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民法/不法原因給付の給付について
hachi 2017-04-14 08:54:34
不法原因給付の給付の意義について、
未登記不動産→引き渡し
既登記不動産→引き渡し及び登記(引き渡しに加えて登記が必要)
ということで理解しております。
このうちの未登記不動産について、引き渡しは行われていないが相手方名義の登記の設定があったような場合は給付といえるのでしょうか?
(未登記不動産→引き渡し又は相手名義の登記の設定という解釈は成立するのでしょうか?)
※贈与の「履行の終わった部分」の意義が、
不動産→引き渡し又は登記の移転となっているので、不法原因給付の「給付」にも引き渡し又は相手名義の登記の設定という解釈も成り立つのかどうか疑問に感じました。
よろしくお願いいたします。
こんにちは〜、smileと申します。
708条の趣旨は、「不法の実現に国家権力は助力を与えない」ということにあります。
↓ とすると
「給付」とは、強制可能性を残さない、受益者に「終局的な利益を与えるもの」でなければなりません。
↓ なぜなら
終局的でない給付について給付者の返還請求を否定してしまうと、受益者の給付実現のための強制可能性を残すことになり
本条の趣旨に反するからです。
↓
この考え方からすると、ご質問に対する回答としては、「引渡は必ず必要」となると考えます。
↓ そうでないと
不法原因給付を受けた受益者が、給付者に対して引渡請求をすることになり、国家が受益者に助力することになってしまうからです。
なお、贈与の場合とは話が違います。
550条の趣旨は、「贈与意思を明確化し、軽率な贈与を防止」することにあります。
↓ とすると
「履行が終わった部分」につては、贈与意思が明確になったか否かを基準に判断します。
↓ したがって
引渡あるいは登記のいずれかがあれば贈与意思は明確になっているので、もはや撤回できないという結論になります。
参考になった:9人
smile0821 2017-04-15 14:28:41
smileさん、詳しい解説ありがとうございました!
制度趣旨の違いで、不法原因給付の給付には引き渡しが必要だということがよくわかりました。
感謝申し上げます。
hachi
hachi 2017-04-15 15:27:24