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厚生年金保険法/第2号厚生年金被保険者等の高齢任意加入被保険者
Chibii-Chibi 2017-02-22 18:17:08
厚生年金保険法の適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者についてです。
法附則第4条の3第10項で、「第2号厚生年金被保険者又は第3号被保険者に係る事業主については、第3項及び第6項から第8項までの規定は、適用しない」とあります。
山川先生の口述講義では、この部分の説明として、「事業主の同意が無くても、被保険者半額負担、事業主半額負担、保険料を納付する義務は事業主が負う」ように話されていました。
某通信教育大手の市販本では、「必ず被保険者が全額を負担し、かつ納付する義務を負う」となっています。
逆の内容となっていて、混乱しています。
条文の解釈の仕方で違いがでてきているのかとも思いますが、どちらが正しい内容なのでしょうか。
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法附則第4条の3
適用事業所に使用される七十歳以上の者であつて、老齢厚生年金、国民年金法による老齢基礎年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であつて政令で定める給付の受給権を有しないもの(第十二条各号に該当する者を除く。)は、第九条の規定にかかわらず、実施機関に申し出て、被保険者となることができる。
2 前項の申出をした者は、その申出が受理されたときは、その日に、被保険者の資格を取得する。
3 前項に規定する者が、初めて納付すべき保険料を滞納し、第八十六条第一項の規定による指定の期限までに、その保険料を納付しないときは、第一項の規定による被保険者とならなかつたものとみなす。ただし、第七項ただし書に規定する事業主の同意がある場合は、この限りでない。
4 第一項の規定による被保険者は、いつでも、実施機関に申し出て、被保険者の資格を喪失することができる。
5 第一項の規定による被保険者は、第十四条第一号、第二号若しくは第四号又は次の各号のいずれかに該当するに至つた日の翌日(その事実があつた日に更に被保険者の資格を取得したときは、その日)に、被保険者の資格を喪失する。
一 第八条第一項の認可があつたとき。
二 第一項に規定する政令で定める給付の受給権を取得したとき。
三 前項の申出が受理されたとき。
6 第一項の規定による被保険者は、保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を滞納し、第八十六条第一項の規定による指定の期限までに、その保険料を納付しないとき(次項ただし書に規定する事業主の同意があるときを除く。)は、前項の規定にかかわらず、第八十三条第一項に規定する当該保険料の納期限の属する月の前月の末日に、被保険者の資格を喪失する。
7 第一項の規定による被保険者は、第八十二条第一項及び第二項の規定にかかわらず、保険料の全額を負担し、自己の負担する保険料を納付する義務を負うものとし、その者については、第八十四条の規定は、適用しない。ただし、その者の事業主が、当該保険料の半額を負担し、かつ、その被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うことにつき同意をしたときは、この限りでない。
8 事業主は、第一項の規定による被保険者の同意を得て、将来に向かつて前項ただし書に規定する同意を撤回することができる。
9 第一項から第六項までに規定するもののほか、第一項の規定による被保険者の資格の取得及び喪失に関し必要な事項は、政令で定める。
10 第二号厚生年金被保険者又は第三号厚生年金被保険者に係る事業主については、第三項及び第六項から第八項までの規定は、適用しない。
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さて、第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者に係る事業主については、上記法附則第4条の3の、3項、6項、7項、8項が適用されないのです。
3項:高齢任意加入被保険者が最初に納める保険料を納めなかった場合の資格取得の取り消し
6項:最初に納める保険料以外の保険料を納めなかった場合の資格喪失
7項:保険料の全額被保険者負担と、事業主の同意があった場合の例外
8項:前項の事業主の同意の撤回
が、適用されないのですが、このような見方をしていては、おそらく判断できないでしょう。
注目すべきは、7項の内容です。
7項には「第一項の規定による被保険者は、第八十二条第一項及び第二項の規定にかかわらず、保険料の全額を負担し、自己の負担する保険料を納付する義務を負うものとし、その者については、第八十四条の規定は、適用しない。」と、ありますね?
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法82条 被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料の半額を負担する。
2 事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う。
法84条 事業主は、被保険者に対して通貨をもつて報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料(被保険者がその事業所又は船舶に使用されなくなつた場合においては、前月及びその月の標準報酬月額に係る保険料)を報酬から控除することができる。
2 事業主は、被保険者に対して通貨をもつて賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる。
3 事業主は、前二項の規定によつて保険料を控除したときは、保険料の控除に関する計算書を作成し、その控除額を被保険者に通知しなければならない。
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法附則第4条の3(高齢任意加入被保険者の資格取得)において、通常は7項の適用があるため、高齢任意加入被保険者には法82条1項、2項が適用されません。
だから、高齢任意加入被保険者本人が保険料を全額負担し、被保険者自身が納付する、という高齢任意加入被保険者における「原則」が生まれます。
しかし、第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者に係る事業主については、法附則第4条の3第7項が適用されないのです。
つまり第2号厚生年金被保険者又は第3号厚生年金被保険者が高齢任意加入被保険者になった場合でも、その事業主には法82条1項、2項が適用され、その場合、法84条も適用されます。
参考になった:7人
poo_zzzzz 2017-02-23 01:47:56
poo_zzzzz様
ご教授いただきまして、ありがとうございます。
振り返れば、山川先生の口述講義でも第7項が適用されないことがポイント、と話されていました。。。
第7項のただし書きのほうにばかり目が行ってしまっていて、前半の厚生年金としての『大原則』の規定にかかわらず、という部分を意識することができていませんでした。
条文の読み方は非常に難しいと感じていますが、疑問に思ったところは、繰り返し条文を読んで理解するように努めたいと思います。
ありがとうございました。
Chibii-Chibi 2017-02-23 16:35:58