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>>②の『前主が動産につき無権利・無権限であること。』ですが
>>そもそも、即時取得は②が大前提の話なのでしょうか?

そうです。大前提となっています。

>>私は、即時取得をテキストと講義で聞いたとき、
>>『即時、権利を取得すること』と思っていました。

少し違います。「即時取得」は民法が作ったいわば制度で、即時に権利を取得することの全てを即時取得と呼ぶわけではありません。1〜5の要件を満たしたときだけの話です。

では、なぜ即時取得という制度があるのか。
まず、原則として、無権利・無権限の人から権利の承継をすることはあり得ないのです。これが筋です。
例えば、所有権で考えてみましょう。もし私が所有するカメラを友人に売ったとします。友人は私の所有権を継承して、所有権を取得しますね。
ですが、無権利の人から所有権を取得することは、原則ダメなのです。私のカメラが、私の知らないところで売買されて所有権を失うとなれば、世の中は大混乱になることでしょう。
しかし、この原則だけでは不都合が生じます。先のカメラの売買で言えば、自分が取得したつもりの所有権が、実は無権利者からの売買だったとひっくり返されることがあり得ます。それもいつ何時にそんな事態になるかわからない不安定な状態が続いてしまいます。
それを避けるため、安心して売買ができるようにするために、即時取得の制度ができました。
私が所有権を持つカメラで、なおかつ私の手元にある(占有している)カメラがいつの間にか他人の所有物になることはありません。当たり前ですね。でも、もし私のカメラだったとしても、私の友人Aが持ち出して、さらに共通の友人B売ったとします。この場合、Bにしてみれば私のカメラだなんて思いもよらないのが普通です。だから、即時取得という制度でBの信頼を守ってやる必要があります。
でも、もし仮にAが住む場所も仕事もなくぶらぶらして私の家に居候している、もちろんお金もない、そんな状態でBにカメラを買ってくれと持ちかけたとします。しかもカメラには私の名前が書いてあったらどうでしょう? こんな場合ならBよりも私の所有権を守るのがいいと思えますよね。Bは私に電話なりで確認すればすむ話です、それを怠ればBに過失があるので権利を取得できません、これが即時取得という制度での結論です。極めて常識的なものです。


>>たとえば、モノを買う。モノを貰う。これらも即時、権利を取得すると
>>思ったのですが、譲渡、売買はモノをあげる側、モノを渡す側が有効に権利を
>>持っていれば②の要件を欠き、即時取得できないと思いました。
>>譲渡、売買などは即時取得とはいわないのでしょうか?また、譲渡、売買が有効に
>>行われた場合でも権利変動はあってもその権利は即時取得ではないのでしょうか?

もちろんモノを買うという場面では権利を即時に取得しています。
ですが、「即時取得」という言葉は使わないということです。

>>もう一つわからないのが即時取得と売買、譲渡のような権利変動は
>>全く別物なのでしょうか?

繰り返しになりますが、所有権が移転するかどうかで言うなら同じ結論です。どちらも移転します。
ただ、即時取得は無権利者からの権利の移転を認める、民法が設けた物権変動の例外ということです。






参考になった:10

mason 2017-04-09 14:25:17

非常にわかりやすいご説明でした。
ありがとうございます。
また、わからない点などございましたら。
その節はよろしくお願い申し上げます。

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hira7777  2017-04-13 16:35:42



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