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nirverna220さん、こんばんは。

1について
乙は、相続人の一人ですが受贈者として特定承継人としての地位も有しており、受贈者乙と相続人丙は当事者の関係となります。
丙は贈与者甲の権利義務を承継しており、甲と一体と考えます。
そうすると、元々贈与者甲と受贈者乙が当事者の関係にあるならば、相続人丙と受贈者乙の関係も当事者の関係にあると構成されます。
したがって、相続人丙に対して、受贈者乙は、登記なくして所有権全部を有することを主張できます。

5について
通常、「生前贈与における受贈者」と「相続人全員からの譲受人」の関係は、(所有権全部について)対抗関係となります。
そうすると、仮に丁が相続人全員から譲渡を受けたケースであれば、受贈者乙と譲受人丁は対抗関係となり、丁に所有権移転登記がなされた以上、乙は所有権全部を丁に主張することができません。

しかし、本肢では、丙は「乙持分」については無権利であり、これを丁に譲渡することができず、丁も無権利となります。
丁に対する譲渡の段階で丙単独の相続登記がなされており、丙が所有権全部を有すると丁が信じたとしても、登記に公信力がない以上、やはり丁は「丙の持分」しか取得することができません。
そうすると、乙の持分については、無権利者丁との関係で対抗関係となっておらず、乙は登記なくして、その持分を有することを丁に主張することができます。

一方、丙持分については、受贈者乙と相続人丙からの譲受人丁は対抗関係となり、登記を有する丁に対して、乙は丙持分の取得を主張することはできません。

したがって、乙は、自己の持分については登記なくして丁に主張できるが、所有権の全部を有することを丁に対して主張することはできない、という結論になります。
1は相続人「丙に対して」、5は相続人からの譲受人「丁に対して」、それぞれ乙が権利の取得を主張することができるか、となっている点に気をつけましょう。


講師 小泉嘉孝



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koizumi1 2022-10-18 11:14:20



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