ニックネーム | *** 未ログイン ***

 

回答順に表示     新しい回答から表示     参考になった順に表示

pocyun167 さん、こんばんは。

民法375条1項本文及び2項にあるように、抵当権の優先弁済(被担保債権の範囲)につき、利息その他の定期金・遅延損害金については、最後の2年分に限定しています。
これは、後順位者や一般債権者等の第三者が抵当不動産の余剰価値を計算できる(自分に対する優先弁済が確保できる)ようにという趣旨です。
たとえば1番抵当権者の元本債権は具体的な金額で登記されています。
しかし、利息や遅延損害金については、年○%と登記されていても、それが実際の金額として何年分発生しているのかは第三者からは判明しないため、このような限定をすることで、後順位者や一般債権者等の第三者を保護しています。

そこで、そのような理屈であるならば、逆に既に発生して弁済期の到来した利息(支払いを延滞している利息)を具体的に金額で示す(登記をする)ことにより、この登記された具体的金額について優先弁済権を認めても、第三者に不測の損害は与えないというものです。

1項の「定期金」とは、地代、小作料、賃料、終身定期金等を指しますが、これらを被担保債権として抵当権が設定されることはほとんどないので、定期金は無視して利息のみを考えておけば足ります。
結局、元本債権の弁済期は到来していないものの、利息に関しては、利息の弁済期が到来しその支払いがされていない部分がある、というのがこの場面です。
そこで、この登記は、一般に「民法第375条第1項ただし書の利息の特別の登記」と呼ばれています。

具体的には、不動産登記で学習しますが、以下のように登記されます。
1番抵当権の利息の特別の登記
令和1年7月1日から令和2年6月30日までの利息延滞
延滞利息 金100万円

上記のように、ここでの登記の対象は、「延滞利息」ですから、1項ただし書の「満期後に特別の登記をしたときは」の満期とは、利息の弁済期を意味します(1項本文の「満期」については争いあり)。
弁済期に支払いがなされていない利息について、その具体的金額を登記しようということですから、必然的に「満期後」(利息の弁済期後)に登記を行うことになります。

講師 小泉嘉孝




参考になった:20

koizumi1 2023-07-02 23:33:51

ご丁寧にありがとうございます。
大録

投稿内容を修正

pocyun167  2023-07-05 15:11:42



PAGE TOP