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A:前提として、元本確定前の抵当権は、付従性・随伴性がない(債権との結びつきない)。そのため、債権とは、関係なく、根抵当権を第三者に譲渡することができる。この場合の『譲渡』は、抵当権の処分(民法376条1項)とは異なる。
『根抵当権』そのものが、移転することであり、譲渡人が、根抵当権者となる。
結論(理由):根抵当権の一部譲渡:転抵当権者にとって、原抵当権に対する法律的価値(担保価値)は、『極度額』は変わらないから。『極度額』は、減少してない。
根抵当権の譲渡のパターン 1)全部譲渡(民法398条の12第1項) 
2)分割譲渡(民法398条12第2項):同順位の別個独立した根抵当権である。 
3)一部譲渡:共有根抵当権である。
 (民法398条の13)*登録免許税:極度額を一部譲渡後の共有者の数で除した額の1000分の2を納付します。
(登録免許税法:別表1.1.(7))
具体的なケースとして
根抵当権者G(極度額1000万円)・債務者S・設定者A・受益者Xとすると、GXが、極度額1000万円の根抵当権を準共有(民法264条)する。持分率は、当事者の合意がなければ債権額に応ずる。
参考:これに対して、
1)全部譲渡:Xが極度額1000万円の根抵当権の単独権利者となる。根抵当権者の変更(GからX)に伴い、①担保債権の変更も必要となる。➁譲渡は、譲渡人(G)と譲受人(X)の合意のほか、③設定者(A)の承諾を必要とする。
2)分割譲渡:Gが極度額の4割をXに譲渡すると、Gが極度額600万円、Xが400万円の同順位の根抵当権を取得する。
 さらに、上記①+➁+③+④:転抵当権者の承諾:根抵当権を目的とする権利を有する者の承諾も必要である。 

*上記1)及び2)被担保債権から完全に切り離して、根抵当権を譲渡することを認めたもので、普通抵当権にない制度です。
以上、回答に際し、民法Ⅲ 債権総論・担保物権法・内田 貴 先生著 東京大学出版会を参考(引用)しました。

参考になった:5

hinotori 2023-03-10 15:41:17

hinotori さん

 いつもご指導有難うございます。

 仰るとおり、転抵当権者にとって、原抵当権に対する法律的価値(担保価値)は、『極度額』は変わらないから。 と考えると説得力がありますね。
 学術書までご参照のうえご回答いただき、恐れ入ります。

 さらに、全部譲渡や分割譲渡との対比まで示してくださり、勉強になりました。感謝申し上げます。

 今後ともよろしくお願いします。

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takugin97  2023-03-10 20:20:05



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