が定める用語であり、その定義で言うなら支給期間は1年6月を超えないものとされています。
健康保険組合が、1年6か月を超えて給付することがあり、当該健康保険組合が仮にこれを傷病手当金と呼んでいたとしても、それは法99条の「傷病手当金」ではありません。
その実体は、法53条の「健康保険組合の付加給付」です。
また、私は開業して19年間実務をしていますが、そういった給付を正式に傷病手当金と呼ぶ健康保険組合を見たことがありません。例えば「傷病手当金付加金」のような名称が正式名称になっていることが多いです。
前にも言いましたが、あなたは深入りは止めた方がいいと思います。
今のあなたは、運動靴で岩場に入ろうとしている登山者のようなものです。
まだ、全体がどうなっているのか、どこをどう見るべきなのかがわかっていません。
テキストと過去問の範囲で、するべきことは山のようにあるはずです。
「こんな問題が出たらどうしよう?」は、せめて、それが何であるかが分かってからです。
Q2
おそらくですが、全国土木建築国民健康保険組合でしょう。建築会社が加入事業所で、大手ゼネコンもほとんど加入しているはずです。
これは「健康保険組合」じゃないですよ。「国民健康保険組合」です。
「国民健康保険組合」ですから、法律は「国民健康保険法」です。法律が違います。
これも、そもそも名前の違いに気がついていなかったのではないですか?
おもしろい部分に興味を持つのはいい(私も大好き)ですが、うまく情報を集めないとハテナが増えるばかりです。
先の健康保険組合の付加給付もそうですが、テキストと過去問の範囲を離れるなら、きっちり情報を集めてください。
まぁ、ゼネコンが「国民健康保険」だと言われても?????ですよね(^_^;)
その内容については、また時間のあるときに書きます。
おやすみなさい。
参考になった:4人
poo_zzzzz 2017-02-16 05:51:26
poo_zzzzz様
早速に詳細なご回答を賜りまして、ありがとうございました。
Q1の内容は、しっかりと理解しました。付加金とか規約の延長給付は、法本来の傷病手当金のことではないのですね。
この点、うっかり見誤りました。
Q2の内容、そうなのです!。poo_zzzzz様が開業社労士の方で、さすがだと思いました。ご指摘のとおりで、知人の方は私よりも相当に年配の人なのですが、
誰でも名前を知っている、超大手ゼネコンの社員だった方です。
まったく知りませんでした。あの有名な民間の1部上場会社で、国民健康保険??? だったのか、今でも驚きです。
すぐに今、テキストを見返していたのですが、国民健康保険は、なにも無職、自営、学生だけでなく、同種の事業などの組合なる名前の「国民健康保険組合」というのがありました。
これのことですね! なーるほどと、やっと理解が進みました。
職業の種類によっては、全国に1個の組合があり、これは健康保険組合ではなく、「国民健康保険組合」ということ、だから大きな民間企業なら「健康保険」だとは即断できないということですね。
うっかりでした。
本当にありがとうございました。改めてテキストの読み込みの仕方、過去問の範囲、よく考察しながら進めていきます。
hauser 2017-02-16 10:31:34
> 職業の種類によっては、全国に1個の組合があり
これ、何を見て、どういう気持ちで書かれましたか?
国民健康保険法はチェックしましたか?
国民健康保険法第13条
国民健康保険組合(以下「組合」という。)は、同種の事業又は業務に従事する者で当該組合の地区内に住所を有するものを組合員として組織する。
2 前項の組合の地区は、一又は二以上の市町村の区域によるものとする。ただし、特別の理由があるときは、この区域によらないことができる。
同種の事業又は業務に従事する者が組織する国民健康保険組合の単位の原則は、1つまたは2つ以上の市町村の区域によるのが通常で、職業別の全国組織はむしろ例外のように思いますが、そのあたりを理解した上で書かれているのでしょうか?
そうではないなら、まず法13条の理解が受験対策上遙かに大切ですよ。
参考になった:4人
poo_zzzzz 2017-02-16 12:38:54
poo_zzzzz 様
お手数をおかけしました。ご指摘の点、承知しております。書き方が?になってしまい申し訳ございません。
後から見直し、(-_-;)もので失礼しました。
定義の条文、しかと理解しました。
いつも貴重なご指摘を賜り恐縮です。
さらに精進いたします。
hauser 2017-02-16 15:28:18