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不登法/仮処分の登記
takugin97 2023-02-25 21:32:41
皆様、よろしくお願いします。
テキストに次の登記記録と解説があります。
【甲区】
1 所有権保存 A
2 所有権移転 B
【乙区】
1 抵当権 X
2 抵当権移転請求権保全仮登記 C
付記1号 処分禁止仮処分 C
解説…上記の場合、Cは、「保全すべき登記請求権(乙区2番:抵当権移転請求権保全仮登記 C)」の
本登記「抵当権移転 C」を入れると同時に、「処分禁止仮処分」に後れる登記を抹消できる。
そもそも、この登記記録について疑問があるのです。
今回の例では、抵当権の移転が問題となっていると思います。
自分では、「所有権以外の権利の移転・抹消のときは、乙区に処分禁止の登記。保全仮登記併用ではない」と認識していました。
そのため、乙区2番の保全仮登記がある理由が分かりません。
どう考えればよいのでしょうか。あるいは、テキストの記載ミスでしょうか。
ご指導をお待ちしております。
関連過去問:H6-7-2 記述H17
結論:『抵当権移転請求権(2号仮登記)』+『処分禁止の登記』のセットです。仮処分債権者は、保全仮登記に基づく本登記をすることによって、順位を保全することができる。(民事保全法58条3項)
理由:民事保全法53条2項
(不動産の登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分の執行)
第五十三条 不動産に関する権利についての登記(仮登記を除く。)を請求する権利(以下「登記請求権」という。)を保全するための処分禁止の仮処分の執行は、処分禁止の登記をする方法により行う。
2 不動産に関する所有権以外の権利の保存、設定又は変更についての登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分の執行は、前項の処分禁止の登記とともに、仮処分による仮登記(以下「保全仮登記」という。)をする方法により行う。
3 第四十七条第二項及び第三項並びに民事執行法第四十八条第二項、第五十三条及び第五十四条の規定は、前二項の処分禁止の仮処分の執行について準用する。
第四章 仮処分の効力
(不動産の登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分の効力)
第五十八条 (前後の項は略)
3 第五十三条第二項の仮処分の債権者が保全すべき登記請求権に係る登記をするには、保全仮登記に基づく本登記をする方法による。
*緊急性があり当事者も『カリカリ』・登記も『仮登記・仮処分』があり特にミスると危険。六法及びテキストで再度、確認してください。
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hinotori 2023-03-02 15:25:52
hinotori さん
ご回答を有難うございます。
当方、理解が遅く、再度ご教示いただけませんでしょうか。
ご提示いただきました民事保全法53条2項にある「所有権以外の権利の保存、設定又は変更」には、抵当権移転請求権は含まれないとの認識でよろしいでしょうか。
含まれないとすると、同項後半の「処分禁止の登記とともに、仮処分による仮登記(以下「保全仮登記」という。)をする方法により行う」ことにも該当しないのではないかと思うのです。
そのため、53条1項が示すように、抵当権移転請求権については、処分禁止の登記のみではないかと。
このように考えると、やはり、なぜ保全仮登記まで必要となるのか理解できません。
お忙しいところとは思いますが、どうかよろしくお願いいたします。
takugin97 2023-03-02 21:40:56
先の回答を訂正させていただきます。
おっしゃるとおり、『抵当権移転請求権保全仮登記』は、民事保全法53条2項に含まれません・
結論:1.適用条文:53条1項(仮処分単発型)であって、2項(保全仮登記併存型)でない。
よって、乙区2番仮処分:『抵当権移転請求権保全仮登記』は必要です。
理由:抵当権の順位確保できればよいので。所有権の帰属・無効を争っている事例と本質が異ならないため。
(オートマチック8 民事訴訟法・民事執行法・民事保全法 448~449頁より一部抜粋)
*極みテキスト/2023版では、ご質問事例は、確認できませんでした。
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hinotori 2023-03-03 15:13:36
hinotori さん
ご回答有難うございます。
ご回答について、浅学ながら以下に気づいた点を記載してみました。
結論:1.適用条文:53条1項(仮処分単発型)であって、2項(保全仮登記併存型)でない。
よって、乙区2番仮処分:『抵当権移転請求権保全仮登記』は必要です。
→仮処分単発型であれば、53条1項が適用される。
よって、『抵当権移転請求権保全仮登記』は「不要」ではないかと思ったのですが、
いかがでしょうか。
*極みテキスト/2023版では、ご質問事例は、確認できませんでした。
→山本先生のオートマチックまでお調べいただき、恐縮しています。
改めて感謝申し上げます。
ご指摘のとおり、ネット情報やら他の参考書を見ても、同事例が見当たらないのです。
ただ、上記理由により、自分の手元のテキストの誤植ではないかと。
言い切ることができず、すみません。
よろしくお願いします。
takugin97 2023-03-03 21:39:38
Q:『テキストの記載(takugin97さんお持ち)』について
自分では、「所有権以外の権利の移転・抹消のときは、乙区に処分禁止の登記。保全仮登記併用ではない」と認識していました。
そのため、乙区2番の保全仮登記がある理由が分かりません。
どう考えればよいのでしょうか。あるいは、テキストの記載ミスでしょうか。?
