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商登法/記述式基礎編第5問について
m5611m 2022-02-17 16:40:01
2022商業登記法記述基礎編第5問
P52 別紙1 A種類優先株式の内容2で
「当会社は、法令に別段の定めがある場合を除き、会社法第322条1項に定める種類株主総会の決議を要しない。」
と登記されているのですが、テキスト(ⅠのP136③b)では「定款で当該種類株主総会の決議を不要と定めることはできない」となっています、また同テキストのP132の「定款で種類株主総会の決議不要とできるもの」重要ポイント表05にも含まれておらず何故上記のような登記をすることが可能なのかわかりません。
ご返答の程よろしくお願いいたします。
m5611mさん、こんばんは。
まず、会社法322条1項は、種類株式発行会社が一定の行為(ex.株式分割)をする場合に、ある種類の株主に損害を及ぼすときに、種類株主総会の決議を要すると定めています。
また、2項では、あらかじめ定款で定めておくことで、1項の種類株主総会を不要とできる場合があることを認めています。
そして、会社がこれを定款で定めた場合は、それが登記事項となります。
これが本問のP53別紙1で登記されている状態となります(この登記は不要としてよいものについては、当会社は種類株主総会の決議は行わないという内容になります。)
一方、種類株式発行会社が一定の行為をする場合に、ある種類の株主に損害を及ぼすときに、上記定款の定めをすることによって、常に種類株主総会を不要とできるのかというと、そうではありません。
できるものとできないものがあります(重要ポイント表05)。
疑問に思われた原因は、問題P53の「発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容」欄で1.の剰余金の配当についての優先株の内容があり、その次に2.として322条1項の種類株主総会不要の内容が記録されているので、これを連動した内容として捉えられているのではないかと思います。
つまり、剰余金の配当についての種類株式を追加する・内容を変更する場合にある種類の株主に損害を及ぼすときには種類株主総会が必要であり、これは定款で定めても不要とはできないはずである、と考えられたのではないでしょうか。
しかし、この1.と2.は、並べて記録されていても、内容が連動してるわけではありません。
1.は、剰余金の配当についての優先株式の内容です。
2.は(区別をしていませんから)優先株式・普通株式に共通する内容であり、上記のとおり、「うちの会社では、322条1項で定められた行為のうち、定款で定めることで種類株主総会の決議を行わなくてもよいとなっている項目については、行いません。」ということを意味しています。
したがって、これは、「剰余金の配当についての種類株式を追加する・内容を変更する場合にある種類の株主に損害を及ぼすときであっても、うちの会社では種類株主総会を行いません。」という内容を定めているわけではないということです。
講師 小泉嘉孝
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koizumi1 2022-02-19 22:24:32