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国民年金法/老齢基礎年金を支給繰り下げした場合の振替加算について
herewego-tm 2017-04-21 00:38:59
テキストより
老齢基礎年金の支給を繰り下げる者については、「老齢基礎年金の支給」の開始と同時に振替加算が行われる。
↓なお
老齢基礎年金の支給を繰り下げたとしても、振替加算相当額については増額されない。
Q:老齢基礎年金の支給繰り下げをした場合、振替加算が行われるまでは
その振替加算分は振替されずに配偶者がもらい続けるということでしょうか?
ご教示よろしくお願いします。
老齢厚生年金の学習はお済みですか?
まだでしたら、これが終わってから、解らなければご質問ください。
振替加算は国民年金法の制度、老齢厚生年金の加給年金額は厚生年金保険法の制度です。
厚生年金保険法の制度について、国民年金法が直接特別な規定を置くことはありません。つまり、規定があるとすれば厚生年金保険法です。
老齢厚生年金の学習を終えて、そこに特別なことが書いてあればそのとおりですし、書いていなくてもそのとおりです。
参考になった:1人
poo_zzzzz 2017-04-22 23:30:55
回答いただきありがとうございます。
厚生年金保険法は受講済みです。
厚生年金保険法44条4項より
配偶者が65歳になったときの翌月から年金額を改定する。
とありました。
そうすると配偶者が65歳以降に老齢基礎年金の支給繰り下げを
した場合、加給年金も振替加算もなくなるので実際にそんな選択を
する人がいるのかなと疑問に思いました。
法律上の規定がそうなっているだけで実際はそんな
選択をする人はほとんどいないという理解で良いでしょうか?
よろしくお願いします。
herewego-tm 2017-04-23 00:50:42
例えば18歳で結婚し、ずっと専業主婦だった昭和27年4月23日生まれの者が、老齢基礎年金を受け、振替加算を受けるとしましょう。
以下はごく大まかな概算で、かつ、年金額の変動を考えません。
まず、振替加算がなかったとしましょう。
この場合、任意加入をしていなければ、老齢基礎年金の額は、おおよそ約50万円です。
なぜならば、昭和61年4月に36歳なので、35歳までは合算対象期間になってしまうからですね。
この者が70歳まで繰下げたとすれば、年金額は約71万円になります。差額は約21万円です。
しかし70歳まで繰下げることで、5年間の年金約250万円は受給できません。これは差額の約12年分です。
つまり、この者は81歳の終わりまで年金を受けなければ損をします。
この者に振替加算があれば、額は約7万円です。老齢基礎年金の額や、約57万円です。
この者が70歳まで繰下げたとすれば、年金額は約78万円になります。差額はやはり約21万円です。
しかし70歳まで繰下げることで、5年間の年金約285万円は受給できません。これは差額の約13.5年分です。
つまり、この者は82歳の半ばまで年金を受けなければ損をします。
このように、支給の繰下げは、表現は悪いですが、いわば、長寿が予想できるかどうかを選択肢とする「賭け」です。
70歳の時点で、過去5年間の年金を遡って一括受給するのか、繰下げるのかを選択できますが、その時点であっても82歳まで生きるかどうかはわからないでしょう?
家系的に長寿で、かつ、自身の健康に不安がなければ繰下げの選択をするかもしれません。
しかし、いったん繰下げ受給してしまうと、71歳で重大な病気が発症しても、もう遡り受給はできませんから、やはり「賭け」です。
なにより、この選択には、60歳~65歳の間の経済状態が問題になります。
65歳時点でとりあえず繰下げを選択して、繰下げをしない場合は、繰下げ開始年齢までに申し出て遡って年金受給が可能ですが、それにしても、65歳時点で年金が必要ならばそんな悠長なことは言っていられません。
それどころか、60歳~64歳で繰上げ請求せざるを得ない場合もあるでしょう。そのような場合は繰下げなんて考えることもできません。
つまり、支給の繰下げは、65歳時点で、まだ経済的に余裕があり、かつ、長寿に自信がある方の、賭けに近い「選択」なのです。
振替加算部分が繰下げ増額されず、かつ、65歳以降は加給年金額が加算されない、ということも、この「選択」を考える場合のファクターの一つに過ぎません。
85歳、90歳、あるいはそれ以上まで生きる自信があって、例えば70歳までの繰下げを選択される方にとっては、振替加算がなくて損益分岐点が81歳の終わりであっても、振替加算があって損益分岐点が82歳の半ばであっても、繰下げるかどうかの判断にはあまり関係ないような気がします。
振替加算の額は生年月日に応じて減り続けますから、選択を考える場合のファクターとしては、今後はますます小さくなっていきます。
参考になった:5人
poo_zzzzz 2017-04-23 08:58:40
事例で詳しい解説ありがとうございました。
支給繰り下げは寿命の予想での駆けという意味がよく理解できました。
国民年金法と厚生年金保険法のつながりを
整理して総合的に考えられるようにこれからもっと
学習を深めていきたいと思います。
herewego-tm 2017-04-23 11:56:57