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権利関係 [過去問]/平成22年 権利関係
uclowx 2018-06-21 08:58:20
AがBから甲土地を購入したところ、甲土地の所有者を名のるCがAに対して連絡してきた。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
甲土地はCからB、BからAと売却されており、CB間の売買契約がBの強迫により締結されたことを理由として取り消された場合には、BA間の売買契約締結の時期にかかわらず、Cは登記がなくてもAに対して所有権を主張することができる。
回答⇒誤り
解説⇒CがBの強迫を理由に売買契約を取り消すより前に、Aが甲土地を取得していた場合(「取消前の第三者」の場面)、Cは、登記がなくても、Aに対して所有権を対抗することができます。他方、Cの取消しより後にBがAに甲土地を譲渡した場合は、CとAとは、先に登記を備えた方が所有権を対抗することができる関係になります(「取消後の第三者」の場面)。したがって、B・A間の契約の時期によって、CとAの関係は異なります。
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ここで質問なのですが、
取消しの前に売買契約を締結していたら、脅迫による無効を理由に対抗できることについては、納得できます。
しかし、取消し後であれば、登記を先に備えている方が優先っていうのに納得できなくて、、、
そもそも、この土地自体は、問題文の通り「CからB、BからA」と移っています。そこで、CとBとの契約を脅迫を理由に取り消したのですから、そもそも、BがなぜAに対して土地を販売できるの?という疑問にぶつかります。登記の時期も何も、BはAに販売する土地を持っていないじゃないか。という疑問です。。。
他人物売買だとしても、Aはその事実を知らなかったとしても、Cの承諾が必要なのでは?
ということです。
長々とすみません、教えてください。
uclowxさん、こんにちは。
〉そもそも、BがなぜAに対して土地を販売できるの
これは、「なぜ二重譲渡ができるのか」と同じ疑問ですね。
たとえば、AがBに売却した土地をCにも売却した場合、ご存知の通り、登記でBとCの優劣を決しますが、そもそもなぜBに売却した土地をCにも売却できるのか、という疑問が生じます。
この点は、学者の間でも様々な説明がなされていますが、通説的な考え方としては、「AがBに土地を売却しても登記を移転していなければ、当該土地の所有権はBに完全に移転したわけではなく、Aの元に何がしかの権利が残っているので、Cにも同じ土地を売却できる」と説明します。
したがって、取消後の第三者の事例も、「Cの取消しによりBからCへ甲土地は戻ったが、登記がB名義のままになっていたのでBの元には何がしかの権利が残っており、Aにも甲土地を売却できる」と説明することになります。
ただ、基本的に宅建試験では不要な議論なので、これ以上は深入りしないことをお勧めします。
〉取消し後であれば、登記を先に備えている方が優先っていうのに納得できなくて
取消後の第三者について、二重譲渡類似の事例と捉え、登記で決着をつけるという判例の考え方(基本テキストVol.1 P81欄外の「補足説明」参照)には、多くの学者も納得しておらず、判例とは異なる見解を取る学者が少なくありません。
そもそも、契約を取り消すとその契約は初めからなかったことになります(取消しの遡及効・民法121条)。
つまり、先の事案に当てはめると、Cが強迫を理由に契約を取り消すと契約は初めからなかったことになるため、甲土地はCの手元からは1ミリも動かなかったことになるはずで、判例のように「取消しによって甲土地がBからCへ戻る」と説明するのは、取消しの遡及効と矛盾するからです。
そこで、多くの学者は取消後の第三者Aを、「登記を有する無権利者Bから甲土地を買った者」と位置づけ、Aの善意・無過失を要件に民法94条2項の類推適用により第三者Aの保護を図っていきます。
94条2項の類推適用については、基本テキストVol.1 P86の一番下の「例外」で紹介しているお話しなので、テキストをご参照ください。
ただ、これも宅建試験では不要な議論なので、深入りは禁物です。
タキザワ宅建予備校 講師 瀧澤宏之
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nobori_ryu 2018-06-18 07:45:16
丁寧にありがとうございます。
疑問に感じる人が自分だけじゃなかったみたいで安心しました。
そうですね。深入りしすぎずにこれからに集中します。
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uclowx 2018-06-21 08:58:20