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行政法/原処分主義と裁決主義について
hisyawo 2017-07-22 13:35:23
行政事件訴訟法の原処分主義について、「原処分の取り消し訴訟しか許されないとする建前では有りません。原処分と裁決のどちらも対象とすることが出来ます。」との記載と「裁決の取消しの訴えにおける取消しの理由を制限する」との記載について『どちらも対象にすることが出来ます』と『取消し理由を制限する』との文字列だけで意味を理解することが出来ません・・・
例えば、営業許可処分の取消処分を受けた場合については、
何が出来て、何が出来ないのかを具体的に教えて頂けませんか?
こんにちは〜、smileと申します。
原処分主義に関する質問ですね。
まずは条文を確認しましょう。
行政事件訴訟法10条2項
「(1)処分の取消しの訴えとその処分についての審査請求を棄却した裁決の取消しの訴えとを提起することができる場合には、
(2)裁決の取消しの訴えにおいては、処分の違法を理由として取消しを求めることができない。」
(1)について
まず、「処分の取消しの訴え」と「裁決の取消しの訴え」の両方を提起することが可能な場合の話です。
↓ 具体例に即して言うと
私が営業許可の取消処分を受けた場合、①裁判所に対して取消訴訟を提起するか、②行政機関に対して審査請求をするか
の選択が、原則的には可能です(自由選択主義、行政事件訴訟法8条)。
↓ この状態で
私は②を選択し審査請求しましたが、私の負けということで棄却裁決が下されました。
↓ この場合
私としては、❶営業許可の取消処分(原処分)自体おかしいと思っているし、
❷棄却裁決もおかしいと思っています。
↓ そこで
❶に対しては「処分の取消しの訴え」、❷に対しては「裁決の取消の訴え」の提起が可能です。
↓
これが(1)の状況で、あなたのおっしゃる「原処分の取り消し訴訟しか許されないとする建前では有りません。原処分と裁決のどちらも対象とすることが出来ます。」
もこの状況のことだと思われます。
(2)について
この(1)の状況において、私は裁決が許せなかったので「裁決の取消の訴え」を提起しました。
↓ この場合
「裁決の取消の訴え」の中では、
→「裁決」固有の違法性しか争えません。
例えば、(ⅰ)正当な理由もなく文書の閲覧請求を拒まれ裁決されたとか、(ⅱ)理由不備の裁決がなされたとか
→「(原)処分」の違法性を争うことはできません。
例えば、営業許可申請の際に虚偽申告があったことを理由に許可の取消処分がなされたような場合に、
虚偽申告などしていないから取消処分は違法だ〜!などと争うこと。
↓
これが(2)の言っていることで、あなたのおっしゃる「裁決の取消しの訴えにおける取消しの理由を制限する」も
この趣旨の記載だと思います。
まとめ
結局、行政事件訴訟法10条2項の趣旨は、
・「処分」→「処分取消の訴え」
・「裁決」→「裁決取消の訴え」
とそれぞれの訴訟類型を設けたのだから、このルールを守ってくださいね!
「処分」のことについて、「裁決取消の訴え」の中でごちゃごちゃ言わないでくださいね!ということです。
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smile0821 2017-07-29 10:54:51