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刑法/公正証書原本不実記載等罪と離婚
hinotori 2022-05-16 23:49:48
過去問 H元年27-5:『真実結婚する意思のない男女が、婚姻届を出して、市町村長をして、戸籍の原本にその旨を記載させた場合、公正証書原本不実記載等罪が成立する。』正解〇
理由:大判大4.4.30
では、
Q1:偽装離婚の場合(上記シーン)も、公正証書原本不実記載等罪(刑法第157条第1項)に抵触しますか? 理由:1)債権者から、債務を逃れるため、偽装離婚の実態が多いが、逮捕されたニュースを聞いた
ことがないため。
2)公正証書の具体例として、不動産登記簿(記録:所有権移転原因を、贈与であるのに、売買と虚偽申請 大判.10.12.9 平成28年12.5 平成29年 重判4事件 ). 商業登記簿(記録:仮装の株式払い込みに基づいて、新株発行による変更登記を申請して、商業登記簿原本に記載させた。最決平3.2.28 アイデン架空増資事件:会社法判例百選2版102)や戸籍簿・住民票原簿(最判昭36.6.20) 以上は、確認しています。
3)上記古い判例:大正時代には、国際結婚による、日本人配偶者の在留資格取得を目的とすることは、あまり考えられませんが、婚姻により、(夫または妻のいずれか一方が、日本人:国籍ならば)3か月以上、日本本国内へ滞在できる身分関係を取得できるのに対し、離婚は、配偶者身分喪失なだけ、上記ケースでは、身分上の在留資格の喪失あり。4)民法では、偽装婚姻は、無効(最判昭44.10.31。民法判例百選Ⅲ1)偽装離婚は、有効
結論:偽装離婚による戸籍簿や住民票原簿への記録は、公正証書原本不実記載等罪(刑法第157条1項)に当たらない。以上でよいでしょうか?宜しくお願いします。
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