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民法/相続
ayu 2022-12-05 12:26:03
可分債権とは,分けることが可能な債権のことですが(典型的なものは金銭債権ですが。)
この金銭その他の可分債権は,相続が開始されたとしても,遺産分割を経ずに各共同相続人に対して各自の相続分に応じて直接承継されることになります。ただし,預貯金(払戻)債権は,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されるものではなく,他の可分債権と異なり,遺産分割の対象になります。
なぜ、金銭その他の可分債権は遺産分割を経ずに,相続開始によって当然に,各共同相続人にその相続分に応じて承継されるものとして扱われているってなっているのですか?
なぜ、預貯金については,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されるものではなく,他の可分債権と異なり,遺産分割の対象になると解されているのですか?
ayuさん、こんばんは。
共同相続された預貯金債権は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となるというのが判例(最大決28.12.19・最判平29.4.6)の結論です。
従前は「金銭債権」一般(不可分債権は除く)は、当然に分割され、遺産分割の対象とならず(最判昭29.4.8・最判昭52.9.19参照)、「金銭」は遺産分割の対象の対象となる(最判平4.4.10参照)とされていました。
「金銭債権」一般は、当然に分割され、遺産分割の対象とならないのは、可分債権として、民法427条の適用を受けるためです。
しかし、預貯金は、預金者においても、確実かつ簡易に換価することができるという点で現金との差をそれほど意識させない財産であること等を考慮して、金銭債権のうち、預貯金債権については遺産分割の対象となるとしたものです。
講師 小泉嘉孝
民法427条
数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。
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koizumi1 2022-12-07 21:52:43