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民訴法/処分権主義と判決
hinotori 2022-09-25 21:04:40
過去問22-4ア(過去問対策講座17-18):Q1:原告の立退料(申し立金額)<判決(立退料)では、処分権主義(民訴246条)に反すると思いますが?
講座及び過去問集でも、正解 ×(処分権主義に反しない)は、結論同じですが、理由:最判 昭46.11.25を上げていました(パーフェクト過去問集 230頁早稲田経営出版より引用)
Q2:上記判例の射程範囲(金額の差異)は、B2C(対個人)とB2B(対法人)で、当然異なると思いますが、微々たる金額の齟齬(数万円単位?)であれば、当該判決の射程範囲で、処分権主義に反しないと考えてよいでしょうか?ビジネス的にも、訴訟経済的にも、早く決着した方がよいからとも当然考えています。
Q3:解答するのに、判例百選(有斐閣)の掲載 75事件)を読むことを試験官は、要求していたのでしょうか?
過去問 肢 ア:建物の賃貸借契約の終了を理由とする建物明け渡し請求訴訟において、原告が、立退料と引き換えに明け渡しを求めている場合には、裁判所は、原告の申出額を超える立退料の支払いと引き換えに明け渡しを命ずる判決をすることはできない。
以上、単発肢で、判断できませんでした。よろしく、お願いします。
hinotoriさん、こんにちは。
処分権主義に反しないとされる一部認容判決における「一部認容」とは、量的範囲に限らず、請求の質的一部を認容することも含まれる、という論点です。
質的一部を認容するものとして、登記の全部抹消に代えて一部抹消(更正)登記を命ずる、家屋の全部明渡しに代えて一部明渡しを命ずる等がありますが、引換給付判決についても、この点が問題となります。
原告が明示した金額を増額して明渡しを命ずることも質的な一部認容として有されるというのが本判決(最判昭46.11.25)の結論です。
立退料を増額するということは、原告の請求を一部縮減して認容したということになるからです。
したがって、逆に立退料を減額することは、原告の請求の範囲を超えることになり、処分権主義に反します。
本判決の射程がどの範囲か(金額の不一致としてどこまで認めるか)というのは、判例研究の対象ではありますが、試験的論点としては考える必要はありません。
上記の範囲で理解しておけば足り、「判例百選」を読むことまで要求されているわけではありません。
講師 小泉嘉孝
参考になった:2人
koizumi1 2022-09-27 14:39:20
小泉先生、ご回答ありがとうございます。過去問肢から、色々と学ぶことありました。試験対策的には、1)単純暗記やショートカット思考ではダメ 2)午後の部 肢アは注意 3)判例百選や判例六法の判例読んでいても、試験では、対応できるとは限らない。 結果:受験基本書や学者の書かれた本読んでも、読みが浅くあったり.読み方のバイアスがかかってしまい、タイムロスが多い。リーガルクエストや伊藤眞教授のなど読んでも、自身の読解力では、対応できなかったです。
*ただ。物置から、出してきた縦書きで書かれた『民事訴訟法 第5版 上田 徹一郎 著 法学書院 182頁』より、『原告の意思の合理的な解釈、したがって、その結果が、原告にとって不意打ちにならないこと、ことに被告にとって不意打ちにならないこと.とを基準にしなければならない。』上田先生の本は、行間の読めない眼力でも読めました。
独学では、過去問集持っていても、(自身は、)試験対策無理と悟りました。今後とも、講座宜しくお願いします。
hinotori 2022-09-28 10:53:52