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民法/意思に反した返済
ippatugoukaku 2019-03-18 12:21:24
債務引受では、意思に反した返済ができるとありますが、
弁済では、意思に反した弁済はできないとあります。
違いがわかりません。
教えて下さい。
改正民法を勉強されているのでしょうか?
また、投稿の文章を読む限り、初学者の方だと思われますので
これらを前提に、出来るだけ簡潔に話を進めますね。
債務引受は、「契約」なので債権者と引受人だけですることができます。
この場合、債権者が債務者に、債務引受の契約をした事を通知すれば、
債務引受が成立します(改正472条2項)。契約+債権者の通知=効力発生
改正前は、債務引受の条文はなく、判例で「・・債務者の意思に反しない
限り、債権者と引受人の同意のみでできる」というものがありました。
つまり、債務者の意思に反している場合は、債務引受ができませんでした。
しかし、債務引受により、元の債務者は免責されます。
引受後、新債務者が弁済した後であっても、元の債務者に対して、「代わりに
弁済してやったんだから、オレに払え」ということはできないことが条文に
新説されました(改正472条の3)。
債務者は、債務引受により免責されるだけで、その後も不利益を受けることは
ないので、債務引受に債務者の意思を考えなくてもいいということですね。
弁済は、原則、誰でもすることができます。ただし、法律上の利害関係のない人は
債務者の意思に反して、弁済できません。法律上の利害関係のない第三者が弁済した場合、
債務者は、「法律上の原因なく他人の財産によって利益を受け、そのために他人
に損失を及ぼした」ことになるので、その第三者に返還義務(・・オレに払え!)が
生じてしまいます(703条)。勝手に弁済してもらって、後で(オレに払え!)とか
言われたらイヤですよね。
だから、法律上の利害関係のない人は、債務者の意思に反して弁済することができません。
流れとしては、こんな感じが理解できれば十分だと思います。後は、問題を解いたり、条文
判例を自分で読んで、正確な知識にしていく必要があります。今年の行政書士試験は、改正
民法では出題されないと思うので、今年の受験では、債務引受の上記知識は忘れて下さい。
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lunlu 2019-03-18 17:35:18