A:お持ちのテキストに誤り(誤植ほか)ありません。
理由:1.実体法からのアプローチ
担保物権の通有性>抵当権の本質>1)付従性(特定の債権を担保するもの『債権なければ、担保なし』*抵当権の流用性の問題ありますね。」)2)随伴性(抵当権の被担保債権が、第三者に移転したときは、債権に伴って、抵当権も移転する。)』 パソコン ウインドウズ11(OS:オペレーションシステム=担保債権)の上に、アプリケーションソフト(表計算ソフトなど=物権>抵当権)が動いてるイメージです。
2.債権譲渡の対抗要件:民法467条1項『・・・譲渡人が債務者に通知をし(XからB)、又は債務者が承諾しなければ(Bの承諾)、』2項『…確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。』
以上、債務者及び抵当権設定者をBと想定する。
3.今回のケースで、1)乙区1番の抵当権者Xが、悪い人(または、ビジネスチャンスになる。早くお金を回収したい)ので、C以外の法人Dへ『被担保債権』を譲渡されることが、想定されます。*物権>所有権の二重譲渡の場面:民法177条と同じですね。
2)もし、被担保債権を、Dへ譲渡されてしまえば(確定日付のある証書)、法人D VS C =法人Dの勝ち・結果:Cがたとえ、抵当権を登記したくても、無効な抵当権になってしまいます。セミの抜け殻みたいで、本体がないイメージです。
3)Cは,『確定日付ある証書』を入手したいがまだ難しい。緊急性・暫定的だが、Cは、裁判所に疎明して、乙区2番:抵当権移転請求権保全仮登記C・付記1号 処分禁止の仮処分の登記をいれた。
4)もし、法人Dが、乙区3番に抵当権の登記を入れても、Cが、対抗要件(債権:確定日付のある証書ほか)が認められれば、付記1号『処分禁止の仮処分』のおかげで、Dの抵当権抹消され、Cの抵当権の法律上の地位を確保できることになります。
結果:『抵当権移転登記請求権保全仮登記』+『処分禁止の仮処分』が、必要となり、テキストに誤りありません。
当初、抵当権については、順位確保できれば、良いかとおもいましたが、『付従性』・『随伴性』のことから、上記処理の登記しないとダメでした。
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hinotori 2023-03-05 13:27:26
hinotori さん
具体例まで挙げていただき、有難うございます。
いつも丁寧なご回答に感謝申し上げます。
抵当権の移転については、付従性・随伴性の考え方が必要ですね。債権譲渡をめぐり、Windowsやセミの抜け殻等、例え方が秀逸です。
拝見して納得していたところ、ネット情報で抵当権移転登記請求権をめぐり、某辰○法律研究所の下記の表記を発見しました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
BとAの間で債権譲渡契約を締結したが,譲渡人Aが登記手続に協力しないためBは裁判所に仮処分命令を申立て,
抵当権移転登記請求権を保全するための処分禁止の登記がなされた。
その後,乙区 1 番付記 2 号の順位でCへの抵当権移転登記がなされた。
1 抵当権設定 原因 (省略)
権利者 A
付記1 1 番抵当権処分禁止仮処分 原因 年月日大阪地方裁判所仮処分命令
債権者 B
付記2 1 番抵当権移転 原因 年月日債権譲渡
抵当権者 C
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
上記を見ますと、保全仮登記は併用せず、処分禁止仮処分のみがされているようです。
お調べいただいた事例とは、異なる内容なのでしょうか。自分では、違いを理解できませんでした。
お気づきの点がございましたら、ご指導をお願いします。
takugin97 2023-03-06 21:55:32
1.再度、訂正で恐縮です。先の回答した、『抵当権移転請求権保全仮登記』は不要です。理由1)民事保全法53条『仮処分単発型』と言いながら、当該登記を要求するのは、おかしい。2)民事保全法2項『不動産に関する所有権以外の権利の保存・設定又は変更について・・・』:保全仮登記併存型には、『移転』が記載されていない。従って、EX.『抵当権の移転』適用条項は、1項の『仮処分単発型です』→『処分禁止の仮処分』のみ。
Q1.事例ケース(①takugin97さんのテキスト ➁:①を想定した事例(私の仮想したもの) ③TM研究所のWEB事例?)
