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不登法/地上権抹消登記について
ayu 2022-06-10 12:58:23
存続期間満了でも地上権に担保権者がいた場合、その担保権者の承諾証明書を提供しないと抹消登記できません。
なぜですか?
存続期間満了が満了であれば登記記録から明らかなのでは?
ayuさん、こんばんは。
地上権の抹消登記を申請する場合に、担保権者の承諾証明情報を提供する理由は、抹消される地上権の存在を前提として担保権者が登記上の権利関係を有するときに、地上権設定の当事者のみの事由(解除等)で抹消手続がなされると担保権者が不測の損害を被るため、これを防止するためです。
そうすると、地上権設定の際に存続期間の定めがある場合は、これが登記事項となっていることから、これを前提として担保権設定の登記がなされている以上、存続期間満了による当該地上権の消滅は担保権者が設定当初から把握していた事実といえるため、上記趣旨があてはまらないのではないかということは確かに論点となります。
しかし、このケースを除外する規定ないし先例等はなく、逆にこの場合にも担保権者の承諾を証する情報の提供を要するとする見解が登記研究で示されています(登研439号)。
登記上の利害関係人に該当するか否かの判断基準は、基本的に登記の外形から判断するようになっており、本件のように実質的な要素が考慮されない場面も存在するため、そういったものは個別に覚えておく必要があります。
また、地上権の当初の存続期間が伸長された場合には、その変更登記においては担保権者は利害関係人とはなっておらず、当該伸長の事実及びこれに基づく存続期間満了時期を担保権者が確実に把握できる機会が保障されているとはいえないとも考えます。
講師 小泉嘉孝
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koizumi1 2022-06-19 19:52:11