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民法/共同抵当権の放棄
pocyun167 2023-09-23 12:06:23
共同抵当権者は自由に共同抵当権の一部について放棄ができますが、その場合、放棄した不動産について後順位者が存在する場合、
その後に抵当権の実行をしたとき、後順位者に対して、仮にその放棄がなかったら後順位者が代位できた限度において優先弁済を
うけることができず、後順位者が優先するとされます。
①まず、共同抵当権の放棄はどのような場合になされるのかという点です。
②次に、後順位者の保護は、元々、後順位者が設定するときに、後順位だけれど共同抵当だから、後に代位ができるものとの前提で
設定するので、これの期待を裏切るのは不当だという考えなのでしょうか?
pocyun167さん、こんばんは。
①について
共同抵当権者の被担保債権について、債務者が一部弁済を行い、残債務の回収については、一部の不動産のみで足りると判断された場合に放棄がなされることがあります。債権者の方から積極的に行うことは、ほぼ考えられませんが、銀行実務では、債務者の経営状況の変化等に伴い、債務者から担保の差替えや一部解除・一部放棄の要請はしばしば行われます。
②について
かつての判例は、権利放棄は債権者の自由であって、代位への期待は単なる希望にすぎず、放棄によって後順位者の権利を侵害したことにはならない(大決大6.10.22)としていましたが、その後、大判昭11.7.14では、当該期待を法的保護の対象とし、後順位者が代位することが限度で共同抵当権者の優先弁済権を否定することで、実質的に放棄を制限する立場に変更しました。
講師 小泉嘉孝
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koizumi1 2023-09-24 23:10:37