は、全て同じか?
A1:① ➁とも、『処分禁止の仮処分』のみ登記で良いとに訂正させていただきます。混乱を招いてしまい申し訳ありません。
①のテキスト乙区2番『抵当権移転請求権保全仮登記』は、無益的記載事項?ではと思います。単発の『処分禁止の仮処分』の登記だけで良いと解釈しました。『所有権』同様に『抵当権』は、1つしかない。(オートマチック8民事訴訟法・民事執行法・民事民事保全法449頁より)
まず、債権譲渡(民法466条)は、諾成契約(民法466条:EX:将来債権の譲渡なども可能)
全てのケースで、債権譲渡はされていますが、債務(登記義務者)が確保実現されていません。そのポイントから、権利変動が、完成されていない。不動産登記法105条1項 2号登記(EX:抵当権移転請求権保全仮登記)になる。
2.『処分禁止の仮処分の種類』の3パターン
Ⅰ・登記の方法:『処分禁止の仮処分』のみ以下2パターン
登記請求権の内容:パターン1)所有権についての登記請求権を保全するための『処分禁止の仮処分』:民事保全法53条1項 パターン2)所有権以外の権利の移転又は消滅についての登記請求権を保全するための『処分禁止の仮処分』:民事保全法53条1項
理由:1つの権利を目的としているので、その権利に『処分禁止の仮処分』をすればいいから。①は、所有権は、1つしかないから。 ➁所有権以外でも、『移転』・『消滅』なら1つの権利を目的としています。
Ⅱ・登記の方法:『処分禁止の仮処分』+『保全仮登記』の1パターン(以下)
登記の内容:所有権以外の権利の保存・設定又は変更についての登記請求権を保全するための『処分禁止の仮処分』:民事保全法53条3項
理由:所有権以外の権利の保存・設定または、変更は、順位保全が目的です。
*以上、リアリスティク ⑤不動産登記法Ⅱ 343頁より引用(市販の受験参考書では、仮処分の登記を341頁~
358頁記載と最も詳細です。オートマ同様に講義テキスト共通です。)
普段は、小泉先生講義極みテキスト・講座メインですが、今回辞書的に、受験本:①オートマチック・➁スタンダード合格テキスト・③リアリスティクで確認しました。
3.雛形集をながめて パターン
1)1号仮登記の物権的移転(EX:甲区2番:所有権移転) 2)1号仮登記の債権的移転(登記の目的:○番仮登記所有権の移転請求権仮登記 原因:○年▽月○日 売買予約) 3)2号仮登記の物権的移転(登記の目的;○番所有権移転請求権の移転 原因:○年○月○日 売買) 4)2号仮登記の債権的移転(登記の目的:○番所有権移転請求権の移転請求権仮登記 原因:○年○月○日売買予約)5)2号仮登記(条件付所有権)の物権的移転(登記の目的:○番条件付き所有権の移転 原因:○年○月○日 売買)
6)抵当権の1号仮登記の物権的移転(登記の目的:1番仮登記抵当権移転の仮登記 原因:平成20年7月1日債権譲渡)7)抵当権の1号仮登記の債権的移転(登記の目的:○番仮登記抵当権の移転請求権仮登記 原因:○年○月○日 債権譲渡予約)ほか(雛形コレクション・288不動産登記法 東京リーガルマインド刊より引用抜粋)有りました。
*仮登記は、夜、動画見ていても『主登記』・仮登記の判断も難しかったです。
*受験に限らず、ミニマリストを心がけていますが、こちらも難しい。でも、煩悩による浮気は、いけません。
参考になった:0人
hinotori 2023-03-08 16:26:43
hinotori さん
度重なるご検討を有難うございます。
『抵当権移転請求権保全仮登記』は、無益的記載事項?ではと思います。単発の『処分禁止の仮処分』の登記だけで良いと解釈しました。
→同意いたします。おかげさまで、処分禁止仮処分のみとのことで、納得できました。
①オートマチック・➁スタンダード合格テキスト・③リアリスティクで確認しました
→そこまでお調べいただき、恐れ入ります。雛形コレクション・288不動産登記法もご参照いただいたのですね。
(ご回答にある「TM研究所のWEB事例」という表記の意味がよく分かりませんでした)
ここまで長くお付き合いいただき、心より感謝申し上げます。大変心強い限りです!
takugin97 2023-03-08 21:20:22