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uclowxさん、こんにちは。

〉そもそも、BがなぜAに対して土地を販売できるの

これは、「なぜ二重譲渡ができるのか」と同じ疑問ですね。
たとえば、AがBに売却した土地をCにも売却した場合、ご存知の通り、登記でBとCの優劣を決しますが、そもそもなぜBに売却した土地をCにも売却できるのか、という疑問が生じます。
この点は、学者の間でも様々な説明がなされていますが、通説的な考え方としては、「AがBに土地を売却しても登記を移転していなければ、当該土地の所有権はBに完全に移転したわけではなく、Aの元に何がしかの権利が残っているので、Cにも同じ土地を売却できる」と説明します。

したがって、取消後の第三者の事例も、「Cの取消しによりBからCへ甲土地は戻ったが、登記がB名義のままになっていたのでBの元には何がしかの権利が残っており、Aにも甲土地を売却できる」と説明することになります。

ただ、基本的に宅建試験では不要な議論なので、これ以上は深入りしないことをお勧めします。

〉取消し後であれば、登記を先に備えている方が優先っていうのに納得できなくて

取消後の第三者について、二重譲渡類似の事例と捉え、登記で決着をつけるという判例の考え方(基本テキストVol.1 P81欄外の「補足説明」参照)には、多くの学者も納得しておらず、判例とは異なる見解を取る学者が少なくありません。

そもそも、契約を取り消すとその契約は初めからなかったことになります(取消しの遡及効・民法121条)。
つまり、先の事案に当てはめると、Cが強迫を理由に契約を取り消すと契約は初めからなかったことになるため、甲土地はCの手元からは1ミリも動かなかったことになるはずで、判例のように「取消しによって甲土地がBからCへ戻る」と説明するのは、取消しの遡及効と矛盾するからです。

そこで、多くの学者は取消後の第三者Aを、「登記を有する無権利者Bから甲土地を買った者」と位置づけ、Aの善意・無過失を要件に民法94条2項の類推適用により第三者Aの保護を図っていきます。

94条2項の類推適用については、基本テキストVol.1 P86の一番下の「例外」で紹介しているお話しなので、テキストをご参照ください。

ただ、これも宅建試験では不要な議論なので、深入りは禁物です。

タキザワ宅建予備校 講師 瀧澤宏之

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nobori_ryu 2018-06-18 07:45:16

丁寧にありがとうございます。
疑問に感じる人が自分だけじゃなかったみたいで安心しました。

そうですね。深入りしすぎずにこれからに集中します。

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uclowx 2018-06-21 08:58:20



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