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ご質問を拝見してから調べたものなので、自信がありませんが……「これかな?」という条文がありました。


▼昭和60年法附則31条
大正15年4月1日以前に生まれた者又は大正15年4月2日以後に生まれた者であつて施行日の前日において旧厚生年金保険法による老齢年金、旧船員保険法による老齢年金又は共済組合が支給する退職年金(同日においてその受給権者が55歳に達しているものに限る。)若しくは減額退職年金(同日においてその受給権者が55歳に達しているものに限る。)の受給権を有していたもの(寡婦年金にあつては、死亡したこれらの者の妻)については、附則第15条及び第18条並びに国民年金法第3章第2節、同章第5節第1款及び第2款並びに同法第37条第4号、附則第9条の2及び附則第9条の3の規定を適用せず、旧国民年金法中同法による老齢年金、通算老齢年金及び寡婦年金の支給要件に関する規定並びにこれらの年金たる給付の支給要件に関する規定であつてこの法律によつて廃止され又は改正されたその他の法律の規定(これらの規定に基づく命令の規定を含む。)は、これらの者について、なおその効力を有する。


文が長いうえ余計な言葉が多いので、抜粋・改変します。

▼抜粋・一部改変
大正15年4月1日以前に生まれた者(寡婦年金にあつては、死亡したその者の妻)については、寡婦年金の規定を適用せず、旧国民年金法中同法による寡婦年金の支給要件に関する規定及びその支給要件に関する規定であつてこの法律によつて廃止され又は改正されたその他の法律の規定(これらの規定に基づく命令の規定を含む。)は、これらの者について、なおその効力を有する。


つまり、旧法対象者の死亡によってその妻に支給する寡婦年金は、旧法の規定をもとにして支給すると言ってい(るように、私の読解力では読み取れ)ます。

この法附則31条は、原則的には新法による老齢・退職給付の対象となる年齢の者であっても、新法施行時に既にその受給権が発生していた年金たる給付については、旧法の給付をそのまま行うことを規定したものです。
対象者はかなり多かったはずで、その意味で比較的重要な規定だと思われますが、同じ条文の中でひっそりと寡婦年金についても同様ことが規定されていたんですね。
大正15年4月1日以前生まれの者、つまり「存命であれば旧法の規定で老齢年金が支給される者」の保険料納付済み期間等を根拠とする給付なので、その括りで、存命者の老齢・退職給付に準じる取扱いになったものと想像しています。


したがって、以下のようなロジックになると思われます。
・旧国民年金法の老齢年金の受給権を満たした者について、寡婦年金の支給要件は、旧法の規定を適用する。
・旧法でも、死亡した者が老齢年金の支給を受けていた場合は、寡婦年金は支給されない。
・よって、法附則29条2項にみなし規定を入れるまでもなく、新法下で寡婦年金の受給権は発生しない。

なお、旧法時代は、寡婦年金の額は亡夫の老齢年金の額の2分の1(現在は4分の3)で、老齢年金との併給調整がありませんでした。
この受給権を新法に合わせて改正してしまうと、老齢基礎年金の受給権を取得すると、寡婦年金が失権となってしまいます。
旧法の規定を当てにしていた高齢の寡婦に極めて不利な改正となってしまう場合があるために、経過措置的に残されたという考え方もできます。

参考になった:3

towalion 2017-04-12 20:27:25

なぜ、(60)法附則29条 2項において、
「法49条1項の規定の適用については、旧国民年金法による老齢年金、通算老齢年金は老齢基礎年金とみなす。」という文言がないのでしょうか?
という私の質問に対して、法的根拠を示して下さりありがとうございました。また、それについて具体的に解説して下さりありがとうございました。

ご回答を受けて、「ある法はどの法令とどのようにつながっているか」という視点の大切さをあらためて強く感じました。また、
法令についての知識がなければ、その視点をうまく活かすことはできない!と思いましたので、法令についての知識の幅をどんどん広げていかねば!と思っています。

それでは失礼いたします。

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watam  2017-04-13 15:21:23



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