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民法/即時取得
andou 2018-05-20 19:58:41
即時取得に関する問題です。
Aの所有する宝石をCが盗み出し、CがこれをBに売却したが、Bは、その宝石が盗品である事実について善意・無過失であった場合
答えは 「即時取得ができる可能性がある」とのことです。
この設問が腑に落ちないので教えていただきたいです。
宝石の流れはAからC、CからBのはずです。
CからBの場合、即時取得の要件を満たしているとするのは分かります。
しかし、AからCへの動きは、明らかに要件を満たしておらず、即時取得が成立していないのではないですか?
Cが即時取得していないものが、どうして第三者へ移ることになるのかが理解できません。
これは、理屈ではなく最終段階のみ、つまり、CからBだけを考えるということでしょうか?
こんにちは、hiotaruと申します。
即時取得の要件を確認してみてください。
①無権利者から②有効な取引行為で③動産を④平穏・公然・善意・無過失(推定される)で譲り受けた場合、
即時取得が成立する、でしたよね。
即時取得という制度の目的は、無権利者(今回はCさん)の占有を信頼して取引した者(今回はBさん)を保護することにありました。
端折って引用されているので、多分勘違いをされたんだと思いますが、
設問の解答は 「Bは」即時取得できる可能性がある
が正しい答えだと思います。
問題も、「Bについて」、聞かれているのだと思います。
Cはただの占有者であり、所有権(処分権限)はありません。
andouさんも書かれている通り、Cが即時取得する可能性はありません。
即時取得が成立した場合、宝石の所有権はBが「原始取得」します。
つまり、即時取得の場合には、所有権はA→C→Bと移転するわけではなく、新たな権原によりBに所有権が発生するのです。
参考になった:2人
hotaru 2018-05-23 11:33:52
ご回答ありがとうございます。
hiotaruさんの回答は理解できます。
一方で、Bが所有権を得たならば、Aの所有権はいったいどうなるのでしょうか?
つまり、暫定的にAにもBにも所有権があり、Aが取り返したいならば、Bに対して回復請求すれば足りるということでしょうか?
あまり、設問には向いていない問いかけなのかもしれませんが、「所有権」という意味では、理解しておくべき事のように感じました。
andou 2018-05-27 09:26:13
こんにちは、hotaruです。
判例と通説で意見が分かれているらしいのですが…。
一物一権主義、という言葉が講義で出てきたと思います。
一つのものの上には一つの所有権しか存在しない。
ただし、内容の矛盾しない物件、地上権や抵当権(順位のあるもの)はこの原則には反しないとされています。
私は、Bさんの即時取得が成立して完全な形の所有権を得た時点で、Aさんの所有権は消滅するのだと思います。
ただそれでは前所有者にとって不平等なので、法的な救済措置として、1年間の回復請求権、2年間の買取請求権という権利を得るのではないでしょうか。
これらの権利が行使されたときに、その権利の根拠として前所有者に所有権が残っていたと解する。
反対に、一年なり二年なりの期間が経過した時点で即時取得者に所有権が発生するという考えもあるようです。
どちらにせよ、一物一権主義の原則からすると、二人が完全な形の所有権を同時に持つことはないはずです。
加筆・訂正ありましたらよろしくお願いします。
hotaru 2018-05-28 21:54:32